『マトリックス レザレクションズ』IMAX
2021/12/17 池袋グランドシネマサンシャイン シアター12 f-17
前回鑑賞の『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』での反省を生かし、
上映中にトイレに中座しないように、
普段服用している血圧降下のための利尿剤を飲まず、
また、たび重なるIMAXの早朝回鑑賞で寝落ちしてしまったことを教訓に、
今回も11時45分の上映会を選びましたよ。
前日深夜の最速上映を見た人がYahoo!映画レビューにカキコミ、
☆5つと☆1つに評価が二分。
おそらくは鑑賞前に無責任に決めつけるネガキャン=低評価だとは思ったが、
私個人の印象、「予告編では期待できそうだったんだけどなあ」
とか、
その頃の漠然たる印象、「この人は実際に最速上映を見たうえで酷評なのか…」
と、色々と不安がよぎった。
で、自分で実際に見た感想は?
いやいや、おもしろかったですよ。
正常な『マトリックス』に軌道修正できてます。
それだけに、本作一本を独立して見たって何の意味もない。
『マトリックス』 (1999)
『マトリックス リローデッド』 (2003)
『マトリックス レボリューションズ』 (2003)
の3本を鑑賞済みの方にだけオススメします!
『レザレクションズ』本編について、ネタバレするのは本意でないので、
まずはIMAX鑑賞について。
事前に読んだレビューで、
「IMAXでも上下に黒味がある」
とあったので危惧したのは、
ワーナー作品はIMAX対応がかなり早く、
2作目『リローデッド』も、
フィルム式をメルシャン品川IMAXシアター(現:T・ジョイ品川PRINCE)
2002年3月25日~2007年3月31日
縦16m×横22mのビル5~6階分に相当する巨大なIMAXスクリーン
で鑑賞時、映画『リローデッド』本編の画面比率が、
ビスタサイズ(16:9)どころか常時シネスコサイズ(2.39:1)のため、
純正比率(4:3)のIMAXスクリーン
に映写の際、
天地上下に広大な黒味が発生してしまう。
池袋グランドシネマサンシャインは、
天地(縦の高さ)こそ、「そびえ立つがごとし」なれど、
横幅はさほどでもないので、
「だったら今回の『レザレクションズ』は、ひさしぶりに品川で見れば良かったかもな…」
2016年4月1日よりティ・ジョイとの共同運営に移行し、
名称をT・ジョイPRINCE品川に変更。
※画面はビスタ比率固定に縮小
——と、若干の後悔の念がよぎった。
しかし『レザレクションズ』の画面比率は常時ビスタで、
純正画面比率の天地フル表示こそなかったものの、
レーザーシャープな鮮明画質は随所で発揮され、
トリニティー(キャリー=アン・モス)の顔の産毛が、
太陽の逆光で際立つ場面など、
「撮影前に顔ぞりしていて欲しかったなあ」と、
『ある日どこかで』(1980)DVDの特典映像に後日出演時の、
ジェーン・シーモアの顔の産毛が思い出されて若干萎えた。
そんな些末な印象はともかく、
ここで『マトリックス』の本質論を語るため、
過去作をふり返っておきますと、
1999年公開の1作目は、
同じ年の『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』のつまらなさと対称的に、
斬新でおもしろく、多くのファンを獲得し、
それはまさに「同時代性の勝利」といえた。
民衆が現実としてあてがわれているのは、実は管理者/体制側が押しつける幻想に過ぎず、
そのマトリックス=格子の牢獄から抜け出したものだけが、
真の人生を歩むことができる。
「今のままで十分です」と、青いカプセルを飲み続けるか、
「もう搾取と抑圧はまっぴらごめん」と、赤いカプセルを選んで飲むか。
こうした画期的な革命作であり、
眠れる民衆の意識を覚醒させる『マトリックス』は、
「おいおい、バラすのはそこらへんでやめといてくれよ」と体制側のストップがかかり、
2作目『リローデッド』と3作目『レボリューションズ』で勢いは減衰。
結局体制側(アーキテクト)の勝利とネオ(キアヌ・リーブス)の死という、むなしい結末に終わってしまった。
その後、体制があてがう仮の人生のひどさが露呈し、
「マトリックスの理念よ再び」の精神で復活した18年ぶりの『マトリックス レザレクションズ』の本編は、
そこをあからさまにやりすぎずとも、
覚醒した人にはわかる内容にはなっており、
それについては大いに納得、感心。
ですのでいまだにそれに気づいてない人が鑑賞しても、
まさに「豚に真珠」で、
さっぱり理解できないことでしょう。
今回は以上です。