アドベンチャーゲーム研究処

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アドベンチャーゲーム(AVG・ADV)の旧作から新作まで、レビュー+紹介を主として取り上げるブログ。(更新は不定期)
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当ブログは長文が中心で少々見にくい部分があるので、このスペースで誘導を行いたいと思う。

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$アドベンチャーゲーム研究処-アドベンチャーゲームの値打ち
アドベンチャーゲームの短文レビュー集。見解をパッと見たい方向けの記事。
【まだまだ最近遊んだADVの感想】
 
グノーシア - Switch

開発:プチデポット

 

2010年代以降、人狼モチーフの作品が氾濫して新鮮味もなんもなくなっちゃったんだけど、自分の遊んだ中ではストーリー表現と人狼のツール的な表現のバランスがかなり優れた作品だった印象。ストーリー表現はイベントであって地続きなものではないけど、そのイベントとイベントをつなげるゲームプレイがしっかりと骨組みされていて、プレイヤー感覚の現在地とストーリーの深度調整がキッチリ当てはまっており人狼ごっこをするだけのソフトに留まっていないのが偉い。トークではないので結局は条件推理にしかなっていなかったり、デザイン的に後半に入るとイベント探しが主で人狼がルーチンワーク気味になるのは残念だったけど、しっかりとシステム的な狙いとドラマ的な狙いが合致した丁重な仕上がりの作品だと思う。

 

『Return of the Obra Dinn』  53

開発:ルーカス・ホープ(個人制作)

 

未解決事件の資料を辿りながら実際に起きた事象を推理するというプロットをゲームプレイへ落とし込む過程は素晴らしいけど、新出情報のページを埋めたのちのデザインは(意図的なんだろうけど)未整備が過ぎる状況で、推理するための情報へアクセスするのが死ぬほど手間で意欲減→攻略Wikiとか見ながら埋めていく姿が容易に想像できる。ワンアイデアをドラマとしては適切な量で詰め込んでいた前半の過程はよくできているだけに、後半は展開のなさを含め洗練化とドラマ両面でもう一押し欲しかったかな。

 
バディミッション BOND -Switch

『バディミッションBOND』 70

開発:コーエーテクモゲームス(ルビーパーティ) 販売:任天堂

 

明らかにつかみに失敗したまま中盤まで走っちゃってるし、ゲームデザインがテンポやインタラクティブの阻害をしている印象ではあるんだけど、バディとのコミュニケーションを重視したテキスト、今どき珍しいリッチを尊重した演出、なによりフルプライス規模のストーリーをきっちりまとめているパッケージ感が非常に優れていて、ご都合主義がすぎるのも含めて大衆向けエンタメとしてのサービス精神の高さを評価してこの点数でよろしくお願いします。DSの頃に流行ったレイトン教授文脈のカジュアル&レジャー系統の総決算という雰囲気もあり、ロケーションと紐づけたキャラの魅せ方もしっかりしていてクリア後に愛着が持てるのもテキストの丁重さがなせる業かな。SwitchのオリジナルADVでは後年代表作として語られるポテンシャルはある作品だと思いますよ。

 

CLOSED NIGHTMARE - Switch

『クローズドナイトメア』 34

販売・開発:日本一ソフトウェア

 

現代に蘇った『THE呪いのゲーム』。トータルで言えばチープさを愛すべき駄作、そんなものはパッケージ裏見た時点で誰でもわかることなわけで。こういう他社ではまず通らないであろう企画が予想通りの出来で世に出せるのも日本一ソフトウェアの味だから。

 

NG(エヌジー) -Switch

『NG』 52

販売・開発:エクスペリエンス 

 

00年代の角川ホラー文庫みたいな作品で、売れ筋には乗ってみるけどホラーの題材とはミスマッチで地に足ついてない感を愛せるかがポイント。ゲームプレイ含めて予定調和すぎてホラーとしてどうなのとは思うけど、仲間のキャラクター描写に深みを持たせようとしたり、シナリオにちゃんと盛り上がりを作ったり、前作『死印』の反省点をしっかり踏襲した結果、凡庸なものに陥っているのが自己矛盾を孕んでいる。

 

この世の果てで恋を唄う少女YU-NO - Switch

『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』 75

販売・開発:MAGES.

