「弱い立場の人に冷たい人が増え、社会はますます非寛容になっている」
「自分さえよければという人が増え、社会のモラルはますます低下している」
このような主張、誰もが一度は聞いたことがあると思います。
けれども現実の日本社会はどうでしょうか。地震があると被災地のために何かしたいと思って行動した人が目立ちました。被災地の障害者・高齢者・子供のために何かしなければ、という動きもありました。「弱い立場の人に冷たい」「自分さえよければ」という行動をとった人は少数派で、多くの人々はそれを良しとしていません。
もちろん報道されていることだけが被災地のすべてではないこともわかっています。けれども、こうした動きを見ていると私は「日本社会の寛容さやモラルはそこまで失われたのだろうか?」と思います。
冒頭に書いたような主張をする人も、不安を煽っているのではなくて、そう思わせるようなそれなりの現実を見てきたのでしょう。それを正す、という熱い気持ちを持つのは間違いではありません。私の中にも共感する部分があります。
けれども、こういう主張を聞いて、「社会は怖い」と感じ、社会に対して持つ必要のない不安を持ち、抱え込む必要のない生きづらさまで抱え込んでしまっている人もいるのではないでしょうか。
そのような人は、色々な人に、冒頭に書いたようなことについて自分もそう思うかどうか、尋ねてみてはいかがでしょうか?
ある人が問題だと考えていることを、同じように問題だと考えている人もいれば、考えていない人もいる。また考えていても、行動する人もいるし、行動しない人もいる。そして行動する人にも、問題解決につながる行動をしている人もいれば、全くそうでない人もいる。
そのように考えていくと、ダイバーシティ(社会の多様性)に気付きます。
ダイバーシティ富士登山の振り返り会で、参加者が日の丸に一言メッセージを書きました。私がその時書いた言葉が今日のタイトルです。
このプロジェクトは私にそう思わせる場でした。
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