「私の業界では女性が少ないですが、取引企業を訪問した時にすぐに覚えてもらえますし、ベテランの男性の担当者が、私が一生懸命に学ぼうとする姿を見て、娘のように大切にしてくれました」と言っていた女性がいました。
男性の上司が女性の部下に対する接し方は、男性の部下に対する接し方に対してかなり乖離があり、女性は男性に比べてチャンスをもらえない、と言われることがよくあります。そういう話は印象に残りやすいです。
でも、個人のミクロな経験談で、冒頭のような話は結構聞くんですよ。
この女性のように、活躍する女性には、陰に男性のスポンサー的存在がいて、心温まる物語があったりします。
私もこんな経験があります。
私は大学が神戸でしたが、女性の卒業生が男性に比べて地元から東京に出ることが少ないせいか、大学の同窓会の関東支部は男性が多数派でした。
その同窓会について話し合うための集まりに誘われました。
「オヤジだけだとなかなか女性や若い世代など幅広い人を取り込めるアイデアが出てこなくて困っている。女性の視点でアイデアをどんどん出していって盛り上げてほしい」
と、すでに引退したおじさま方からいたくかわいがられました。
そう言われても、いいアイデアが本当に出せるのかどうか、照れくさかったのですが。
しかし、こちらが何気なしに発言したことが、とても新鮮に受け取られた場面もありました。早速それを試してみよう、という雰囲気にもなりました。
ダイバーシティ&インクルージョンが流行りにもなった今。
疎外される側にいたという原体験を持つというか、生きづらさを抱えた人だと特に「向こうはどこまで本気なんだろう」という疑念を抱く人もいるかもしれません。
でも彼らは、多様性について興味がないのではなく、必要だと思っているけどどう取り組んだらいいのかわからない、と困っているです。
私が力になれそうな場面ですね。
時代は動いているにも関わらず、
女性の方が、「私は男性より下になる運命。そうならなければおかしい」とか、
発達障害者の方が、「私は健常者から虐げられる運命。そうならなければおかしい」とか、
無意識のうちにこんなふうに考えて立ち止まっていたらもったいないですよね。
元気があれば、ここでは相手の期待に乗っかるのもいいと思います。
そうすると案外道が開けることもあります。