後入先出法が廃止になった理由とは
みなさん、こんにちは。
2010年4月1日開始の事業年度より、改正企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」により、棚卸資産の評価方法として、後入先出法が廃止されました。
本日は、その理由について考えてみたいと思います。
●
最近の日本における会計基準の変更は、大きく見ると国際会計基準(IFRS)との調和化という動きがあります。
日本における会計コンバージョンの短期目標では,東京合意26項目の重要な差異を2008年末までに解消するというスケジュールになっており、その項目のひとつに、後入先出法の廃止という内容があります。
国際会計基準(IFRS)では後入先出法が認められていないため、日本でもこのタイミングで廃止になりました。
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国際会計基準(IFRS)で後入先出法が認められていない理由には、IFRSの基本的な考え方と密接な関係があります。
IFRSの大きな考え方として、B/S(財政状態計算書)を公正価値(≒時価)で出来る限り把握し、期末のB/Sと期首のB/Sの差を「包括利益」として捉えていこうという発想があります。
その考え方の中で、B/Sの各項目は公正価値で表示されるようになります。
この考え方に立つと、実は、棚卸資産を後入先出法で評価する方法には問題があるのです。
なぜでしょうか?
●
例えば、原材料の価格が上昇している局面を考えてみましょう。
期首の在庫が@50円だったとしても、今期は原材料価格の上昇により@70円でないと仕入れられないと仮定してみます。
すると、その原材料の公正価値に近い評価価額は、@50円ではなく@70円に近づくことになります。
後入先出法とは、新しく入ってきたものから先に払いだされると仮定して、在庫の評価を行う方法です。
このような局面において、後入先出法によってこの原材料を評価してしまうと、期末に残った在庫の中に@50円で評価される原材料が出てきてしまいます。
世の中ではこの原材料価格が上昇しており、@50円では仕入れることはできないにも関わらず、その期末のB/Sの中には、@50円で評価される原材料が出てきてしまいます。
こうなってしまうと、そもそもB/Sを公正価値で測定しようというIFRSの大きな考え方とずれてしまうため、IFRSでは後入先出法が認められていないのです。
●
このように、IFRSの各基準であったり、日本の最近の会計基準の変更の理由を理解するためには、IFRSの大きな考え方を把握しておくことが非常に重要になります。
本日の「会計と企業経営のあいだ」はここまでです。
●
株式会社アドライトでは、 単なる会計基準への対応のみならず、高い専門性と多くの経営現場での支援経験に基づいた、経営企画や経営管理への影響を踏まえた経営管理体制構築の支援を行っております。
また、株式公開(IPO)支援を念頭においてコンサルティングにも広く対応しております。
初回相談は無料で承っております。
サービスに関するお問い合わせ、資料請求などはこちら
http://www.addlight.co.jp/contact
2010年4月1日開始の事業年度より、改正企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」により、棚卸資産の評価方法として、後入先出法が廃止されました。
本日は、その理由について考えてみたいと思います。
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最近の日本における会計基準の変更は、大きく見ると国際会計基準(IFRS)との調和化という動きがあります。
日本における会計コンバージョンの短期目標では,東京合意26項目の重要な差異を2008年末までに解消するというスケジュールになっており、その項目のひとつに、後入先出法の廃止という内容があります。
国際会計基準(IFRS)では後入先出法が認められていないため、日本でもこのタイミングで廃止になりました。
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国際会計基準(IFRS)で後入先出法が認められていない理由には、IFRSの基本的な考え方と密接な関係があります。
IFRSの大きな考え方として、B/S(財政状態計算書)を公正価値(≒時価)で出来る限り把握し、期末のB/Sと期首のB/Sの差を「包括利益」として捉えていこうという発想があります。
その考え方の中で、B/Sの各項目は公正価値で表示されるようになります。
この考え方に立つと、実は、棚卸資産を後入先出法で評価する方法には問題があるのです。
なぜでしょうか?
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例えば、原材料の価格が上昇している局面を考えてみましょう。
期首の在庫が@50円だったとしても、今期は原材料価格の上昇により@70円でないと仕入れられないと仮定してみます。
すると、その原材料の公正価値に近い評価価額は、@50円ではなく@70円に近づくことになります。
後入先出法とは、新しく入ってきたものから先に払いだされると仮定して、在庫の評価を行う方法です。
このような局面において、後入先出法によってこの原材料を評価してしまうと、期末に残った在庫の中に@50円で評価される原材料が出てきてしまいます。
世の中ではこの原材料価格が上昇しており、@50円では仕入れることはできないにも関わらず、その期末のB/Sの中には、@50円で評価される原材料が出てきてしまいます。
こうなってしまうと、そもそもB/Sを公正価値で測定しようというIFRSの大きな考え方とずれてしまうため、IFRSでは後入先出法が認められていないのです。
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このように、IFRSの各基準であったり、日本の最近の会計基準の変更の理由を理解するためには、IFRSの大きな考え方を把握しておくことが非常に重要になります。
本日の「会計と企業経営のあいだ」はここまでです。
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