 

 A.D.M.S.のルート開拓を肝としたデザイン性は今プレイしても楽しめると思う。とはいえシステムとしての面白さに到達するまで6~7時間は必要で、このリメイク自体あの立ち上がりの遅さをどこまで弄れるかが焦点なんだけど、やっぱり怖くて触らなかったかというのが感想。ストーリーで追うと異世界編が尻切れトンボだったり、現代編も当時のステロタイプに寄っていて倫理的に受け入れがたい部分が多い…というか蛭田→剣乃ラインなセクハラコミュニケーションは、それが男のファンタジーと割り切るにしてもちょっとキツい。ゲーム業界全体のスケールアップにより物語の受け皿以上の表現を追い求めていた90年代の時代背景もあって、フィクションの受容体としてのゲーム媒体の沸点を(尻すぼみであったとしても)A.D.M.S.という基盤で超えようとしていたYU-NOは今やり返しても偉大だというのが自分の評価。

 

Death Come True(デスカムトゥルー)

『デスカムトゥルー』 44

販売:イザナギゲームズ

 

分かりやすく言えば「やるドラ」。あえて言えば有名キャストを揃えたのが特徴だけど、結局ゲームプレイに大きな変わりはない。同一の選択肢に文脈的な意味を持たせた仕掛けとか面白かった部分はあれど、その演出にドラマとしての肉付けはできていないので猫だましどまりという印象。映画として見ても時間の省略と圧縮ができていなくて、感情移入する前に話が進んでいってしまっていて、真の狙いだと思われるインタラクティブへの融合も粗雑なままフィニッシュしている。全体的に振り切れていないソフト。

 

ライフ イズ ストレンジ 2 - PS4

『ライフイズストレンジ2』 44

開発:Dontnod Entertainment 販売:スクウェア・エニックス

 

相変わらずゆったりとしたカメラワークとゲームテンポが自分には合わないシリーズ。モラトリアムこそ据え置いたものの題材は逃避行のロードムービー路線に舵を切った今回は、社会への繋がりを切り捨てながらも着実に資源が枯渇していく流れが描かれた序盤は素直に楽しめた。んだけど、中盤から終盤にかけて主人公兄弟の自意識が社会を捻じ曲げていくような展開は最早セカイ系のそれで、狙いに対してかなりミスマッチなものを感じる。ゲームとして見て相変わらずインタラクティブがテンポに殺されていて、ストーリー以外で感想が出てこないし、深度も浅いからドライなものしか出てこないかなぁ。

 

『秋田男鹿ミステリー案内 凍える銀鈴花』 40

開発:ハッピーミール

 

値段から考えると過剰なくらい前作よりスケールアップしてるんだけど、その結果ゲームバランス・トーク・ボリューム感どれを取っても「クドい」という感想に集約されてしまっていて、意気込みがはっきりと裏目に出た印象。FC当時のテンポでテキストを展開させる以上、ゲームプレイのシャープ化は避けて通れない部分なだけに、無意味な増量化(作り手としてはファンサービスだったんだろうけど)が「レトロゲームの現代語訳」として失敗を招いたという解釈で良いと思う。

 

TOKYO CHRONOS (PSVR専用)- PS4

『東京クロノス』 42

開発:Mydearest

 

ノベルゲームとして見れば凡庸以外のなにものでもないし、ストーリーも演出もチープすぎるんだけど、やっぱりVRありきで作られている分、演出の基準を見せたベンチテストという側面はあるわけで、そこを抜いたらどうなのよというのもわかる話。ただこれが10年代後半当時のVR表現という点以外で何か語られることがあるのかというと、まったく想像できない。

 

【PS4】Déraciné(デラシネ) Value Selection(VR専用)

