PSP『つくものがたり』
販売 フリュー 開発 キラウェア
一昨年、モバイル・業務用ゲーム事業の好調を受けて家庭用へ参入したものの、
『ラストバレット』『さらば愛しき女よ』『世界ふしぎ発見DS』の3連弾で、
ADVファンからはとてつもなく悪いイメージを作ったであろう“あの”フリューが、
何かに懲りたのか今度は『LUX-PAIN』で一定の評価を得たキラウェアを開発に起用し、
新作アドベンチャーRPG『つくものがたり』を引っ提げてPSP市場に参入。
キラウェアは前作『AnotherTime AnotherLeaf 鏡の中の探偵』こそ不評だったモノの、
ノウハウ自体はあるので雑誌評価も高く、デキのそれ自体はさほど問題にはならないとして。
西尾某を彷彿とさせるタイトル名や声優を推したプロモーションなど、
あざとさしかないが、特定の客層狙いなアプローチは前のフリューよりも明確。
設定のそれ自体は『LUX-PAIN』を引きずっているのが気にはなるが、
今、恐らくPSPは本体発売以来で最もADVに勢いがあると思われるだけに、
デキを含めて市場でのアピールポイントがハッキリさせれれば、ヒットの可能性もあるはず。
フリューの再出発という意味でも良好な結果に期待したいところ、だが…。
PSP『俺の妹がこんなに可愛いわけがないPORTABLE』
販売 バンダイナムコゲームス 開発 ガイズウェア
『涼宮ハルヒの約束』『とらドラ!PORTABLE』など、
萌え系アニメのゲーム化で定評も実績もあるガイズウェアが、
今度は昨年アニメが放送されオタク市場で『侵略!イカ娘』と併せて話題になった
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』をPSP向けにゲーム化。
売りは「ヌルヌル動く」という煽り文句で解る通り、
お家芸のモーションポートレート系技術(Live2D)を利用したアニメーション、
そしてキャラクターものではお約束要素の原作とは異なるifルート分岐。
システムは『銃声とダイヤモンド』の様にリアルタイムな会話の途中でコマンドを入れたり
スルーすることで状況が変化する「リアルタイムツッコミシステム」が採用されている。
アニメ放送直後とあって話題性は高いのに加え、特典もやたら力が入っており、
限定版に至っては何かの情念を感じる特製のゲームまで付属しており、
『とらドラ!PORTABLE』(7.2万本)『涼宮ハルヒの約束』(8万本)など
過去の実績に並ぶ数字が期待できる、はず。
いや本来はこっちの枠ではないのだが、ゲームの設定は人生相談ということと、このブログはオタの生態研究を兼ねている(大嘘)ため、一応こっちかなと判断。見所はそこではない、アニメーションだ。
PSP『CHAOS;HEAD らぶCHU☆CHU!』
販売 5pb. 開発 5pb./Nitro+
昨年XBOX360向けに発売しそれなりにヒットした、
『CHAOS;HEAD』のファンディスク的な続編『らぶCHU☆CHU!』のPSP移植。
PSP向けには既に『CHAOS;HEAD NOAH』を移植済みで、累計2.7万本を記録しているので、
恐らく本作も目立った数字ではないだろうが、それなりのセールスにはなるかと思われる。
売りはシステム周りのブラッシュアップとOP・EDの刷新とのこと。
DS『そらのおとしものフォルテ ドリーミーシーズン』
販売 角川書店 開発 不明
一昨年に話題になった『そらのおとしもの』のキャラクターゲーム。
パッケージを観ればなんとなく解ると思うが、つまり言えばタッチによるセクハラゲーム。
原作を知らないので何とも言えないが、この手の層は既にPSPへ移行していると思われ、
(あまり話題にならなかった、アニメ2期が直前で放送されていたそうだ。)
当時話題になったネタでも、一年以上経つと単に痛々しいだけなのは、やはり消費文化の宿命か。「岬めぐり」は名曲なんだからね。
【今週発売の注目ゲーム】
+据え置き機向けゲーム。
Wii『THE LAST STORY』
Wii『ラビッツ・パーティー タイムトラベル』
坂口博信氏が『Final FantasyⅤ』から18年ぶりにディレクションを行い、
音楽面で植松伸夫氏、キャラクターデザインに藤坂公彦氏を起用し、
システム構想に1年、完成まで3年半を期間と予算が投入された
Wii向けの大作RPG『ラストストーリー』が、発表から1年とうとう発売。
CMでの決め台詞が「新しいかたちのRPG」となっているとおり、
既存の路線を更に進化させた作りだった『ゼノブレイド』とは異なり、
フィールド状況や魔法効果などで変化するSLG的な要素を含んだ戦略性や、
