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アカデミアからのぞくJ-POP, K-POP, HIP-HOP

このブログではアカデミックな立場から(主にアメリカで)どのようにJPOP, KPOP, HIP-HOPが認識・議論されているかを文献なども紹介しながらお話ししていきます。のんびり書いています♪

こんにちは!

 

さて、本日は、音楽評論家の方々の

意見をもとにK-Popのシステムの歯車が

徐々に壊れかけていることに関して

お話ししていこうかと思います。

 

 

【K-Pop】危ない橋を渡り続けるK-Pop

 

 

こちらの記事をもとにお話ししていきます。

 

 海外での人気が出始め韓国で人気が下がるK-Pop

 

最近では、Netflixの"KPOP Demon Hunters"も人気が出ていて、

アメリカの子供はみんな見てる・・・と言っても過言では

ないほどの人気。アメリカでも現地化グループが活躍

しています。私の学生もK-popオタクがいます。

ですが、2023年を機に売り上げは下がっています。

今年は去年よりもまた下がっているらしいです。

しかも「韓国」での売り上げが下がっているのです。

これはどういうことなのか。

 

一つには、「ガールグループ」のピークが過ぎたと言われています。現在、韓国のチャートの上位をガールグループが占めることはなくなってきました。

一時期は、NewJeans, Ive, aespaなどが上位を占めていましたが今はそういうことがなくなりました。

 

そして、新曲のチャートインに関しても変化が起こっています。

新曲が出て、勢いよくチャートのトップに現れるということも起こりづらい。上位に現れても維持できない。維持できないままランクは下がっていく・・・こういうことになっている様子。

 

 海外でのコンサートのツケ

 

最近、私の学生もK-popコンサートに行っている子たちがチラホラいるのですが、確かに肌感としてアメリカでもK-popは順調に勢力を伸ばしているな、と感じます。

ただし・・・

ここでまた悪循環が起こっているようです。

海外でのコンサートの売り上げは上がっているがプロダクションコストはその分増え、若いグループたちの制作費用などに利益が回されるということに。

HYBEの収入も昨年より3倍上がっている、にもかかわらず、支出が収入より上まってしまい、結果的に損失しているという結果を出しています。

 

 

 危ない橋を渡り切れるのか?

 

やはり、海外進出をすると大規模なマーケティング、ツアープロダクションに費用がかかり、HYBEのような大手でもかなりの痛手となります。中小企業に海外ツアーをこなせる力はほぼ無理なのだそう。

 

以前も少しお話ししていますが、この流れで、Purple Kiss, Weekly, Everglowなどのグループが今年で解散。

K-Popの海外進出は失うものも大きかった、ということ。

しかも猛スピードで猛進したことが、柔軟性も変化も業界に許さない状況を産んでいるとも言われています。

海外に進出すればするほど、いわゆる「海外仕様」となり、

韓国国内のファンに全く刺さらなくなっていくという悪循環が起こっているわけですね。

 

 

 過去の成功体験が変化を拒む

 

これはどこかで聞いたことがあります。

SKY-HIが言っていましたよ。

「J-Popは過去の成功体験で変化をせずに20年以上何も変わっていない。(だからK-Popに負けた)」

SKY-HIが盛り上がっていくK-Popを見ながら

THE FIRSTをやっていたことは間違いないと思います。

が、K-Popが本国でだんだん流行らないものになることまで

予測できていたのかどうか。

これはサイクルかもしれません。

流行るものはサイクルが必ずあります。

海外で流行っているJ-Popはそこまで海外仕様にこだわっている

わけではないと思います。

海外に好かれるように形を変えるとJ-Popではなくなります。

J-Popもさまざまな海外の要素を取り入れながら

変容してきましたが、結局そのターゲットは日本人であるので

Jが保たれてきました。

 

J-Popが80年代〜90年代とアジアで盛り上がり、

その後は落ち着いてきたように

K-Popも同じサイクルを辿っていくような気もします。

なんですが、一つ気になるところはKは韓国人を必ずしも

ターゲットにしているわけではないこと。

しかも、猛スピードで来てしまったので、フレキシブルさに

欠ける、ということは、下がる時も猛スピードになりそう・・・。これほどまでに成功してしまうと、これまでのやり方を変えることは難しくなります。

ここを評論家たちは指摘しています。

 

何が正しいのかはわかりませんが、今となってみれば、

別にJ-Pop自体は何も遅れをとっていなかったし、

失敗もしていなかったな、と思いました。

 

それではまた。