転校への期待
実は保健室登校をしていた高1の時、1度だけ転校できそうな話があった。それは、過年度受験が出来る私立高校を探していて見つけたある学校からの提案だった。過年度受験に対して具体的な情報が殆どなく、先行きも不透明で、相談できる所もあまりなかった私にとって、それはとても魅力的な話に思えた。何と言っても学年がズレなくて良いのだから。しかし懸念点もあった。私自身、転校の経験が無く、受け入れる側ばかり。しかも高校生になってからの転校、うまくやって行けるのかとても心配になり、人間不信に陥っていた私は更に悩むことになった。結果的には在籍校での出席日数が少し足りず、転校は出来なかった。意外にも、これがかなりショックだったのだ。あれだけ不安に思っていたにも関わらず、心のどこかで転校にとても期待していたのだ。余談だが過年度受験の際、その学校も受け、特待生で合格を頂いた。しかし第一志望の別の学校にも受かり、結局そちらに進学を決めた。縁がないとは、こういう事なのかも知れない。