SW考現・博物史【SWココラジ#020】 | アディクトリポート

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本題に入る前に、

私もチャンネル登録している

えんぷらちゃんねるncc1701refitさんが、

 

私のこの記事(SW探偵物語【SWココラジ#019】)と少しだけかする、

こんな動画をアップしてくださいました!

 

2023/11/22

 

動画での主張の趣旨は、

「『スター・ウォーズ 反乱者たち』(2014〜2018)のチョッパー(C1-10P)は、

 

『がんばれ!!ロボコン』(1974〜77)のタイトルロボット=ロボコンが元ネタ」というもの。

 

こういう推測や推理は個人の楽しみで、その人なりの発見なのが醍醐味なので、

わざわざ意地悪く「ここが違う、あそこが違う」と指摘するヤボはやめて、

「なるほど、それは気がつかなかったよ」と感心するにとどめたい。

 

さて、今回の本題は、

SW考現・博物史【SWココラジ#020】

 

2023/11/29

 

キャベツ太郎さんこと、

 
元モデルグラフィックス誌のSW関連記事の編集者からは、以下のようなブログ記事が。
 
まずは騙されたと思ってこちらの20分の動画をご覧下さい。

Voice of a Star Wars Fan 日本語版(再編集版)

https://youtu.be/sQyLf8xHhDE?si=pa4rB5uYFmcHQEtz

これは知人で世界的な「スター・ウォーズ」プロップ研究家の鷲見博さんが作ったファンムービーです。
1977年公開の映画「スター・ウォーズ」は見たことのないカッコいいメカが縦横無尽にスクリーンを暴れる映画でした。CGなどない時代、そこに登場する宇宙戦闘機、宇宙戦、宇宙戦艦は撮影用模型(プロップ)を制作してそれを撮影していました。それらXウィング、スター・デストロイヤー、ミレニアム・ファルコンはベースとなるボディに、多数のプラモデルのパーツを貼り付けて制作していたのです。しかもそのほとんどが、当時発売されていたタミヤ、ハセガワ、ニチモなど日本製のスケールモデルプラモデルを使用していました。
それに気がついた当時の子供たちは当然「パーツに使われたプラモデルを解析すれば、撮影に使用されたプロップ模型と同じ物が手にいれられるのでは?」と考え必死にパーツ解析を行います。そこから世界中のSW/模型マニア、オタクがこぞって77年代周辺の模型を手に入れては探索をはじめます。
鷲見博さんの研究はそれの極北で、ついに21世紀に至って、SW第一作の「ミレニアム・ファルコン」の撮影用モデルに使われたパーツの99%を割り出します(分からなかったのは1パーツだとか)。
その実績はバンダイ製1/72「パーフェクト グレード ミレニアム・ファルコン」という製品に集約されています。この製品は撮影用モデルの完全レプリカとして世界的に評価されました。鷲見さんの協力によってこの製品は寸分違わぬ「撮影に使われた模型のレプリカ」という称号を得たのです。後日発売されたバンダイのプラモデル「1/5000 スター・デストロイヤー」でも、鷲見さんはそのリサーチ力を発揮、バンダイに協力する事で完璧なプロポーション、ディテールを持ったスター・デストロイヤーを世に搬出しています。

さて、その鷲見さんの渇望はそれだけでは治りません。それら劇中の模型を作り、撮影して表現した会社「インダストリアルライトアンドマジック」(ILM)がどんな職場で、どんな状態だっかにまで調査を進めます。撮影用模型を作っていたロサンゼルスの工房の間取り、棚、棚に入っている彼らが使ったプラモデル、机、灰皿、ライト、鉛筆、消しゴムなどを現存している当時の記録写真から探し、ebayで探して購入しあつめたのです。さあ、ここから意味が分からないでしょ?(笑)。
鷲見さんにとっては「私の愛したミレニアム・ファルコンを生み出した当時のILM工房をここに再現したい! 彼らが日常使っていた道具、備品をも愛おしい!」というわけです。
彼が動画中手にしている灰皿は、当時ILMにおいてあった灰皿を必死に探して手に入れた物なのです。なんという気狂い!

当時の工房の製作途中写真を解析し、そこにあった当時のアメリカの卓、棚、引き出し、文房具を割り出してebayで探して購入さながら、彼は日本に当時のILMを再現します。そこに自分が入っていきたい! 当時の空気を吸いたい! として製作したのがこの動画なのです。
動画中、注釈はありませんが、彼が映っているパートのほとんどは、77年当時に撮影されたILMのメイキング写真を解析し、そこに使われていた家具や備品をebayで探して調達し、撮影されたものにほかなりません! この話からもわかるように彼がどれだけの時間とお金と労力をかけたかがわかるでしょう。
ちなみに動画に登場する備品の多くは大量の資料写真とともに国内の名うてのモデラーに発注されたもの。とくに準備稿のスター・デストロイヤーのモデルは実存するモデルを完全再現で作り起こしたという稀有な作品です。
願わくば多くの人に彼の功績が伝わりますように。

Text:関口コフ
 
一見、フルサイズで再現したように見える当時のILMの作業場は、
「約1/3のスケールです。なるべく正しい寸法で製作するため、実際にその場所に行って色々測定しました」とのこと。
「最初のシーンはドリー(レール)を作ったのですが、山ほど失敗しました」
「このシーンと塗装ブースに入るシーンのためなんと塗装ブースの壁が外れます」
「あと、ミニチュアセットと私の合成バランスをみるためにこのようなプレートを立てて撮影しました(遊びみたいですが)」
とのこと。
 
前人未踏の到達点に達したキャベツさんの偉業に、ひたすら頭が下がります。