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🖋 東京の日エッセイ
七月十七日を「東京の日」と名づけたのは、
少し気取った歴史好きかもしれない。
江戸ヲ称シテ東京ト為ス──その古風な詔書の文言は、
今では社会科資料集の片隅で黄ばみかけている。
それでも、この日を誕生日と決めてしまえば、
喧噪に満ちた首都も、どこか一人前の人間の
ように見えてくるから不思議だ。
子供のころ、東京といえば真っ先に
浮かんだのは教科書の挿絵の東京タワーだった。
だが大人になって六本木ヒルズの屋上に立つと、
東京タワーは、もはや記号ではなく、
遠くで静かにまたたく一本の灯に変わる。

今どき、屋上を吹き抜ける風は、
海の香り、潮の匂いがする。
ただ、足もとの街路だけがやけに小さく、
そこを行き交う無数の人々が、
誕生日を持たされた都市の毛細血管の
ように、せわしなく脈打ちつづけて。
江戸が東京に改名されたあの日から、震災と空襲を
くぐり抜けてきた街が、この夜もなお光を絶やさずにいる。
最後までご覧頂きありがとう。
今日が良い日となり、
明日がさらに素晴らしい日となりますように
。
撮影 文 熊谷
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七月十七日を「東京の日」と名づけたのは、
少し気取った歴史好きかもしれない。
江戸ヲ称シテ東京ト為ス──その古風な詔書の文言は、
今では社会科資料集の片隅で黄ばみかけている。
それでも、この日を誕生日と決めてしまえば、
喧噪に満ちた首都も、どこか一人前の人間の
ように見えてくるから不思議だ。
子供のころ、東京といえば真っ先に
浮かんだのは教科書の挿絵の東京タワーだった。
だが大人になって六本木ヒルズの屋上に立つと、
東京タワーは、もはや記号ではなく、
遠くで静かにまたたく一本の灯に変わる。

今どき、屋上を吹き抜ける風は、
海の香り、潮の匂いがする。
ただ、足もとの街路だけがやけに小さく、
そこを行き交う無数の人々が、
誕生日を持たされた都市の毛細血管の
ように、せわしなく脈打ちつづけて。
江戸が東京に改名されたあの日から、震災と空襲を
くぐり抜けてきた街が、この夜もなお光を絶やさずにいる。
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