IFRSにおける収益認識(5) -ルノーの開示例から見えるもの-
みなさん、こんにちは。
今週も、前回までの続きである収益認識について、実際の会計方針の開示(注記)例をもとに総括をしていきます。
●
まず最初に復習ですが、現在の日本におけるIFRS導入に関する収益認識の議論をみると、大きく3つの論点があります。
1 収益認識(売上計上)のタイミング
2 収益認識(売上計上)の表示方法(純額か総額か)
3 その他収益認識(売上計上)に関するイレギュラー取引の処理
それぞれについて、
1 収益認識(売上計上)のタイミング に関する詳細については、
IFRSにおける収益認識(1) -出荷基準はそもそも認められていなかった!?-
2収益認識(売上計上)の表示方法(純額か総額か) に関する詳細については、
IFRSにおける収益認識(2) -商社の会計処理はなぜソフトウェア取引を参考にするのか-
3 その他収益認識(売上計上)に関するイレギュラー取引の処理 に関する詳細については、
IFRSにおける収益認識(3) -イレギュラー取引の会計処理は何が変わるのか-
でご紹介させて頂きました。
本日は、IFRSベースで有価証券報告書を開示しているルノーの開示(注記)例をもとに、実際の企業における収益認識についてみていきます。
●
まず、原則主義であるIFRSに基づく財務諸表の特徴として、ボリュームの大きな注記が挙げられます。
各項目ごとに、IFRSの原則に基づき対象企業がどのようなグループ・アカウンティング・ポリシーに基づき会計処理を行っているかを、財務諸表の注記を通じて利害関係者に詳細に開示することになります。
日本は規則主義と言われながら、収益認識についての明文化されたルールが十分に整備されておらず、会計実務における簡便的な会計処理や、企業ごとに異なる会計処理が行われてきたと前回までにお伝えしてきました。
各社の収益認識の方法については、現在の日本基準に基づく財務諸表の注記の中では、特定のものを除きほとんど開示されてきませんでした。たしかに、企業会計原則によると、「代替的な会計基準が認められていない場合には、会計方針の注記を省略することができる」とありますが、利害関係者にとって必要十分な情報であったかどうかは疑念が残ります。
それが、IFRSになると、収益認識の会計方針についても詳細に開示されることになります。
●
たとえば、ルノーの財務諸表における収益認識については、サービスの種類ごとに会計方針が開示されます。車両販売(ディーラー経由と直販)の場合は、下記の内容になっています。
「・・・売上及び利益の認識
製品の売上は、グループ会社以外のディーラーの場合には車両が販売網に供給されたときに認識され、直接販売の場合には消費者への納車時に認識される。・・・」
ここでは収益認識のタイミングについての詳細な記載となっており、その他の事業の形態についても、詳細な説明がなされています。
●
また、イレギュラー取引についての会計処理も、取引の種類ごとに細かく開示されています。
「・・・販売奨励金制度
販売製品の数量又は価格を基準にする場合は、これらの制度の費用は、対応する売上が計上されたときに該当する売上高から控除され、それ以外の場合は、販売費及び一般管理費に計上される。売上の計上後に制度が承認される場合は、その決定時に引当金が計上される。・・・」
●
今回ご紹介させて頂いたのはほんの一部ですが、このように、膨大な注記により各社の会計方針を開示することになります。そして、これらグループ・アカウンティング・ポリシーの策定と対応準備には十分な時間と労力、そして専門的知見が必要になります。
本日の『会計と企業経営のあいだ』はここまでです。
●
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今週も、前回までの続きである収益認識について、実際の会計方針の開示(注記)例をもとに総括をしていきます。
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まず最初に復習ですが、現在の日本におけるIFRS導入に関する収益認識の議論をみると、大きく3つの論点があります。
1 収益認識(売上計上)のタイミング
2 収益認識(売上計上)の表示方法(純額か総額か)
3 その他収益認識(売上計上)に関するイレギュラー取引の処理
それぞれについて、
1 収益認識(売上計上)のタイミング に関する詳細については、
IFRSにおける収益認識(1) -出荷基準はそもそも認められていなかった!?-
2収益認識(売上計上)の表示方法(純額か総額か) に関する詳細については、
IFRSにおける収益認識(2) -商社の会計処理はなぜソフトウェア取引を参考にするのか-
3 その他収益認識(売上計上)に関するイレギュラー取引の処理 に関する詳細については、
IFRSにおける収益認識(3) -イレギュラー取引の会計処理は何が変わるのか-
でご紹介させて頂きました。
本日は、IFRSベースで有価証券報告書を開示しているルノーの開示(注記)例をもとに、実際の企業における収益認識についてみていきます。
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まず、原則主義であるIFRSに基づく財務諸表の特徴として、ボリュームの大きな注記が挙げられます。
各項目ごとに、IFRSの原則に基づき対象企業がどのようなグループ・アカウンティング・ポリシーに基づき会計処理を行っているかを、財務諸表の注記を通じて利害関係者に詳細に開示することになります。
日本は規則主義と言われながら、収益認識についての明文化されたルールが十分に整備されておらず、会計実務における簡便的な会計処理や、企業ごとに異なる会計処理が行われてきたと前回までにお伝えしてきました。
各社の収益認識の方法については、現在の日本基準に基づく財務諸表の注記の中では、特定のものを除きほとんど開示されてきませんでした。たしかに、企業会計原則によると、「代替的な会計基準が認められていない場合には、会計方針の注記を省略することができる」とありますが、利害関係者にとって必要十分な情報であったかどうかは疑念が残ります。
それが、IFRSになると、収益認識の会計方針についても詳細に開示されることになります。
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たとえば、ルノーの財務諸表における収益認識については、サービスの種類ごとに会計方針が開示されます。車両販売(ディーラー経由と直販)の場合は、下記の内容になっています。
「・・・売上及び利益の認識
製品の売上は、グループ会社以外のディーラーの場合には車両が販売網に供給されたときに認識され、直接販売の場合には消費者への納車時に認識される。・・・」
ここでは収益認識のタイミングについての詳細な記載となっており、その他の事業の形態についても、詳細な説明がなされています。
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また、イレギュラー取引についての会計処理も、取引の種類ごとに細かく開示されています。
「・・・販売奨励金制度
販売製品の数量又は価格を基準にする場合は、これらの制度の費用は、対応する売上が計上されたときに該当する売上高から控除され、それ以外の場合は、販売費及び一般管理費に計上される。売上の計上後に制度が承認される場合は、その決定時に引当金が計上される。・・・」
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今回ご紹介させて頂いたのはほんの一部ですが、このように、膨大な注記により各社の会計方針を開示することになります。そして、これらグループ・アカウンティング・ポリシーの策定と対応準備には十分な時間と労力、そして専門的知見が必要になります。
本日の『会計と企業経営のあいだ』はここまでです。
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