車椅子だから撮れる映画 中嶋涼子さんの挑戦 | 艶(あで)やかに派手やかに

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ココライフ女子部の車椅子メンバーであり、カリフォルニアで映画を学んだ中嶋涼子さんが、映画監督に挑戦します。

撮影は鈴木智哉さん。

以下、涼子さんのフェイスブックページより

【日米共同制作長編映画「 Cantering​ キャンタリング)」オーディション開催のお知らせ】

2018年6〜8月(実際の撮影は30〜45日程度)撮影予定の長編映画『Cantering』の主人公、漫画家の貴田夢馬 (キダ ユマ)役、20代〜30代後半までの車椅子女性を募集中です。(実際に実生活で車椅子を使用されている女性に限ります)2018年1月26日から一週間に渡り、東京、大阪、名古屋、福岡、札幌にてオーディションの開催を予定しています。経験は全く問いません。初心者の方でも歓迎です。オーディションへの参加ご希望の方は、以下の条件を満たした上、「canteringaudition@gmail.com 」までご連絡ください。後ほどオーディションの詳細等をこちらからご連絡させていただきます。※応募人数が少ない地域や、当日オーディションに参加できない方々は、ネット上でのビデオオーディションを実施する予定です。

監督として、健常者の役者ではなく、実際に障がいを持たれた女性に主人公を演じていただきたいので、どうか皆さん、恥ずかしがらずにどしどし応募してください。そしてたくさんの人たちにシェアを宜しくお願いします! 

あらすじ:
幼少期に下半身不随となった貴田夢馬。過保護な母親と暮らしながら某漫画家のゴーストライターとして日々を過ごす。ある日、自立を心に決めたユマは、成人漫画の雑誌社に作品を応募したことがきっかけで、自身のアイデンティティーを探す旅へと出る。

応募締め切り日: 1月22日(月) 
オーディション予定日: 
東京1月27日(土)
大阪1月28日(日)
公募者の人数次第ですが名古屋、福岡、札幌は1月第4週目に行う予定です。
※都合により、日程が前後する場合がございますがあらかじめご了承ください。

必要事項:
・名前
・年齢・生年月日
・現在の所在地
・車イス使用歴
・現在の職業
・ヌードシーン有り。

以下の写真を添付の上で応募:
・全身写真
・胸から上のアップ写真 (メイク前とメイク後の両方)
※写真アプリなどで加工をしていない写真に限る。


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Facebookページには涼子さん自身が発言する動画もあります。


今までにも、車椅子利用者を主人公にした映画やドラマは作られてきましたが、それは健常者の俳優が演じています。もちろんこうした作品の俳優は、当事者の生活を研究して役作りをしていると理解していますが、やはり違和感が否めないでしょう、特に当事者側からすれば。
当事者自身が演じる、より自然な車椅子利用者像を見てみたいです。


涼子さんは車椅子ゆえに、日本に生きづらさを感じていました。
そんななか、「タイタニック」を見て、レオナルド・ディカプリオに憧れ、アメリカ映画に目覚めました。そして日本よりバリアフリーやダイバーシティがはるかに進んだ「外の世界」があることを知りました。
カリフォルニアに飛び、バリアフリーの整った環境で、本格的に映画制作を学びました。海外をうらやましがり与えられた環境に愚痴るだけの当事者は山ほどいますが、彼女は行動し、実現しました。
しかし、そんな夢のような生活はいつまでも続きませんでした。わけあって帰国しなければならなくなったのです。
カリフォルニアでは水を得た魚のようにイキイキできた彼女も、帰国後は日本のあいかわらずの車椅子の立場の弱さを体感し、ふさぎこもりがちになりました。「障害を盾に権利ばかり主張するな」とも言われました。
だがラッキーなことに、車椅子でも映像制作を経験できる企業に縁がありました。それも外資系メディア企業でした。仕事は厳しかったようですが、「大変学ぶことができた」と彼女は語っています。
その後、「バリアフリーをテーマにした映像制作をしたい」と思い、フリーの映像制作者になりました。

彼女のような方は、カリフォルニアにとどまった方が生き生きとできるのではないか、という見方をすることもできるでしょう。
しかし彼女は、「日本をバリアフリー化するために行動していく」というミッションを自らに課しました。

すべての日本人が海外に出て行くことは現実的ではありません。生まれた土地に根ざして生きる当事者にもチャンスが回る日本にすることが必要です。
同じ生きづらさを感じている当事者のために行動する彼女は、筆者にとって戦友のような存在です。応援します。