訃報:団時朗氏
この記事より
【以下転載・青字部分】
「帰ってきたウルトラマン」団時朗さん死去、74歳 17年に肺がん診断、昨年末悪化し力尽きる
[2023年3月24日10時24分]
1971年(昭46)のTBS系特撮ドラマ「帰ってきたウルトラマン」の郷秀樹役などで知られる、俳優の団時朗(だん・じろう、本名・村田秀雄=むらた・ひでお)さんが22日午前4時14分、肺がんのため亡くなったことが分かった。74歳だった。24日に所属のアルファエージェンシーが発表した。
同事務所は、万代博実代表取締役名の文書を発表。
「悲しいお知らせです。3月22日早暁4時14分、団時朗(享年74歳)が永眠いたしました。2017年夏に肺癌との診断を受けました。病気になってからも、ユーモアと優しさを失わず、生きるパワーに満ち溢れて仕事に邁進しておりました。残念ながら昨年末より悪化をたどり、力尽きました。葬儀は近親者のみにて執り行います。皆さまには生前のご厚誼に深く感謝いたしますとともに、ここに謹んでご報告申し上げます。アルファエージェンシー代表取締役 万代博実」
団さんは、1949年(昭24)1月30日に京都府京都市に英国系米国人の父と母の間に生まれた。米国空軍の軍人だった父は、団さんが2歳の時に朝鮮戦争で戦死したという。1966年(昭41)に、勝新太郎さんが主演した大映の映画「酔いどれ博士」(三隅研次監督)に脇役として出演。役名も、せりふもない役どころだった。
翌67年に、大手化粧品メーカー資生堂の専属モデルとなり、68年に男性化粧品「MG5」のCMで一躍、その名が知られた。同年には新人俳優・団次郎として、渡哲也さん主演の日活映画「わが命の唄 艶歌」(舛田利雄監督)に青山浩二役で出演。日活がクラウンレコード(現日本クラウン)と提携し、黒沢明とロス・プリモス、美川憲一ら同社のオールスターが総出演した同作で、水前寺清子の「艶歌」とともに主題歌となった「バラの恋」で歌手デビューも果たすなど、この年が実質的なデビュー年となった。
そして71年に「帰ってきたウルトラマン」(TBS)で主人公・郷秀樹を演じた。郷はハンサムで、一本気で時に突っ走りつつも、苦悩するナイーブな一面もある役どころで、団さんの人気は不動のものとなった。また、ウルトラマンと融合したまま地球を去るというパターンの、最初の主人公だったことも、その人気に拍車をかけた。
84年に、片岡仁左衛門(当時は片岡孝夫)主演の「ハムレット」(木村光一)でフォーティンブラスを演じ、それ以降は活躍の場を舞台に移した。同年、江守徹、日下武史主演の「Good」、坂東玉三郎公演「長崎十二景」、85年杉村春子主演「浮巣」、森光子さん主演の芸術座公演、森繁久弥さん座長公演に立て続けに出演し、舞台俳優としての地位を確立していた。
「帰ってきたウルトラマン」で郷秀樹を演じた団時朗さん
06年8月 ウルトラマン誕生40周年記念スペシャル・トークショー前に記念撮影 左からウルトラマンエースの高峰圭二、帰ってきたウルトラマンの団時朗さん、ウルトラセブンの森次晃嗣、初代ウルトラマンの黒部進
武田久美子インスタグラムより[2022年8月27日5時0分]
【転載終わり】
これは松本零士氏の訃報の時にもあったが、
室内の片付け物が、ドサッと音を立てて崩れると、
「あ、どなたかが亡くなられたな」とわかるようになっていて、
団時朗氏の訃報を知って、
「そう言えば昨晩も、例のドサッがあったよな」と思いを新たにした。
ウルトラマンジャックと言われても、「いやいや、現役時代は”帰ってきた”か”新マン”か”マン2世”だったでしょ」と思い続けているし、
「だんじろう」と打ち込むと自然変換される団時朗という字面に慣れず、「いやいや”だんじろう”は団次郎でしょ」になってしまう、1961年生まれです。
↑(左)「帰ってきたウルトラマン」出演時の団次郎。22歳/(右) 「ウルトラマンメビウス」第45話「デスレムのたくらみ」(2007年2月24日)出演時の団時朗。58歳。36年の間に、彼に何があったのか?
『帰ってきたウルトラマン』でウルトラシリーズが復活した時、第1シリーズの3番目に理想の完成形の「ウルトラセブン」がありながら見劣りしなかったのは、主人公の究極の理想像である郷秀樹と、
恋人の坂田アキ(榊原るみ)
のカップルのお似合いぶりに起因しており、
この二人のモデルっぷりと比べれば、
先代も後継もカップルとしてはどうしても見劣りしてしまう。
そんな最高峰理想形の郷秀樹役の団次郎氏だから、
勝手にいつまでもご健在なはずという思い込みがあった。
左より、黒部進(身長175センチ)、団次郎(当時表記・身長183センチ)
菊池英一(身長180センチ)、森次浩司(身長176センチ)
こんな言い方もどうかと思うが、
「郷秀樹が亡くなる前に、順番から言ったらハヤタやモロボシダンでしょ」
とか
「郷秀樹が逝くことの無念さと比べたら(以下自粛)」
左から、ウルトラマンメビウス/ヒビノ・ミライ役・五十嵐隼士、ウルトラマンギンガ/礼堂ヒカル役・根岸拓哉、ウルトラマン/ハヤタ役・黒部進、ウルトラセブン/モロボシ・ダン役・森次晃嗣。撮影は2013年6月4日。
の思いが交錯することしきり。
いつかは必ず来ることを覚悟させてくださいました。
思えば私の1971年(小学四年生の10歳)は、「仮面ライダー」ではなく「帰ってきたウルトラマン」と共にあったのです。
団時朗さん、ありがとうございました。