『Déraciné』 60

開発:フロムソフトウェア・SIE 販売:SIE

 

いやー流石にVR+Move2本必須はハードルが高すぎるでしょう。ポイント&クリックをVRへ上手く落とし込みながらのナラティブなシナリオ構造は平均的に高いレベルでシンプルにまとめてられていて好印象。ではあるんだけど、VRという新しい媒体にチャレンジしている反面新しい表現とかそういう期待には応えられないのがジレンマで、高すぎる初期投資に対して返ってくるリターンはすべてが想定内。秀作ではあるけどね。

 

【コメント】

皆さん、そうですね。そう…バレンタインデーのチョコはもらえましたか?

『アクダマドライブ』の感想は、デスゲーム版俺たちに明日はないだったで。

【概要】

今年はやります。

 

【近年遊んだゲームの感想(1口メモ)】

 

『デトロイト ビカムヒューマン』 78

販売:SIE 開発:QuanticDream

 

QuanticDreamってゲームというより映像とインタラクティブの融合を目指してるスタジオだと思うんだけど、今回で『HeavyRain』から評価を受けていたアプローチ、つまりフォトリアルなグラフィックスに裏付けされたQTEによる没入感表現は臨界点に達したかなと。ストーリー的には「ロボットに自意識が~」と言い始めた時点で「それって手垢つきまくってますよ」以外の感想は持ちえなかったし、実際展開も見たことあるものなんだけど、あくまで話としての面白さは二の次でインタラクティブであること。プレイヤーがドラマへ参加することを最重視してデザインされている印象で、『HeavyRain』『Beyond』以上に雑音が少なくなったそれは非常に純度が高かったと思う。まあ逆に言うと分岐はゲーム的なお約束として入れてるだけでいらないし、軽視しているからこそ再プレイ性の低さが海外で減点されてしまったんだろうけど、正直このソフトが魅力としている部分に対してそこの因果性は少ないんだよね。日米で評価が割れたのも、日本はゲーム的でないことへ対しては寛容なのかなと思ったり思わなかったり。

 

『EVE rebirth terror』 68

販売:エルディア

 

『the lost one』がコケて以降、このシリーズが『burst error』の劣化クローンで摩耗していったのは誰もが認めるところだったので、正直「またか」としか思っていなかったし、今回もやりたいことは『burst error』のリバイバルであり90年代の再現なのは間違いないと思うんだけど、これまで以上に「『burst error』ってこういうところが面白かったんだよね」という再確認に対して丁寧にそして熱心に作りこまれていて、元ネタのゲームとして面白かった部分を上手くなぞれている。いやむしろ、「表面的に『burst error』的なものをなぞっているところが邪魔。」と感じるところまで持ってこれており、『EVE』抜きでもコマンド総当たり系の探偵ゲームとしてフルプライスに相応しいものになっているんじゃないかな。ストーリー表現がテキストに偏重しすぎてたり、演出ベースが90年代中盤で止まっているのは自分のイデオロギーに引っかかるけど、このジャンルでは久しぶりに傑作水準だと思います。

 

『十三機兵防衛圏』 評価不能

販売:アトラス 開発:バニラウェア

 

時系列をちらした群像劇をデータベース消費へ偏重させた、かなりマーケティング的なものを突き詰めているストーリー表現は素直に面白い。んだけど、分岐性もコマンド総当たり的なシステムも「データベース消費をゲームというお題目でさせるための言い訳」という印象で、ADVとしての没入感は少ないかな。突っ込んで言えば話もゲームも「あらすじ」の連続で、これって地続きなものとして見るとストーリーとゲームの融合みたいなの実は薄いんじゃないの、と。

遊んだ感想としては「ストーリー表現を限界まで高めたSLG」で、ゲームとプレイヤーが参加するドラマとして合致していくジャンル的な感情移入への高まりは(話の構造的な見せ方は文句なしで良いんだけど)あまり感じれなかったかな。ということで、ジャンル違い扱いで評価不能。普通にゲームとして出来は良いし、無理やりADVとして見ても高得点なんだろうけど…性癖の問題です。

