NHK朝ドラ「半分、青い。」のヒロインは軽度聴覚障害者 | 艶(あで)やかに派手やかに

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2018年4月からのNHK朝ドラ「半分、青い。」のヒロインは、片耳が聞こえない聴覚障害者であることが報道されています。
朝ドラのヒロインは波乱万丈な人生を送りますが、ヒロインが障害者であることは珍しいです。2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、ダイバーシティ&インクルージョンを進めていこう、という時代に乗って、このような作品が作られるのはいいことですね。(2014年下半期の朝ドラ「マッサン」が初めて外国人をヒロインに登用したときもかなり話題になりましたが)

脚本家の北川悦吏子さんは、ドラマ「愛してると言ってくれ」や「オレンジデイズ」などで聴覚障害の主人公を描いています。北川さん自身も2012年から左耳に聴覚障害があり、その感覚が脚本作りに反映しているということです。

エンターテイメント業界で制作に携わったり演じている人々の多くは健常者であり、障害を描いたドラマはしばしば「障害を正しく描いていない」と当事者からの批判を招くこともありました。
障害者といっても一人一人違うし、障害理解しようと真摯に努力している健常者も多くいることまで無視して、「正しい障害者の描き方を!」という主張を畳み掛けるはもう古いと思います。ただ、現代では健常者視点による「愛される障害者」があまりに前面に出ている作品だったら、 印象が悪くなってしまうでしょう。
当事者が脚本を手がける「半分、青い。」はどう描かれていくのか気になるところです。

ところで片耳だけが聞こえない場合は、身体障害者手帳はもらえない場合が多いのです。詳しくはこちらを参照
身体障害にしても発達障害にしても、障害が軽度だと「あまり困っていないだろう」と思われやすいです。確かに、見た目でわかりにくい軽度の障害者は、できることが比較的多く、健常者と同等の社会生活を送りやすいです。学校も学習内容や進路が限定されがちな特別支援学校ではなく普通校で、仕事も職域や給与水準が抑えられがちな障害者枠ではなく一般枠で働いていることも多いです。
しかし、社会で健常者と接することが多いぶん、 周囲の無理解からくる軋轢も経験しやすいのです。健常者の「普通」にもなれず、「障害者」にもなれないという「はざまの問題」に苦しんでいることも少なくありません。
軽度障害の困り感は「軽度」じゃないんです。
新たな朝ドラのヒロインも「挫折・離婚などを経験し生き抜く」とあります。