【K-Pop】類似グループ多発で悩まされるK-pop業界 | アカデミアからのぞくJ-POP, K-POP, HIP-HOP

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このブログではアカデミックな立場から(主にアメリカで)どのようにJPOP, KPOP, HIP-HOPが認識・議論されているかを文献なども紹介しながらお話ししていきます。のんびり書いています♪

こんにちは!

 

本日は、

 

こちらの記事(今年5月リリース)(Korea Times)を元に

 

 

 

【K-Pop】類似グループ多発で悩まされるK-pop業界

についてお話ししていきます。

この記事の核となるテーマは、

 


類似したグループを量産した結果起こる問題点

似たようなグループを量産することで

売り上げを伸ばそうということですが、

あまりにもセールスを上げることへ

執着しているかのような業界のグループ量産。

グループの差別化が難しくなります。

K-pop業界が取り組まなければならない点は、

独創性、芸術的品格、業界の透明度

ということです。

グローバルに認知され人気になってきた

K-popが直面している問題です。

 

この記事の中で議論されている点は以下の3つです:

  1. ILLIT's 'Magnetic' vs NewJeans' 'Ditto'
  2. Live performance controversy(ライブパフォーマンス論争)
  3. Shadow of 'authentic marketing'(「誠実なマーケティング」の影)

この記事がリリースされたのが5月で、今

もう年末12月。

K-popは色々と事件が起こり目まぐるしい

動きがあります。

この半年でまたK-popには動きがあり、

これを「進化」と捉えるのか、進化のための

混乱と捉えるのか・・・色々議論されては

いますが、とりあえず専門家の意見も交えつつ

うまくまとめてあるので取り上げてみました。

 

 

ILLIT's 'Magnetic' vs NewJeans' 'Ditto'

ILLITの「Magnetic」は

NewJeansの「Ditto」に似ている・・・

という指摘はあったそうですが、

それはファンによればHYBE傘下だから

Dittoをリスペクトする意味での

オマージュだと言われていました。

 

が、その後ミン・ヒジンとHYBEの

争いが起こり、実際、ミン・ヒジンは

ILLITはNewJeansのコピーだと

HYBEを非難・・・。

そこにはリスペクトも何もないことが

わかりました。

同じようなものを量産することで

レーベル会社による醜い競争が勃発。

ここからHYBEのマルチレーベルシステムが

実はうまくいっていないことが明るみに。

このK-popという音楽ジャンル一本に

絞って複数のレーベルを持つ方法で

不必要なレーベル間での競争を生み、

株式市場に埋め込まれた形となり、

「儲かる商売」に傾いてきた。

 

ソウル大学Asia Research Instituteの

Lee Dong-jun氏は、

「HYBEのマルチレーベル方式で

生み出される『多様性』とは、

文化的多様性ではなく、消費の多様性である」

と、おっしゃっています。

結局、金儲けに走ってしまっているということ。

さらにLee氏の見解は、

「ADORとHYBEの間で起こった対立は、

同じような手法で似たグループを

量産するK-pop業界が限界に達してきた

ことの表れ」

 

そろそろK-pop業界も頭打ち。

それでも量産し続けるのか。

 

ライブパフォーマンス論争

似たようなグループが増えてくると

ユニークな個性が失われてくる。

ファンはますます「本物の」歌手を求めるようになる。

これは。。。私もそう思います。

やっぱり生歌を聴きたいんですよ・・・。

歌番組なのに、なぜ口パクでダンスお披露目会に

なってしまうのか・・・。歌番組だからこそ

ダンス控えめで歌を聴かせてくれてもいいのに、とさえ

思ってしまう。

「いや、K-popってそんなもんなんだよ」という言い訳が

ちょっと聞き苦しいところは正直、ありますよね。

生歌論争にも発展しますが、生歌ができないほど激しい

コレオだったり、生歌がうまくできないと残念ですね。

 

文化評論家のSung Min-seong氏は、

「似たグループ量産で個性がよくわからなくなると、

ファンはアイドルグループの

アイデンティティーを

「歌唱力」で区別しようとする」

のだそうです。

そして、

「K-Popアイドルの信頼性というのは、

量産型トレーニングシステムによって

生まれたものだが、評価は

歌唱力によってされることが多い。」

 

これは理解できますね。

結局、ダンサーなのか歌手なのか、と言われると

やっぱりK-popアイドルは歌手なんだいう認識が

韓国の評論家にもあるということです。

私も生歌をバッチリ決めるアイドルに心惹かれます。

 

ただ、これが「皮肉」なんですよね。

エージェンシーもファンダムも歌手としての信憑性よりも

結局はK-pop市場に傾く。売れればいいんだ、となる。

 

 

信憑性のあるマーケティングとは?

"authentic marketing"信頼性のあるマーケティングとは何?

という問題。

これはファンダムプラットフォームビジネスに関することです。

WeverseやBubbleがそれに当たるのですが、

ファンがアーティストとコミュニケーションできる

システムです。

このいかにもファンの近くにいるような

感覚になるツールが厄介な問題を生み出しますよね。

 

K-pop消費者文化を本として

『Hesitant Love』を出版された

Ahn Hee-je氏は、このようにコメント

されています。

「K-popエージェンシーはますます

アーティストへのファンの「愛情」を

プラットフォーム、グッズ、所有権のある

エンタメコンテンツを通して

コントロールしようとしています。」

 

ファンはコントロールされているんです。

「信憑性のあるマーケティング」の逆効果も

ある。

過激なファンが常にアーティストの行動・発言を

チェックし、「なんで私たちを裏切ったの!?」

のような発言をしたりする。

ヨントンでお説教してみたり。

例えばアイドルの熱愛。デートが報道された時。

アイドルは神ではないので・・・人を好きになったり、

デートをしたりするのは意外なことではないですが、

ファンダムは良く思わないことが多いです。

そもそもアイドルが自分の恋人を公表したり

恋愛事情を話すことはタブーです。

「アイドル」という存在はファンダムが恋人だという

設定の元に成り立っているものですからね。

そういう職業を選んだ人の道ではあるのですが、

もし恋愛がバレた時にファンダムに対して

手書きで「謝罪文」を書くほどのことをしたのか

どうか・・・。これが「信憑性・信頼性のある行為」

なのか。難しいところだと思います。

何もかも設定で作られたキャラなのに私生活まで

そんなことやってられない・・・ですよね。

 

誰もがBTSのJinみたいな人にはなれませんよ(笑)

BTS Jinはいい意味で根がアイドルなんです、多分。

アイドルの鏡。

彼は好きでファンサービスしているように見えます。

それが自然にできる人とそうでない人がいますよね。

無理をすれば体や心に支障が出てきます。

 

何かを得て何かを失う。

まさにK-popアイドルです。

普通の精神力ではなかなかこなせない

仕事のように思います。

 

それではまた。