今回は、個人事業者の方が白色申告をする場合の
確定申告書に添付する収支内訳書の売上原価
(クリックすると国税庁の書式ページに飛びます)
所得税法は、事業所得の計算で必要経費として
その所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を
得るために直接に要した費用の額及び・・・と
定めています(所得税法37条1項)
売上原価とは、たとえば
80万円で仕入れた商品を100万円で販売すると
収入金額は100万円、売上原価は80万円です。
これは、1つだけ販売した場合。
商品をまとめて仕入れても、その年中に全部売り切れるとは
限られません。在庫になりますね。
在庫のことを「棚卸資産」「棚卸商品」といいます。
宝石や貴金属のような高額商品の場合は
1対1対応で、売上原価を計算する場合もありますが
何種類もの商品を複数仕入れる場合は、
期首と期末に在庫の数とその金額を調べて
棚卸高を計算すれば、売上原価が算定されます。
売上原価は、
期首棚卸高+当期仕入高-期末棚卸高
で計算されるのです。
これを、収支内訳書の1枚目(表面)の売上原価の欄に
記載します。
今年から事業を始めた場合は、年初{期首)の在庫はないので
期首棚卸高は0円ですね。
なお、収支内訳書の2枚目(裏面)の仕入金額の明細の欄に
主な仕入先と所在地と仕入金額を記載することもお忘れなく。
細かいのはまとめて上記以外の仕入先の計欄に記載します。
え? 自分で商品を作って売ってる?
その場合は、製造原価を計算してから、
上記の棚卸高を計算することになります。
製造原価は、ちょっと複雑なので、またいつか。
え? サービス業?
その場合は、「在庫」がないので、売上原価は0円です。
収支内訳書は空欄のままでOKです。
だけど、自分の労働{役務提供}が原価にならないの?
なりません。
事業を行っているのですから、自分が働いて稼いだ額を
計算するので、まさにそれが「事業所得」として計算されるのです。
なお、従業員を雇っていれば給与として費用がかかりますし、
サービス提供のためのさまざまな費用もあります。
これらは売上原価ではなく、経費です。
経費の話は次回に。