funta(ふぁんた)のブログ -301ページ目

ここは麻布十番ぢゃない!

 今年も麻布十番納涼祭がやってきました。(あ、もう終わりましたが…)

普通、地域の納涼祭っていったら、振興会が中心になってお店と地域住民との交流会を催し、まずは今年一年の感謝と、来年も商売繁盛を祈って地域の神社にみんなで奉納行事。
 
 それが終わると宴会(お祭り)が始まって、納涼っていうくらいだから親子連れが浴衣にウチワで闊歩し、近所の商店街のご主人が、「おーし、お祭りだから大盤振る舞いするかぁ!」って、普段お世話になってる地元のお客様に向けて、お店の前でお肉を大量に焼いて食べさせてくれたり、「店の在庫を一斉処分するわよ!」っておばさんが店の前にワゴンセールで在庫の服を格安で並べたり、店員さんから「あら、○○ちゃん!お久しぶり!お子さん中学生になったの!大きくなったねー!」なんて会話をしながら、知った顔のおばちゃんから子どもがあめ玉もらったり、金魚すくいやったり、かき氷食べたり。保護者の見守る中で線香花火したり(懐かしい)。

 近所の文房具屋さんが知人から綿菓子作る機械を借りて来て、その日だけは綿菓子屋さんになって子供達に振る舞ったり。焼肉屋さんが自分の店のタレを使った特製焼きそばを鉄板で焼いてくれたり。それを見る子供達が目を丸くしたり…。

 近所の中高生のガキが浴衣着た同級生に胸きゅんになったり、女子学生がお祭りに便乗して先輩に告白したり…、静かな街を人知れず手をつないで歩いたり…で、同級生に見つかって冷やかされたり…

あー、祭りっていいなぁ…なぁ…ぁぁ(遠い目)

 で、お祭りの最後は町民全員が一緒になって盆踊り踊って締めくくり、町内会の役員がたすきを掛けて、慣れない和太鼓を絶妙なリズム感の無さで叩いて笑いを取ったり…ってイメージだけど…(ちょっと大げさか?)

納涼祭って、地域の方々同士の、感謝と祈りと還元のお祭りだったはず…

でもね…

なぜか麻布十番は毎年趣きが違います。


麻布十番には、静かな街並とか趣きとか、昔ながらの風情があるって思ってるんだけど…



ここ…どこだよ!wwww 人多過ぎだろーーーーwww
funtaのブログ

この時期になると、普段営業をしているお店はほとんど営業をやめてシャッターを降ろします。
場合によってはお店の前にバリケードさながら段ボールを敷き詰めたり、ビニールシートで店の玄関をカバーしたりします。
 地域住民はこの3日間は実家に帰ったり、避暑地に旅行に行きます。
つまり地元の人は麻布十番から逃げてしまいます。

 すると、どこからともなくテキ屋が集まる集まる…日本全国を渡り歩いている強者たちがシャッターの閉まったお店の前を我が物顔で陣取って、慣れた手つきでヤグラを組み立てていきます。麻布十番の通り一面にたこ焼き屋さんやクレープ屋さん、輪投げや鉄砲屋、もちろん金魚すくいもあるし、最近はご当地ハンバーガー(ご当地って言っても麻布十番ではない)とか、あとはたこ焼き屋とか、たこ焼き屋とか、人形焼きやとか、またたこ焼き屋とか、かき氷やとか、たこ焼き屋とか、人形焼き屋とか、ベビーカステラとか、またかき氷やとか…普段の麻布十番では決して見られないようなお店がとにかくワンサカと並びます。

 そんなお店を目当てに、これまた郊外から毎日何万人という観光客がどっと押し寄せて、写真のような風景になります。

つまり、
住民の住民による住民のためのお祭りではなく、日本全国のテキ屋による、日本全国の観光客の為のお祭りです。
結局ここで落としたお金は麻布十番商店街ではなく、日本全国のテキ屋がほとんど持って行きます。

これ、こんなお祭りに意味があるのかな?

 もちろん、そんなテキ屋の間を縫って、普段営業している飲食店が普段使っている店の材料を使って納涼祭スペシャルメニューを出したり(これはおいしいから大歓迎!)、どっかのブティックが普段売ってないようなド派手な電飾サングラスを仕入れて大量に売ってみたり(これはセンスが無さ過ぎて閉口)。
 普段はジュースを置いてるコンビニの冷蔵庫一面に、その日だけは全部缶ビールが並んでみたり(定価の二倍三倍で売ってるテキ屋と同じ缶ビールがここでは定価で売られてる)。

 我々みたいに普段の麻布十番を知ってる人間は、ひと目見ただけで「ここは現地のお店が出店してる」「ここは十番とは関係ない店がやってる」ってのはすぐに解ります。でも知らない人が見ると、ここに並んでるお店が全部麻布十番のお店と思い込むんだろうなぁ…。それが悲しい。
申し訳ないが、本当に麻布十番で営業しているお店の出店は全体の1割程度、あとの9割は麻布十番とは全く関係の無い出店です。

