昨年9月にさいたま市立日進小6年の桐田明日香さん(当時11歳)が駅伝の練習中に倒れて死亡した事故を受けて、明日香さんと日進小の名から字を取った記念碑「明日も進む」が同小に完成した。記念碑には「苦しい時や悲しい時も前に進んでほしい」との遺族らの願いが込められている。8日の除幕式に集まった関係者らは子どもたちの安全を守ろうと、思いを新たにした。

 記念碑は、下條清前校長の呼び掛けで集まった寄付金で制作された。明日香さんが憧れていたシルクロードをイメージし、それぞれ違う姿のラクダが10頭並ぶ。彫刻家の沢田英男さんは「明日香ちゃんが寂しくないよう10頭作った。子どもたちに触って親しんでもらえれば」と話す。

 さいたま市見沼区在住の漫画家、あらい太朗さんが明日香さんの作った詩をヒントに銀色のプレートを制作。「わたしはあなたといっしょに歩んでいます わたしはあなたといっしょに生きています」と刻まれている。

 除幕式には明日香さんの同級生らも出席。日進中1年の山崎美優さん(13)ら4人は「優しくて面白くて元気な明日香が大好きでした」「いつまでもみんなを見守っていてね」「このモニュメントに来れば明日香に会えるのかな」などと書いた手紙を一緒に朗読した。

 明日香さんは昨年9月29日に学校で1000メートルを走り終えた後に倒れ、翌30日に死亡した。教諭が「脈あり、呼吸あり」と判断したため、校内にあった自動体外式除細動器(AED)は使用しなかった。市教育委員会は再発防止のため、AEDを使うよう促す教員向けの事故対応テキスト「ASUKAモデル」を先月作製している。

救急フェスタ:心臓マッサージやAED使用法学ぶ--四日市 /三重 心肺蘇生の方法などについて学ぶ「救急フェスタ」が8日、四日市市泊小柳町のイオンタウン四日市泊であった。  今年4月1日から心肺蘇生の方法が変更になったことから同市消防本部などが開催。救急現場での心肺蘇生の実施率を高めることで、救命率の向上を図るなどの狙い。  会場では、買い物客らが消防署員や消防団員の指導で、心臓マッサージや人工呼吸を体験をしたり、AED(自動体外式除細動器)の使用方法を学んだ。また、はしご車や消防車などの体験試乗、防災に関する大型紙芝居もあり、訪れた親子らが楽しんでいた。  心臓マッサージを体験した四日市市楠町の山原麻衣さん(26)は「思った以上に力がいりました。女性一人では難しいかもしれません。近くの人に応援を頼みます」と話していた。
 「一緒に遊んでいる友達がけがをした」「登下校中に倒れている人を見つけた」。そんな時でも子どもたちが適切に行動できるようにと、「大阪千里子どもメディカルラリー」が6日、吹田市津雲台1の千里南公園で初開催される。119番通報やAED(自動体外式除細動器)の使い方などを競いながら、対応を学んでもらう仕組みだ。
 主催する大阪府済生会千里病院は「交通事故などのけが人や、突然具合の悪くなった人に最初に接する可能性は子どもにもある。救命に必要な知識や技能を身につけるきっかけに」と期待している。
 いすみ市は10月からAED(自動体外式除細動器)搭載車を使った全国初の「高齢者見守りあんしん電話事業」を開始する。身体に不安のある1人暮らしの高齢者のケアを強化するのが目的。市によると現在、市の高齢化率は33・1%に上り、人口の3人に1人が65歳以上の高齢者となっている。そのうち、約2900人が1人暮らしといい、在宅時の急病やけがに加え、孤独死の不安を抱えているという。
 この事業は民間警備保障会社に委託する。「見守りあんしん電話」装置=写真=を高齢者の自宅に無料で設置。急病などの緊急時に装置の緊急ボタンを押すと、委託業者がAEDを搭載した車両で駆けつけ安否を確認し、必要に応じて救急車の出動要請を行うというもの。
 装置は、生活反応を把握するため、主にトイレに設置する。ドアの開閉を関知するセンサーが常に利用者の動きを感知。24時間一度も人の動きがない場合は異常と判断して、自動的に警備保障会社の受信センターに通報される仕組みだ。平常時には装置の電話による健康相談、介護相談などができる。現在、消防署に直結する緊急通報装置を順次切り替えていくという。
 市は「AED搭載車による心肺蘇生の初期対応の取り組みは、高齢者の日常生活の不安軽減につながる」としている。同事業に並行して65歳以上の1人暮らしの高齢者には「救急医療情報キット」を無料配布する。

 きょうから10月。スポーツの秋の到来だ。しかし残念なことに、子どもたちが体を動かす喜び、楽しさを知る学校の運動部活動や体育の授業での痛ましい事故が後を絶たない。「スポーツに事故やけがはつきもの」とあきらめるのではなく、大人たちが万全の対策を講じて子どもたちの命を守らなければならない。

 学校における体育活動中の事故について文部科学省の有識者会議が初めてまとめた報告書によると、2009年度までの12年間に全国の小中学校と高校で死亡事故が470件、重度の障害が残る事故が120件起きていた。年間約50件の計算だ。

 中学と高校の部活動中での事故が318件と半数以上を占め、競技別では柔道が50件で最も多く、野球、バスケット、ラグビーが続く。中学、高校とも1、2年生に集中して発生している点が特徴でもある。

 死因では突然死が7割を占め、以下頭部外傷、溺水、熱中症の順。体調がすぐれない時には無理をしないことを徹底するほか、AED(自動体外式除細動器)の使用法の習熟などが対策として挙げられている。