 

『大逆転裁判2 成歩堂龍ノ介の覺悟』 72

販売・開発:カプコン

 

このシリーズの魅力ってどこかと言えば、やはり推理をアウトプットする中でのキャラクターとのコミュニケーションの楽しさが一番に来ると思うんだけど、それって技術的な部分での継承や発展がかなり難しいものだから『4』以降の迷走を招いていたわけで。原作の巧舟がディレクターを担った『レイトンVS』『大逆転裁判』ともに画面はリッチでもコミュニケーションは雑音ばかり増えていったんだど、この『大逆転2』は演出のゴージャス化とコミュニケーションのボリューム感がようやく調整できていて、久しぶりにトリックを解いて検事と討論して話が発展していく…という従来のやり取りにゲーム的な楽しさを取り戻せたんじゃないかなと思う。ストーリー面で見れば(おそらく初代の作品・商業的な不振が原因だろうけど)よく言えば構想やトリックの出し惜しみが少ない、わるく言えば尻切れトンボなので、この「大逆転裁判」というシリーズ自体プロデュース方針に振り回されてしまっている印象が否めないのは、出来が良いだけに残念。

 

『AI ソムニウムファイル』 未定

開発・販売:チュンソフト

 

2000年代前半のノベルゲーム文法を翻訳した『極限脱出』シリーズも『ZERO ESCAPE』でいい加減食傷だったわけで、シリーズを仕切りなおすうえでどういう方向性で来るのかなと思ってたらまさかの90年代エロゲーの再翻訳だったのがこの作品。画面作りはリッチだし、ゲームプレイ的には平均的なところではあるんだけど、どこかで見たキャラクターがどこかで見た展開をいつかやった操作性で織りなしてる風景はどこかノスタルジックかな。おそらく中盤くらいまで進めてるんだけど、興味がかなり減退して積んでるので、クリアしたら加筆する。かも?

 

 

『ダイダロス ジアウェイクニングオブゴールデンジャズ』 18

販売:アークシステムワークス 開発:Neilo

 

ゲーム的な特徴だった舞台の実在性や演出のリッチ性が摩耗し、結局残ったのは設定だけ。というのが神宮寺三郎シリーズの現状だと思うので、その打破を担っていたであろうこの作品は結構期待していたんだけどね。まったく活かされない舞台性、ぽっと出のキャラが表面だけ信頼関係を築いたのちにバタバタ死んでいくドラマ性、せっかくリッチへ舵を切ってるのに見栄えだけで特に没入感にはつながっていないゲーム性…どれも「こうしたかった」という構想は見えるけど肉付けは全くできていない思い付きの発表会的な何か。話や世界観に矛盾があるとか、シリーズの文脈外とかそういう小さな問題じゃなくシンプルに物の出来として商品未満かな。

 

『探偵 神宮寺三郎 Ghost of the Dusk』 55

販売・開発:アークシステムワークス/オレンジ

 

じゃあ結局、アークシステムワークス以降のDS神宮寺って何がいけないかっていうとアプリパック(新作も家庭用特化ではなく、アプリの拡張版的な立ち位置だと思う)にしかなっていなくて、今回のナンバリングはこういう話が軸でこういう演出的な特徴がありますよというパッケージ性が『灰とダイヤモンド』以外は確保できていなかったことにあるんじゃないかなと。

待望の復活を遂げた今回も、話のスケールやプレイ感覚を中編規模できっちりまとめて来ていて熟練された再放送テクニックではあるんだけど、本編を特徴づける要素は廃墟ものというプロットへ偏重してしまっていて、演出やゲームプレイなどのパッケージングの面でほかのDSシリーズと同じくパンチが弱い。短編もDSの中では一番没個性という印象なんだけど、『愛ゆえに』だけが異彩を放っているので怖いものみたさで行ってみてもいいかも。

