今日は郵政記念日 | ザスタのクマさん

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年賀状はずっと残してある?


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昨日に続いて今日も京都の話です。

💌 郵政記念日の朝四月二十日、郵政記念日。
新聞の片隅にそう刷り込まれているのを眺めながら、私は南座の前で信号が
変わるのを待っていた。郵便制度が始まったのは、明治四年のこの日だという。
東京と京都と大阪を結ぶ新しい仕組みが、飛脚の足音をそっと上書きした日で
あるという話を、どこかで読んだ。

もっとも、私にとって郵便というものは、歴史的事件というより、
ポストの赤い色のほうが先に思い出される。なかでも、このあたりに
一本残された丸いポストは、まるで明治の置き土産のように、静かに立っている。

信号が青に変わると、私は南座の軒先をかすめるように東へ折れ、
花見小路へと足を向けた。










🚶 花見小路の奥で
四条通の騒ぎを背中に置いて角を曲がると、空気の密度が少し変わる。
車の排気の匂いが薄れ、代わりに出汁の湯気と、畳の乾いた匂いが混じり合う。
石畳に沿って、格子戸の連なる茶屋が静かに口を結び、
昼の光を遠慮がちに受け止めている。

角を二つ数えたところで、例の丸いポストが見えてくる。
胴のあたりには、長年の雨風でうっすらと傷が入り、そのひとつひとつが、
知らない人々の手紙の数だけ刻まれた年輪のように見える。
表面の赤は、買ったばかりの朱肉のような鮮烈さをとうに失い、少
しだけくすんだ色に変わっているが、それがかえって、ここでは似合っている。

私はふと、丸い投函口を覗き込んだ。暗い口の奥には、
いま投げ込まれたばかりの手紙が、一通、二通、重なり合っている。

その封筒のどれか一つが、もしかすると、「祇園南座前」だとか、
「花見小路の角の茶屋」だとか、そんな宛名を書き連ねているのかもと思うと、
見知らぬ誰かの心の重さが、ポストの鉄の肌を通して、
じんわりと掌に伝わってくる気がした。

✉️ 手紙と街の呼吸
郵便という制度が生まれたとき、人々は、遠くの町へ言葉を
送ることの不思議に、どれほど胸を躍らせただろう。

今でこそ、指先ひとつで大陸を飛び越えられるようになったが、
その軽さに慣れてしまうと、逆に、切手を選び、宛名を書き、
投函口にそっと封筒を滑り込ませるまでの、
あの一連の重たさが、恋しくなる。

観光バスの吐き出す外国語や、スマートフォンの電子音は、
彼にとっては新しすぎる雑音なのだが、それでも彼は文句
ひとつ言わず、ただ淡々と差し出された手紙を飲み込んでいく。

私はポケットから一枚の絵葉書を取り出し、しばし逡巡したのち、
投函口にそっと差し入れた。花見小路の風情を写したその一枚が、
いつかどこかのポストに吸い込まれてゆくまでの旅路を思い描きながら、
私は南座の方へと歩き出した。

振り返ると、丸いポストは、何事もなかったように、
少し色褪せた赤い背中を、静かに通りに向けていた。



少年の頃の思い出の1曲





最後までご覧頂きありがとう。

今日が良い日となり、

明日がさらに素晴らしい日となりますように晴れ

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撮影  文  熊谷

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