【K-Pop】BTSを越えられない理由 | アカデミアからのぞくJ-POP, K-POP, HIP-HOP

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このブログではアカデミックな立場から(主にアメリカで)どのようにJPOP, KPOP, HIP-HOPが認識・議論されているかを文献なども紹介しながらお話ししていきます。のんびり書いています♪

こんにちは!

 

本日は、

 

 

BTSを越えられない理由

ということについて少し

お話しします。

 

K-Popグループが

BTSを越えられない、というのは

現在のK-PopグループがBTSを

目指してしまっているからという

ことが言えると思います。

(公言するしないに関わらず

潜在的にBTSの存在・達成したもの

が今のK-Popに影響しているという

意味です。)

 

このパターンがわかるのが、現在の

アメリカのボーイグループの現状です。

R&B(モータウンサウンド)という

ジャンルそのものの衰退、

Hip-hopに取って代わられ、今

Hip-hopも現段階では人気のピークを

過ぎ下降ぎみです。

そして、ジャクソン5のような

国民的人気のグループが今

いないんですよね・・・。

 

R&BシンガーのNe-Yoが

「ボーイバンドはK-Popが

取って代わった」

とも言っていたので、

そうなんだと思います。

 

いわゆる、「アイドル」のような

ダンス・ボーカルグループは、アメリカでは

歴代以下のようになると思います。

(細かいことは省き、ざっくりとしたものです。

それぞれの世代ごとに代表的なグループを

あげておきます。)追記:

それぞれのグループの作品も追加しました🎵

Enjoy!

 

1960年代 ジャクソン5 

爆発的人気、兄弟グループ。

マイケル・ジャクソンが大スターになります。

この後アメリカではボーイグループは5人組が主流に。

 

 

 

1970年代後半〜 New Edition

ジャクソン5が解散し、それに代わる

グループを、ということでボストン出身の

5人組がデビュー。(後にJohnny Gillが加入)

メインボーカルのラルフ・トレスヴァントは

マイケル・ジャクソンの再来かと言われるほど

似た声質でした。ボビー・ブラウンを始め

このグループからソロになったアーティストは

全員売れました。

 

 

1980年代〜 New Kids On The Block (NKOTB)

New Editionをプロデュースしたモリス・スターが

New Editionの「白人」版グループを

意図的にプロデュース。日本でも人気が出ました。

 

 

1990年代〜 Hi-Five (R&B系)

メインボーカルのトニー・トンプソンは

マイケル・ジャクソンの再来か!?と言われるほどの

ボーカル力(亡くなりましたが)。

リリースする曲全てキャッチーで

ライブでの生歌が神レベル。

 

 

Backstreet Boys (Teen Pop系)

ちょっとNKOTBを思わせるグループ。

活動休止したり、裁判沙汰になったり

しましたが、また活動始めました。

 

 

1990年代後半〜2000年代 

NSYNC 

ジャスティン・ティンバーレークがソロで活躍。

 

 

アメリカだと売れた代表的なグループは、

こういう感じです。

(実際、似たようなグループはもっとありますよ。)

 

で、何が言いたいかというと、

アメリカでジャクソン5以降に出てきた

グループは全て、ジャクソン5に影響されて

いることは間違い無いです。

そして、グループでもソロでもよく、

「マイケル・ジャクソンの再来か!?」

というような注目されるメインボーカルが

時々現れます。

ところが、実際はジャクソン5を

超えるグループも、マイケル・ジャクソンを

超えるスターもなかなか出てこないというのが

現状なわけです。

 

BTSは2017年ごろから全米に進出します。

American Music Awardにて、

New Editionのステージを見て盛り上がるBTSが

映し出されています。

その様子をこちらの動画の中のfootageで見ることができます↓

BTSへも影響を与えていることを知り、満足しているおじさんたち。ニヤニヤ

紆余曲折を経て、今でもグループとして

活躍するNew Edition (すごい貫禄やね・・・滝汗

 

ある時からBTSは韓国で活躍している先輩の

グループではなく、全米で「レジェンド」と

言われるグループのステージを見学し、

そこを目指すようになっていきます。

(確か、NKOTBのステージも見ていたような

気がする。)マイケル・ジャクソンの振り付けも

Dynamiteに取り入れていると言われています。

 

New Editionは確かにすごいグループでしたが

ジャクソン5を上回るかどうか、超えたかどうか

に関しては、「越えた」と

言い切れないです。難しいです。

マイケル・ジャクソンもみんなが目指す

存在であって、超えられるものではない

という認識の方が高いと思います。

 

それと同様に、今K-Pop界がBTSが天井に

なってしまっているわけですね。

BTSを越えようと思って、頑張っていた

ところからだんだんBTSのようになりたいと

目指すようになってしまった。

この時点で、もうどのグループもBTSを

超えられなくなってきます。

Stray Kidsがどこまで行けるかですけどね。

これは決して悪い意味ではなく、K-Popが

しっかりそのジャンルを確立したという

証拠ではあるんですね。

ですが、ここからが勝負というか、これから

アップ・ダウンの波がやってくると思います。

 

つまり、今まで上り調子だったのが、

上がりっぱなしではなく、

人気の波が出てくるということです。

Hip-hopの人気が落ちてきて、別のジャンルが

上がってくるように、そのようなサイクルに

これからK-Popも入っていくのだろうなと

思いました。今のところ、BTSを越えられない

となると、BTSがピークだったということが

言えると思います。

 

一つ、懸念はやはり、BTS(KPop)がNew Edition や

マイケル・ジャクソンのようなアメリカン・スターを

目指してしまっていたとしたら・・・

これはこれで問題ではありますね。

どこまでもアメリカを越えられない

ということになります。

今のK-PopグループがBTSを越えられないのと同じで。

 

ここの何が問題なのかというと

一番に独自性。

アイデンティティーです。

アメリカンポップの派生のような

立場でいいのかどうか。

BTSがアメリカ進出を重視して

そのような音楽作りになると、

K-Pop業界にその影響は及びます。

その方向に行けば行くほど

オリジナリティに欠ける。

 

HYBEが去年言っていたような

ラテン系の音楽が流行る、と見込んで

ラテン系音楽にシフトしていくのか。

それも主体性がなくやっぱり

オリジナリティに欠ける。

流行りに振り回されがちなK-Popだな

という印象。

 

それではまた。