 

『探偵 神宮寺三郎 Prisme of Eyes』 44

販売・開発:アークシステムワークス/オレンジ

 

これもGotDと同じくアプリを解析度の高いものに作り直しただけで、前提として家庭用ゲームとしては画面の情報量が少ないよねと。

アプリはアプリで演出性が弱いのを強烈なキャラクター性を持ったゲストやライターの作家性を優先することで特徴づけようという路線が『キトの夜』以降は見られていて『イヌと呼ばれた男』『果断の一手』『連鎖する呪い』あたりは成功しているんだけど、収録されている短編はその文法は用いられていなくて、ヒキの為に無茶な描写が連なって最終的に破綻している印象。かといってゲームの楽しさとか、新宿の舞台性を感じさせる演出とか、キャラクターの生活感とか、そういうのにも無頓着だから、神宮寺三郎の年齢設定に反して対象年齢が低い印象は否めないかな。

リメイクのラインナップ自体は出来が良いものをチョイスしているので、未プレイなら短編のおいしいとこどりができるかも。というか、それ以外に商品価値はあるんだろうか。

 

『シルバー2425』 65

販売:日本一ソフトウェア 開発:グラスホッパーマニファクチュア

 

須田剛一って今となったら「反モラルな言動をサブカル加工してプロレス的なワリキリでやる」ことが作風として受け止められてると思うんだけど、本質的にはそのワリキリ含めてかなり冷淡なモノの見方をしてる人なんじゃないかな、という印象が初期作にはあって、それが一番理解できるものとして作品に土着しているのが初代『シルバー事件』。できてないのが『ムーンライトシンドローム』。土着させた仕掛けは設定やビジュアルもあるけど、状況把握できないながら事件の輪郭をなぞっていく「Transmitter」と実質的な種明かしとなる「Placebo」のマルチサイト構造の効果が強くあって、作品内で説明されない部分と説明されている部分そして説明されきっていない部分のバランスが興味を削がれるギリギリ手前ぐらいで調整されているのが、初代を傑作水準へ押し上げていた…というのが自分の評価。

逆に『シルバー事件25区』は全シナリオ中盤くらいになるとプレイヤー置いてきぼりでストーリーが勝手に進んでいっちゃっていて、理解できる奴だけついてこい的な独りよがりが色濃い印象で、前作での魅力だったギリギリ許せる感は崩壊。追加シナリオやビジュアル・UI面で作り直しを図った今回のリメイクも、残念だけど本質的な問題の解決には至ってない。近年の須田作品はプロジェクトの巨大化に迎合してトンガっていた部分が丸く加工されていった印象はあるけど、それでも一般に理解してもらうためにはある程度メジャーな供給には乗ってないといけないんだろうな。というのがパッケージ全体の感想。

 

『伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠』 53

販売・開発:ハッピーミール

 

いや、ファミコン期のADVってこんなにテンポよくなかったでしょ。というのが触りの感想なんだけど、それでも現代のゲームとしてちゃんと加工されていて予定調和なトコロも含めて「レトロなゲームの再現」ではなく「レトロっぽいゲーム」として安心感を持って遊べたかな。結局ステロタイプなのでゲームとしての特徴はかなり弱いから、何度も楽しめるというわけでもないのが痛いところか。

 

『VA-11 Hall-A』 未定

 

本質的には女性バーテンダーの私生活を覗くのが目的で、物語進行の障壁としてシステム的なのはあるけど内容的にバーテンとかコミュニケーションとかそういうのをテーマにした作品ではない。じゃあこのレトロなビジュアルとか、サイバーパンクって何なのって考えたら、趣味以上の意味はないんじゃないの。というのが所感で、それ以上の感情が生まれなかった。中盤で積んだので、評価の高さから考えて終盤なにか変わりがあるんだろうか。

 

『WILL:素晴らしき世界』 42

 

4Gamerで『街』『428』と合わせて対談が出たから、ちょっと期待しすぎたかな、申し訳ない面白くなかったです。ゲームの目指すところは『街』的なプレイヤーの想像力を増幅させるタイプの横のつながりなんだけど、それを演出するゲームデザイン・システムづくりはできていない印象。メインの恋愛系シナリオも、超人系のシナリオも、刑事系のシナリオも、「どうこれドラマチックで感動的でしょ?」という主訴のみでふた昔前のケータイ小説的な古臭さを感じる。確かに仕掛け的に面白い部分はあったけど、じゃあそれが没入感になるのというと。ねぇ?

