【K-Pop】韓国語ラップがかっこよく聞こえる理由 | アカデミアからのぞくJ-POP, K-POP, HIP-HOP

アカデミアからのぞくJ-POP, K-POP, HIP-HOP

このブログではアカデミックな立場から(主にアメリカで)どのようにJPOP, KPOP, HIP-HOPが認識・議論されているかを文献なども紹介しながらお話ししていきます。のんびり書いています♪

こんにちは!

 

本日は、

 

 

【K-Pop】韓国語ラップがかっこよく聞こえる理由

ということでお話ししていきたいと思います。

 

韓国語ラップの方が日本語ラップより

かっこいい・・・

と、思っている人いるような気がします。

私もそう思う時もあります、正直。

 

スキズのラップとか最高ですよね。

 

 

 

 

 

 

なぜでしょうか?

 

ヒップホップ、ラップと言えば

英語で聞くことが多いと思いますが、

韓国語でもなかなか聞き応えがあると思います。

 

簡単に音の観点からだけで結論を言うと、大きく

二つあります。

 

(1)子音の数が多いこと(子音で終わる単語がある)

(2)aspirated soundsとunaspirated soundsの区別があること

(有気音や帯気音と呼ばれるものです。有気音・無気音の区別がある。)

 

(2)に関して言うと、日本語にはこの区別がありません。

この無気音・有気音とは何なのかというと、

p, t, kのような子音に起こることですが、息を吐きながら強く吐き出すように

発音することです。

例えば、pだとパッ!と、破裂させるように出すので、

破裂音という場合もあります。

 

一方で日本語のpはどちらかというと中国語・韓国語でいう

「無気音」っぽいんですね。(区別はないですが、どちらかというと

有気音ではないです。)

なので、中国語や韓国語だと

日本語のpがbに聞こえるという現象が起こります。

 

また、英語も韓国語も「子音」で終わる言葉があります。

tやkで終わるような単語です。

これが日本語には全くない現象。

日本語の音韻論の話をすると長くなるので(もう長くなってるわ笑い泣きsorry!)

省略しますが、syllable(音節)の構造が全く違います。

日本語は、mora(モーラ)と言われる構造をしていて、

ズバリ「ひらがな」ですね。

「か」、「た」、だと"ka", "ta"となりますね。この場合

ひらがな全ての母音の長さも強さも同じ比率になります。

母音は全て同じ質を保つというのが日本語の音韻ルール

なんですね。

なので、全ての音節に母音が入ってくるので

p、k、tで終わるような単語がなく、破裂音がない分

アグレッシブには聞こえないかな、ということに

なります。

 

昔、日本語のhip-hopを取り上げて

教材に使ったことがありますニヤニヤ

 

NORIKIYOさんの「夜に口笛」とか↓

これは内容を解釈する、ということで教材にしました。

「夜に口笛」って日本人にしかわからないコンテンツですよね。

NORIKIYOさんは秀逸すぎます。

荒んだ内容でも怖く聞こえない日本語。

 

 

韓国アイドルグループの日本語バージョンが

時々、日本語ぽく聞こえない(意味が取りづらい)のは、

彼らの発音する日本語の音節が

モーラになっていないからです。(日本語訳がおかしいという

説もありますが滝汗

母音が短くなったりします。また、子音を有気音にすると

弾ける音が強くなりこれも日本語っぽく聞こえない現象が

起こります。

 

で、一つ気づいたことは、また取り上げますニヤニヤ

ボネクドの「今日だけI LOVE YOU」も

そういう現象が起こっていますね。

 

特に、リウの「愛してる」の「し」の 母音「い」が

かなり弱く、短くなっています。aishteruに近くなっています。

(ライブでもそういう発音していますね)

逆にウナクの「愛してる」はしっかり「い」を発音していて

日本人ぽく聞こえます。

 

ちなみにレコーディングビハインド上がってました。ニヤニヤ

こういうレコーディング風景見るの、大好きです♪

 

ただし、日本人が話す場合も「S」の後の母音は

弱くなったり、消えたりします。

「お願いしま」の最後の「す」をSUと「U」をしっかり

発音する日本人はあまりいないはずです。

「あすか」もどちらかというと「aska」と発音することが多いと

思います。

ただ、これは例外として扱われますが。

 

というわけで、日本語ラップはどんだけ叫んでも

叫び声は大きくなっても力強くは聞こえないという

欠点はありました。(音以外の面で優れた作品に

することはもちろん可能です。)

全ての音節に母音が入るので。母音が入ると

どうしても優しく聞こえます。

ですが、最近、Number_iのラップを聴いていると

だいぶん、このラップにおける

日本語の弱点をカバーしているな

と感じます。(アグレッシブさをどう出すか、

という意味での弱点、という意味です。)

音の区切り方で日本語も

かっこよく聞こえますよね。平野くんの声が

いけてるから? ニヤニヤ 

区切り方を工夫して母音を短めにしたり

子音の部分を少し強く発音することで

英語ラップ並みのかっこよさに仕上がると思う。

ですが、日本語のモーラを生かしたラップが

あってもいいのかな、とも思ったり。

逆に日本語の良さを強調することも有りですね。

工夫が大事だと感じます。

 

それではまた。