インターンにおける「虚構」とその重要性について。 | アドマン3.0=人事になりました。

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サイバーエージェントで新卒採用責任者をしています。

いまインターン開催真っ最中なのですが。

ここ一年人事としていろいろ活動してきて、意識が変わったこと、いい意味でも悪い意味でも仮説が外れたことがいくつかあります。

そのうちの一つがインターンに関する考え方、です。元々はインターン=就業体験、なので、いわゆる「ワンデイインターン」「3DAYSインターン」みたいなものはインターンではないと思っていました。就業してないですからね。


もっと言えば、現実の仕事からかけ離れたお題を学生に投げかけ、無駄に徹夜を強いるようなインターンは悪である、とも思っていました。難しいお題をふる→メンター社員が煽りまくる→徹夜する→疲れる→そこから勝利を掴み取る→結果涙する・・・そんなインターンは茶番である、と思っていました。

社会人はそんな仕事ばかりしているわけではないですから(いつも徹夜を強いられるようなブラック企業は少ないと思います)、日本にはびこっている「短期型インターン」というものは、一種の虚構であると思います。(ちなみにこう言ってますが、後に述べるようにサイバーも近いことをやっていますので、批判しているわけではありません)

従ってサイバーエージェントは長期就業型のインターンシップを出来る限り受け入れています。社内の調整がかなり大変ではありますが、やはり社内で働いてもらうのが一番お互いの理解が深まりやすい。

しかし長期型のインターンの決定的な弱点は、スケジュールと量的なところ。みなさんは学生でありますので、スケジュール的に長期で入れない子もたくさんいます。またポジションが無限にあるわけではないので、受け入れ数に限界がある。

そのジレンマ解消のために、短期型インターン=育成プログラム・覚醒へのきっかけである、という認識シフトを行い、サイバーエージェントでは多数のカリキュラムを用意することにしました。今日も大阪では「サイバーエージェントの広告部門の3ヵ年計画を考えてもらう」という広告マーケティングコースのインターンを実施しつつ、あらゆるデータを解析して解を出していくBIG DATAコースも東京で同時開催しています。

どちらのコースも出来る限り現実世界に近づけるために、実際に日々そのテーマについて考えている社員がメンターとして張り付き、一緒になって考えています。その中で新しい知識も身につきますし、思考のOSもインストールできる。そういう立て付けにしています。

ですから僕ら人事は、短期インターンではいかに学んでもらえるか、気づいてもらえるか、という視点から精度の高い虚構を創らなければならない。あえて誤解を招く表現を使ってますが、それくらいの意識でやらないと、良い学びを提供できない。

また、良い気づきと学びの機会にするために、様々な演出にも気を配るべきだと考えを改めました。元々は「現実的な仕事に近いほうがインターンとしての価値が高い」という考えだったので、例えば物理的に非日常空間に連れて行くようなインターンや、課題が普段の仕事と全く関係のないものだったりすると否定的な見解を示していたのですが、学びと気づきの機会としてインターンを捉え直すと、これらの演出も理解することが出来るようになります。

以上、単純に最近こういうの大事だな、っと思っていたので、アタリマエのことをメモしておきました。学生の皆さんもこういった短期インターンに参加する場合、クソほど熱中して、学び多き時間を過ごすのが(どうせ同じ時間を過ごすなら)賢いと思います!