今日、すごく気持ちよく仕事をさせていただいているお客さんから、
最近あったコンペの提案書を共有していただいた。
競合代理店の提案書・・・(社名は伏せてありました)
非常に興味深く、かつ競合の提案を見る機会はそうそうないので、
じっくり読んでいると、目に付くのは「ナレッジ」と言うコトバの連発。あとは「コンサルティング」かな。「ソリューション」もそうだな。
この3つのコトバは本当に提案でよく使われる・・・ホントに。
※IT/広告業界以外も使われたりするんですかね?やっぱり。
でも僕は最近、この2つのコトバについて、
「軽々しく使いすぎたな」と思っていて、使わないようにしている・・・意識的に。反省。
試みに「ナレッジ」というコトバの意味を調べてみると・・・
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ウェブスター辞典によれば、ナレッジ(知識)とは、あることについて熟知・精通した状態や事実であって、経験や連想を通じて得られるものである。ナレッジはまた、ある分野の中でのさまざまな特性や行動を説明するモデルのセットとして表現されうる。
ナレッジは個人の脳の内部に記憶されうるし、組織的なプロセスや、生産物、設備、システム、文書として保存されうる。
参考:http://www1.ocn.ne.jp/~sako/kmqa.htm
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まずもって熟知しなければならないし、精通しなければならない。
そしてそうした経験を踏まえて、モデル化できるくらい共通因子を抽出し、
一般化・抽象化していく・・・そこまでいってやっと「ナレッジ」と言える。
いやそれでも足りないかもしれない。
そうして抽出されたモデルを実際にトライ&エラーし、
実際に効果的だと検証できないと、「ナレッジ」と呼べないのかもしれん。
僕が思うにこの業界において使われる「ナレッジ」というコトバは、
上記のような概念的レベルに到達しておらず、言ってみればインフォメーションだと思う。あるいはノウハウレベル。
「コンサルティング」や「ソリューション」というコトバもそう。
目指す方向性として間違っていないのだけれども、
概念的に低次元で理解してしまっており、それを乱用してしまっているため、
本来目指すべき位置すら低くなってしまっているように最近思う。
たとえばナレッジマネジメントという言葉がある。
学生時代、僕は経営参謀になりたかったので必死こいて学んだ分野。
※この会社に入って、取り急ぎハイパフォーマー、プレーヤーを目指してますけど・・・
この分野の大家、野中郁次郎という人がいる。
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多少学者さんが書いた本なので机上の空論チックなところはありますが、
僕は結構参考になると思っていて。
この中で提唱している組織的ナレッジをはぐくむためのSECIモデルというのがあって。
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■共同化(Socialization)
共体験などによって、暗黙知を獲得・伝達するプロセス
■表出化(Externalization) 得られた暗黙知を共有できるよう形式知に変換するプロセス |
■連結化(Combination) 形式知同士を組み合わせて新たな形式知を創造するプロセス |
■内面化(Internalization) 利用可能となった形式知を基に、個人が実践を行い、その知識を体得するプロセス |
すべての知の源泉は個々人の体験に基づく暗黙知であり、まずそのレベルで相互理解を進めるために、言語や図表、数式な どによって形式知に変換する(表出化)。
こうして組織的なナレッジが蓄積⇒成長するというもの。
たぶんこのくらいやらないと「ナレッジ」というものには昇華しないわけで、
「ナレッジ」がなければ「コンサルティング」や「ソリューション」もできないと思うんですよね。ホント
その意味でこの業界(に限らず)まだまだだと思います。
とはいえこのモデルも出発点は個人に蓄積された暗黙知なんで、
僕はひたすらプレイしたいと思いますけどね。
アウトロー気取りなのも実はフリで、組織のことをちゃんと考えているアドマンなのでした(たまにはアピール)。
とはいえ、きちんと認識して使うべきだと思います、こういうコトバ。
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