 

【コメント】

今年のレビューはありますか?と聞かれたので頑張って書きました。文章の感じもかなり変わってしまいましたね。

【概要】
昨年公開予定だった記事です。

【感想】



3DS『-CHASE- 未解決事件捜査課 ~遠い記憶~』 評価不能

 元CING組の金崎泰輔氏(ウィッシュルーム等でキャラクターデザイン・ディレクターを兼任)が参加するサスペンスADV。シナリオは咲良まゆ氏。CINGといえば鈴木理香氏が手がけるテキストも醍醐味だったので、そのハードルは高いと思うけども、新しくスタートを切るだけに独自色の伝わる作品に期待した…ものの、ご存知のとおり2時間くらいで終わるボリュームで全4~5話の1話目みたいな内容だったため、作品として所感が述べれるほどの要素が見当たらない。ほぼ体験版みたいなものを売ってしまった感は否めないだけに、もうちょっとまとまった形で世に出すべきだったのではというのは、誰もが思うであろうところではあるけど。



3DS『クリーピング・テラー』 50

 日活ゲーム業界参入第二弾。という漢字の字面で占められた概要説明。ゲーム内容は簡易『クロックタワー』以上でも以下でもなく、つまり若い女がシリアルキラーに襲われ続ける例のあれ。如何にライトユーザー向けと言えど難易度が平坦すぎる嫌いはあるといえ、雰囲気作りは意外にしっかりしており、3DSで遊ぶADVがない際の選択肢としてはあり。



PC『Her Story』 45

 データベース検索を通して、断片的に見ることのできる事情聴取の映像からストーリーの全体像を想像させるという意欲的な試みが世界的に評価されたインディーゲーム。テキスト入力の手探り感を現代に翻訳したアイデア勝負に見える作品だけども、主要ワードの検索範囲内に必ず「とっかかり」を用意しているデザインの丁重さもそれなりに評価できる。「想像で補完する」ことが主題であるとはいえ、ストーリーの骨組みを把握した後の〝ヤマ”のなさは正直きついところがあり、中盤以降はゲーム的にも話的にも尻すぼみ。アイデアを出して形にしたところで息切れしちゃったか感みたいなものは漂う。

ウォーキング・デッド シーズン 2 【CEROレーティング「Z」】 - PS4

PS4/PC『THE WALKING DEAD Season2』 54

 近年のゾンビ界では価値基準の一つとなっている大ヒットドラマ『ウォーキングデッド』を題材とし、海外の賞レース等で絶賛を受けたゲーム版の第二弾が、当初ローカライズを行ったサイバーフロントの撤退からのスクウェアエニックスへの権利移動など紆余曲折を経て、初出より2年半よーやく日本上陸。発売とあわせてSeason1のPS4版が廉価でリリースされ、パイの小ささから高価格帯がデフォルトなこの手の作品では珍しく優遇されており、『Life is Strange』から続けて攻めた商業戦略が行われた。
 ゲーム的には変化はほぼなく、「あの世界の続き」を見たい人向けの作品なんだけども、お話的にはロメロ型に協調性が壊れていく様が如何にもゾンビで前作よりパワーダウンというのが所感。いや、前作はキワモノばかりのゾンビ界でも輪をかけてお話がしょっぱいゲームジャンルでは屈指の出色だったので、超えるのは相当難しい話だったんだけども。ということで、国内も対抗して『アイアムアヒーロー THE GAME』だしてください。

