ボスキャリ(ボストンキャリアフォーラム:BCF)に行って来た人事的感想をば。 | アドマン3.0=人事になりました。

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サイバーエージェントで新卒採用責任者をしています。

11/20~11/22の間で開催された、ボストンキャリアフォーラム、通称ボスキャリ(BCF)に参加してきました。ボスキャリとは、日英バイリンガルを対象とした世界最大級の就活イベントのこと。

約1万人の学生、そして200弱の企業が参加する大規模イベントです。今年で29回を迎える由緒正しきイベントなんですねぇ・・・(知らなかった)


僕は今年初参戦でしたが、結論参加して良かったです。今まで数回参加している経験を活かし、事前に幾つかの大学にCampus visitを実施。当日までに対話量を多く出来ていたため、下記のような収穫がありました。

1. サイバーブースは常に満員御礼。常に立ち見が出る盛況ぶりでした。見た感じにはなってしまいますが、一番ヒトが集まっていたのではないでしょうか?

2. 日本では会うことが出来ない、非常に優秀な学生と強固な接点を持つことが出来ました。

3. 日本人として海外の大学にチャレンジしている学生の優秀さを実感することが出来ました。ホント僕も留学すればよかった・・・まだまだ日本は捨てたもんじゃない。



ボスキャリを検討している人事の方へ。

個人的にも会社的にも、こういった所謂大規模就活フェア、就活イベントにはあまり積極的に参加しないようにしています@日本。それは単純にあらゆる点で効率が悪いからです。しかしながらボスキャリは、東京開催の就活フェアと比べて、だいぶレベルの高い子が集まっている印象を受けました。その意味で、参加を検討している企業の方は前向きに考えていただいたほうがいいかもしれません。集まってくる学生と議論するだけでも非常に有意義です。

一方で、これはボスキャリ中にLINEの田端さんとも話していたのですが、ボスキャリのゲームルールがわからないと、なかなかうまく行きません開催中に内定を出す、という日本の就活イベントとはそもそもゲームが違うんですね。またMcKinseyやBCGなどの戦略コンサルティングファームもあれば、商社や外資金融、僕らのようなITまで幅広く&超人気企業が集まっています。

僕個人は初めての参加でしたが、この辺りは去年参加したメンバーにかなり助けられました。この事前リサーチ、事前仕込みは周到にやっておくべきだと思います。(やっておかないとタダの海外旅行になる)

特に優秀層は、このボスキャリ一発で就活を終えるためにかなりの準備をしてきてます。殆どの優秀層は戦略コンサルや投資銀行に一目散でアプライしていきますが、その中に割って入る気概と戦略、そして3日間ぶっ通しで面接や会社説明をし続ける体力が必要です。


来年ボスキャリに参加する学生へ。

今年のボスキャリは終わってしまったので、来年の話になってしまいますが。人事視点から見たアドバイスをば。

ボスキャリの構造上、企業側も2日・3日で内定を出しに来ます。数百人が受けてくる中で精査し、内定まで至らせるわけですから、相当の「効率化」を迫られます。単純に言うと時間がない。従って、わかりやすいところに目がいきやすい。そういう意味で、ボスキャリは極めて学歴社会です。

各企業数十人を派遣できるのであればすべての学生とフラットに対面することができると思うのですが、ROIを考えるとそうも行きません。限られた時間の中で優秀な学生と合う確率をあげようとすると、所謂「学歴フィルタ」が作動します。実際、僕が対話した学生の中にも、「(他社において)レジュメで速攻落とされた」という学生は多々おりました。この辺りも、何らかの手で改善をしたいなぁ(ここは企業側の努力な気がする)。

また「わかりやすいところ」は学歴だけではありません。第一印象やプレゼンテーションなど、一目見て「いい!」学生が採用されやすい傾向があると思います。これも日本であれば、じっくりと対話して判断することができるのですが、いかんせん時間のないボスキャリ。我々人事側もどうしても「コミュニケーション能力が高い」「顔つきがいい」「清潔感がある」などなど、わかりやすいところにフォーカスしてしまいます。

通常の就職活動でもそうではありますが、ボスキャリはそれ以上に「見た目」や「印象」が重要です。これらは準備して改善できるものなので、出来る限り対策を練っておくと良いでしょう。


ボスキャリに対する「違和感」のようなもの。

以上のように、今回参加してみて基本的にポジティブに評価しているボスキャリですが、一方で少なからず違和感も覚えました。まずひとつ目は学生の服装です。

会場に入るためのドレスコードとして、スーツ着用が義務付けられているのですが、ボストンまで来て皆さんリクスー(リクルートスーツ)を着ているのには大きな違和感を覚えました。ボストン近隣住民から見ても、大規模な宗教のように見えて気持ち悪いとあざ笑われていて、ちょっとここは改善したいな、と。


上記フォーラム開始前の図、なのですが、なんだかゾッとしました。僕ら企業側がスーツ着用義務廃止を訴えれば変わったりするんですかね・・・



個人としては非常に多くの学びと反省を得られた素晴らしい機会でした。きっと来年も参上すると思いますので、もっと強烈なインパクトをボストンの地で残してきたいと思います。