ちょっと前までは、麻布十番の特色として、港区にたくさんある大使館の現地職員(つまりほとんど外国人)が、自分の国のご当地料理を振る舞う国際バザールみたいなのもあった。アメリカ、イギリス、スペインやドイツ、オーストリアはもちろん、ギニアとか何とかとか、あまり知らない国の出店もあって、本当に珍しい味付けがしてあっておいしかった。ほんの数分で世界中の珍味が味わえる、貴重な出店でした。そんな国際色豊かな出店もスペースをだんだんテキ屋に追いやられて、最近見なくなった。今ではどこでやってるのやら…

 こんな言い方はものすごく失礼かもしれないが、仮に東京ディズニーランドで納涼祭ってのがあるとして、普段ディズニーランドに行かない私がここぞとばかりに出かけたとします。
 ディズニーランドの敷地内に出店してる大量のお店を片っ端から覗き、迷いながら、汗だくで人混みにモミクチャにされながらようやく数万円のお土産を家族に買ったのに、家に帰って自慢げに家族に見せたら、「お父さん、それ、ディズニーじゃなくて、ただのネズミの人形だよ…」って…。
 一生懸命買い物したのに、そのうち90%がディズニーランドとは関係のない商品だったって感じ。これ、笑い事じゃないですよ!

 更にディズニーランド側も、今回のお祭りで普段より入場者数が10倍あったから売り上げも10倍になったと喜んでたら、そのうち売り上げの9割は他の業者が全部持っていってたって感じ。しかもその10倍に膨らんだ客はというと、ディズニーランドのキャラクターも世界観も全く知らないマナーの悪い客だったり、彼らにさんざん備品を壊され、ゴミを捨てられ、酔っぱらって地べたに座り込んだり、立ちションしたり、敷地を汚され…時には喧嘩もあったり、痴漢もあったり。

 さて祭りが終わり、お客様も外部出店業者も全員帰ったあと、そこは大量の包装紙と割り箸やスプーン、炭や生ゴミやビールやおしっこの混ざり合った匂い、壊れた備品が積み上がったスラム街となって、その片付けや掃除や修理などで、結局は大赤字になりました…って、そんなとこ。笑いごとじゃないでしょ?w

 でも麻布十番納涼祭って、毎年そんな祭りです。

最終日、祭りが終わった直後の21時の街並は、焼き物と生ゴミとビールとおしっこ(立ちションする人が後を絶たない)の匂い、ゴミや割り箸があり得ないくらい散乱し、祭りが終わっても余韻を楽しみたい若者が何百人も酔っぱらって道路にしゃがんだり寝そべったり騒いだり…そんな祭りです。

 それを警察官と業者が片っ端から掃除して、翌朝にはすっきりキレイになってますけどね。この最終日の掃除だけでどれだけの経費がかかってるんだろう?
 でもお店のガラスを割られたり、備品を壊されたり、おしっこをかけられたりした所は翌日からも大変ですね。

 個人的に一番恐れているのは、この麻布十番納涼祭を体験した人が、普段から麻布十番に行くとスキンヘッドの強面(こわもて)のおっさんが鮎焼いてたり、ハチマキ巻いた若い兄ちゃんが汗だくでたこ焼き売ったりしてるんだと思い込む事。麻布十番のイメージが、納涼祭で固まる事。これが一番怖い。

 で、そんな若者がしばらくして彼女をつれて麻布十番を訪れて
「あっれー、ここにあった鮎の姿焼きなくなってんじゃーん、っていうかー、たこ焼きもクレープも売ってねーしぃ、っていうかぁ、麻布十番、ショボくね?」…って言われる事(怒)

 あのね、しょぼいんじゃなくて、これが本来の麻布十番の姿なんです。

テキ屋が悪いとは言わないし、彼らもそれぞれのお仕事を一生懸命にやってるんだから偉いとは思うけど、それでマナーの悪い客を大量に呼ばなくてもいいやん。なにも麻布十番じゃなくてもいいやんww。
 あと気になったのは、そのテキ屋の仕込みの時間、炎天下に屋外ででっかいゴミバケツ(ポリバケツ)に水張って、手製の木の棒で粉をこねたり、汗だくのくわえ煙草でその中を覗き込んだりしていること…生地の中にいつ何が混ざるか本当に不安。

 まぁ、みなさんお仕事ですから、生活掛かってるから一生懸命なのは解るけど、実際に麻布十番に住んでる方々の生活はその3日間は本当に落ち着かない日々です。毎晩うるさいし、道路は汚いし臭いし。

 なんか、お祭りの目的が完全に壊れてる気がするのは私だけではないと思います。

いっその事来年からさ、どっかのシャッター通り商店街を毎年指定して、
「恒例の麻布十番祭り、今年は○○区の△△商店街でやります!」
みたいにやってくれないかな。そうすると毎年
「麻布十番納涼祭、今年はどこでやるんだろう?」ってみんなわくわくするし(爆)
あるいは高尾山の山頂でもいいやw