逆転裁判6 - 3DS

3DS『逆転裁判6』 53

 スタートラインが『4』という修羅の道を歩んでしまった王泥喜編の完結編だったわけだけど、その舞台となるクライン王国の法廷に当初立っていたのは成歩堂龍一だったのがこのナンバリング最大の矛盾。W主人公体制は視点の分散にしかなっておらず、誰に感情移入させたいのか、クラインの革命も主要キャラクターも何が見せたいのかボンヤリとしたものにしかなってないあたりパッケージとしては失敗作。唐突に盛り返し始める最終話の後半は山崎剛らしい手の込んだ作りでシリーズでも上の方の出来だった(相手検事のキャラクタデザインはどうにかして欲しかったケド)ので、近年のナンバリングでは一番惜しい感じの漂う作品ではあったのかも。もう少し作品世界に自由度があったら…と思わずにはいられないけど、それが『大逆転裁判』なのを考えるとこのシリーズ袋小路に入っているとしか言いようが。

ZERO ESCAPE 刻のジレンマ

3DS/PSVita/PC『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』 60

 オーソドックスなトゥルーエンド型だった初代、簡易『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』だった前作と来て、今作。やってたことは時系列(縦軸)とルート概念(横軸)の分解だったわけで、売りはトリックへの落とし込みだったわけなんだけど、試み自体は成功していてシリーズ内では最もシナリオとゲームプレイ(なんとオールドチュンソフトなバッドエンド探し!)を一致させたゲーム的な没入感があった。ただ海外へのチャレンジでムービー主導になったのは、悲しいかな低予算なので映像としてチープ。観ていてかなり、かなり厳しい。伏線回収へ比重の置かれ、展開一つ一つを覚えるタイプの作品ではないとはいえ、シーンとして残るものはほぼなかった。CSが極寒の時代でなければもうちょっとリッチに挑戦できたのか、はたまた画やテンポをリッチにしたらしたで『タイムトラベラーズ』みたいになっていたのかは神のみぞ知るなんだろうけど、やるにしてもそれは据置きなのではとは思う。国内メーカーでそれは予算的に無理なのも知ってる。

ダンガンロンパ3 −The End of 希望ヶ峰学園− Blu−ray BOX I 〈イベント優先販売申込券付き初回生産限定版〉 [Blu-ray]

Animation『ダンガンロンパ3 The End of 希望ヶ峰学園』 視聴済み

 このシリーズは人狼ゲームを下敷きに、あくまで「絶望」や「希望」は設定か状況として描かれていて、決して個々のエピソードや人物造形ではなかったと思うんだけど、人狼要素をほぼ捨てた(デス・ゲームも『バトルロワイヤル』型でしょこれ)本作では、わざわざそこを踏み込んで描こうとして、端から「ない」ものを描いている感がある。つまりアニメで絶望をキャラクターで描こうとすればするほど、対立軸として記号化されていた部分の、具体性のなさ、内実のなさが露呈しちゃっていて、過激なことをしよう、俺たちはトンガってるんだ、みたいな集団暴走を延々と見させられてるようで観ていて痛々しい。その割に、ファンの願望を叶える=希望だった。としか受け取り用のない着地点になってしまっているのには、ファン向けと言うよりファン感情に取り込まれてるとしか言いようが。読者からの批判で主人公が殺された『続・白い巨塔』と同パターンですな。

ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期 - PS4

PS4/PSVita『ダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』 65

 このパッケージの評価って、結局最終話のあれをどう受け止めるかなんだろうけど、デス・ゲームをメタ的に捉えるテーマ自体『バトルランナー』とかの時代からネタにされたベタな主張なわけで、叩かれるようなことではない。じゃあなにが悪かったかと言えば作家が「フィクションに依存せず現実へ帰れ」という正論へヒステリックに依存してしまった(非常に小さい規模で『Air/まごころを君に』と同じ過ちを繰り返してしまった)点につきると思う。少なくとも、ラムちゃんに「責任とってね」と言わせていた『ビューティフルドリーマー』※のような、大人の伝え方をすべきだっただろう。
 トリックを紐解くミステリーゲームとして見れば展開はよく練られており、世間から既に下されている評価のとおり話の本筋は手垢がつききったこのジャンルでも頭ひとつ抜きに出ている。相変わらずミニゲームはつまらないし、キャラ造形がいい加減食傷だし、フィールド広大すぎてタルイのは確かだけど、ゲームの出来としては決して酷評されるようなものではない。それだけに、『逆転裁判4』のような扱いを受けるのは流石に不当評価だろう。

