カーブス体験会 | 艶(あで)やかに派手やかに

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カーブスの体験会に行ってきました。

(写真はカーブスの広告用写真)

 

ビルの1フロアにあるのは、シンプルな筋トレのマシン数台と、有酸素運動用のステップ台数台。カーブスのエクササイズは、これらを回って一周するサーキットプログラム。

マシンはどれも体力の衰えた年配女性でも使いやすいもの。利用時間は30分と決まっています。客は頻繁に入れかわり、長い時間おしゃべりする光景は見られません。

インストラクターも客も全員女性。客の半分以上は50歳以上。インストラクターと客との親密度は濃く、入会時に客が目標設定し、インストラクターが背中を押すというスタンスです。
 

創業者ゲイリー・ヘブン(Gary Heavin)による創業物語も知りました。

 

米国人のゲイリーは、13歳の時に40歳の誕生日を迎えたばかりの母を亡くしています。その母は糖尿病により肥満になっていました(高血圧とうつ病も併発していました)。相当苦しんでいたのでしょうが、家族の前でそのような様子を見せることはなかったといいます。ゲイリーの母は家族を優先し、自分の健康に気を遣うことがないまま亡くなってしまったのでした。

ゲイリーは「自分のような若くして母親を亡くすという悲しい思いをする人をなくそう」と、人々の健康のためになる仕事を志しました。大学で医学、栄養学、運動学を学び、女性向けフィットネスクラブを起こします。しかしその事業も、ゲイリーの思うところと違ってくるものに。フィットネスクラブに来るのは、すでに健康を手に入れ、より身体を強くしようとする若い女性ばかり。ゲイリーの母のような、不健康の問題を抱える中高年女性の姿はありませんでした。それがこれまでのフィットネスビジネスの主流でした。

1992年、ゲイリーはフィットネスビジネスのあり方を見直し、中高年女性の健康を目指したクラブ、カーブスを創業します。この事業は成功し、「全米の肥満率を下げることに貢献した」と評価されるようになりました。米国では肥満患者は病院で「カーブスに行きなさい」と言われるほど浸透しているそうです。

カーブスは米国のみにとどまらず世界各国にも展開するようになります。日本にも、ゲイリーの母のように家族を優先し自分を後回しにしてきた一家の主婦が大勢いました。そこに進出し、今では出店数は全国で1400を超えます。

最近ではカーブスのインストラクターが駅前で体力チェックを兼ねた勧誘活動も行う光景も見かけます。健康のための運動は大事と頭でわかっていても、自分から運動する場所に足を運ぶことに迷いを抱える人々もたくさんいる。そんな人には、ティッシュを配ったり、CMを流すより、インストラクター自身が声をかけて背中を押してあげよう、という考えからだそうです。

この国に「筋トレの輪」を広げ、明るい高齢化社会を築く。それがカーブスジャパンの目指すところ。

 

大手フィットネスクラブは健康状態に問題のある人の受け入れを躊躇しがちです。カーブスは上のような創業者の想いから、従来型クラブに参加しにくい女性も受け入れるということです。

最近は10、20代の女性も増えているのだとか。母親が気に入って娘と一緒に来るケースもあるといいます。

 

このクラブで働く人々には、創業者の想いを忘れることなく、筋トレの輪を広げていってほしい、と思いました。



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