『ワニの町へ来たスパイ』こと『ワニ町』シリーズ第4弾。こちらも2023年8月に読みました。前作の翌日から始まります。すんごいスピード感。

 前作『生きるか死ぬかの町長選挙』のラストで保安官助手カーターに食事に誘われた主人公フォーチュン。仕事一筋で生きてきたものだから、デートなんでしたこともなく、スワンプ・チーム・スリー人生の大先輩たち(美容に関する知識のアップデート状況は?)からああだこうだと御節介を焼かれて冒頭にひと騒ぎ。ようやく出かけられたと思ったら、同年代の友人アリーの自宅が火事になったという報せが飛び込み、ディナーはキャンセルに。

 またてんやわんやの大騒ぎが繰り広げられますが、今回はアリ―とのシーンが多くて、フォーチュンがどんどんその年齢の人らしくなるのが良かったな。そして焼き菓子店を目指すアリーがいるということは、おいしいお菓子も出てくるわけで……。ここまで言及し忘れていましたが、このシーン出てくる料理やお菓子が軒並みおいしそうでして。これまでずっとストイックな生活をしていたフォーチュンがどんどん体重を増やしてしまうことに慄きつつも、おいしいものに負けるシーンも見ものです。どれもこれもカロリーすごそうだし、フォーチュンもよく食べるんだな、これが。体重増が書かれているだけで済んでいるのがむしろすごい。

 今回の事件の全容は、割と背筋がぞっとするような話だったな。助かったのは、運がよかっただけで、そうでない事件もいっぱいあるよね、って思う。それでも、片が付いて、関係者が前に進める終わり方でよかったな。

 そして冒頭でおじゃんになったデートが改めて、当初案より、素敵な形になってエンディング。個人的なつながりを避けようとしてきたフォーチュンだけど、どうしても抑えきれない感じが、何だか初々しくていいな~ってなる。事件もドタバタも毎回すごいし面白いけど、二人の仲も気になっちゃうんだな~。

 

 

 

 

 

 

 

 新刊はまだ読んでない。