うる星やつら2  ビューティフル・ドリーマー [デジタルリマスター版] [Blu-ray]劇場版 NEON GENESIS EVANGELION - DEATH (TRUE) 2 : Air / まごころを君に [DVD]
※『うる星やつら ビューティフルドリーマー』終盤での、ヒロインのラムが夢(=視聴者にとって居心地の良いフィクション)から覚める直前に主人公諸星あたるへ言ったセリフ。ちなみに『AIR/まごころを君に』の場合は「現実へ帰れ」とばかりに実写の客席を映し、フィクションから覚めたら女に「気持ち悪い」と言われる。

オカルティック・ナイン 1(完全生産限定版) [Blu-ray]

Animation『Occultic;Nine』 視聴済み

 志倉千代丸が原作小説を先行して発表していた科学シリーズの第5弾。アニメと同時にマンガ版も展開しており、ついにゲームが最後発となってしまったこともあって、XBOXONE先行だった『カオスチャイルド』以上に地味な立ち位置となってしまった。話の構造としては恐らくシリーズで最も手が込んでいるし、オカルト要素もちゃんとギミックとして機能していて面白かった。んだけども、構想が12話で収まりきる内容ではなかったのか、映像に乗せているものが情報過多にもほどがあって、ヒジョーに見苦しい。例えばノートにビッシリと、しかも小さい文字が書かれていたとして、文章内容を論ずる前に「え、これ超読みにくいんだけど」と、思うじゃん?このブログも、文字ビッシリでとっても読みにくいじゃん?



PS4/PSVita/App『レイジングループ』 61

 フィーチャーフォン時代から細々と続くケムコのデス・ゲーム路線の最新作。オリジナルタイトルは単価が低めに設定されがちな買い切りアプリでは珍しく強気な価格設定と、それに見合うスケール感を実現した点でリリース時から話題となっていた。人狼ゲームがモチーフとなっているが、内容的にはループものの手法をこれほどかとガチガチに引用した手堅いものとなっており、テキスト・造形面では90年代のアダルトゲームを土台にしていることからも、「ひぐらしのなく頃に」ブームから10年以上経過した2010年代も後半のこのご時世に遊ぶにしてはノスタルジックが過ぎるかも。完成度が高いわりに作家性は貧弱という意味では『DUNAMIS15』と似たような病状を患っている。

【コメント】
神宮寺三郎復活に乗じて復活する、そう思ってた時期も僕にはありました。

ダンガンロンパ霧切 1 (星海社FICTIONS)

Novel『ダンガンロンパ霧切』 51

 「ダンガンロンパ」要素を全撤廃しても普通に読み物として成立するであろうフツーの本格ミステリ。ちゃんと起承転結整っているし、トリックはヘタをすれば本編より凝っているため、ホンの出来は同じレーベルから発売された『ダンガンロンパ・ゼロ』より上なんだけど、「ダンガンロンパ」としては『ゼロ』の方が優れているという、ファン商売ゆえの矛盾を抱えているのがメディアミックス作品の難しいところ。まーでも単品として見ると一冊ごとのプロットは弱いし、「ダンガン」層を狙ったであろう描写は若干の気恥ずかしさが漂っているし、原作ではまず出てこないであろうミステリ作品陣への言及が微笑ましい(「ダンガン」ファンが島田荘司読むかは知らんけど)しで、点数とすればこんなもんではと。



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