オンラインも可能なマルチプレイ要素、リアルタイムなアクション性など
“JRPG”(文法であって、差別的な意味ではない)に新たな流れを持ち込む
革新性を感じさせる作品になっている…ようだ。
セールスはWiiがこの手のコア向け新規作品が売れているとはお世辞にも言いづらいのもあって、
ゲーム世界をアピールしたCMや、プレゼンテーションの開催、店舗別の特典など、
プロモーションの方向性は『マリオ』や『ドンキーコング』で見せたようなそれではなく、
販売元の任天堂が今まで取り込めてこなかった層へアプローチしたものとなっており、
これが本作の販売数にどう影響を与えるか…という点が商業的な分岐点かと思われる。
ついでに某氏曰く「『ラストストーリー』のビッグウェーブは“おれ”が作るんだよ。」とのことで、
そんな小池一夫先生ライクな男気を曝け出して見守るほどの気概は私にはないので、
とりあえず当日購入は見送り組ということにさせてもらっておく。
PS3・XBOX360『Dragon Age:Origins』
PS3・XBOX360『MIND JACK』
マルチプラットフォームで2本発売。
『Dragon Age:Origins』は海外で2009年に発売され話題となったRPGのローカライズ作品。
『Mass Effect』のBiowareが開発したマルチシナリオで自由度の高めなゲームなので、
好きな人はとことん好き、というタイプかと思われ底固めな数字を出すかと思われる。
もうひとつの『MIND JACK』は、企画時点で海外市場を意識しすぎた結果、
何がしたいのか良くわからなくなった…の典型に見えてしまうのだが。
スクエニの国産ゲームがここまで注目されないというのも含めてとても不気味。
『ニーア』よろしく、蓋を開ければ…という展開は、あるんだろうか。
XBOX360『ドリームクラブ ZERO』
XBOX360『ぎゃる☆がん』
そろそろ美少女ゲームの安住の地と化しつつあるXBOX360市場には、
ひっそり12月から延期、ひっそり訴訟沙汰だった『ドリームクラブZERO』と、
アルケミストがなぜかPS3『うみねこのなく頃に』と併せて発表し、
美少女+シューティングという謎の組み合わせで話題となった『ぎゃる☆がん』が登場。
前者はプロモーションで、後者は体験版で偉い事になっているのだが、
XBOX360に美少女ゲームが一定のシェアがあるのはもはや言うまでもないものの、
ここまでどんどん集まってくると、そろそろ市場が食傷を起こしそうな気もする。
PS3『ウィザードリィ ツインパック』
PS3『シューティングスタジオ』
PS3『スライ・クーパー コレクション』
PS3にはDL専用で販売された『囚われし魂の迷宮』と『囚われし亡霊の街』を
セットにしてパッケージ化した『ウィザードリィ ツインパック』などが発売。
個人的には『怪盗スライ・クーパー』のPS3リメイク版が少し気になる。
+携帯機向けゲーム
PSP『戦場のヴァルキュリア3』
PSP『喧嘩番長5 ~漢の法則~』
PSP『とある魔術の禁書目録』
携帯機は続編とキャラクターゲームが占拠したPSPがメイン。
『戦場のヴァルキュリア3』は、発表時こそ据置き機でなかったことから不穏な空気が流れたが、
まあPSP市場自体は発売6年目にして上昇気流に乗っているので、一定の数字は出るはず。
『喧嘩番長5』『とある魔術の禁書目録』は固定客向け感もあるか。
DS『ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート』
海外で絶賛され、ミリオンセラーとなったパズルゲームのローカライズ、
『ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート』が、こっそり登場。
およそ万人受けするとは思えないビジュアルと海外では大ヒットというバックボーンから、
「玄人アピールには丁度良いゲームなんだろうなぁ…」としか思ってなかったのだが、
タッチパネルで文字を入力しアイテムを召還、それを駆使することで
用意された「問題」をクリアするゲームデザインが採用されており、
DS向けに進化したコマンド入力系ADVとはどんなものか?と言うお題を考えた場合、
ほぼ全員が妄想した(そしてその尋常ならざる手間から「無理」という結論に行き着いた)
であろうシステムが実現している様なので、個人的には少しだけ注目したいタイトル。
売上げについては言わせるな。
【研究処と名乗るならもう少しそれっぽいことを言うべきなのかな、と思いました】
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