宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第二章「発進篇」
2017/7/1 新宿ピカデリー シアター③ B-21
「第一章」は、
プロデューサーの言うとおり、
メチャメチャ面白かったが、
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第二章はなぜかちっとも面白くなく、
アクビが何度も出て、
30分もの4話分で、
上映時間がたったの100分なのに、
とても長く感じられた。
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恒例の、
冒頭部分のチラ見せ公開も、
たった10分なのに、
途中で眠くなった。
1話ごとに、
ドラマとアクションを交互に織り交ぜる必要があり、
↑「2202・第二章」
↓映画『さらば』の該当シーン。
各話に割り振られるアクションは、
あらかじめ決まっているので、
↑映画『さらば』
↓「2202」第二章の該当シーン。
↑「2202・第二章」
↓テレビ「ヤマト2」の該当場面。
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ドラマはそこに至る過程やお膳立てに終始する。
この部分が、ひたすら辻褄合わせの説明や言い訳の連続で、
ドラマの体(てい)をなしてないから、ちっとも盛り上がらず、
テンションもエモーションもゼロ。
一見、同じ場面でも、
「2202」のタメや思い入れのない、アッサリ味には驚かされる。
ガトランティスの侵攻と、
テレザード星に向かうヤマトの新航海が、
表向きリンクしていないので、
劇中の長官のセリフじゃないけど、
「なんでそんなピントのズレた行動に出るの、ヤマトの諸君?」
としか受け取れない。
いくらお約束のヤマトミュージックで粉飾しても、
それを各話でしつこくくり返すから、
ますますごまかしが見え透いてしまい、
失望が募(つの)るばかり。
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映画『さらば』(1978)
テレビ「ヤマト2」(1978〜1979)との相違点や変更点は、
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●ガミラスとの共生
●コスモクリーナーではなく、コスモリバース
という「2199」での改変に起因するしかなく、
コスモリバースの副作用で、
閉じた空間内では、時間が10倍のスピードで経過。
この空間内で新型戦艦を建造して、
通常空間で建造できる艦数の10倍を揃えた。
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古代はこの空間断層の内部に1時間だけとどまり、
その間に10時間ぶん、歳を取った。
ってことは、コスモリバースは環境浄化装置ではなく、
時間を逆行させて、
破壊される前の地球の状態に戻す(リバース)装置、
つまり一種のタイムマシーンだったことになる。
色々と策を巡らせて強引にこじつけるが、
どうにもムリクリ過ぎて、ひっかかってすんなり飲み込めず、
したがって本筋がさっぱりストレートに伝わらず、
最初から最後まで、感情移入に至らない。
もっとも誰がやっても、
「2199」を引き継ぐ限りは、
うまくいくはずなんかない。
なぜなら「2202」は、
「2199」という家屋の改築や増築にあたるが、
設計図も基礎工事もグダグダだった、
安普請(やすぶしん/なぜか字面が安倍晋三に似ている)で建築基準も満たしていない、
違法建築レベルのオンボロ家屋を取り壊さずに、
部分的なリフォームでごまかしても、
まともな家に生まれ変わるわけなんかない。
「2202」が、
前作「2199」から引き継いだポンコツさの例を挙げれば、
どうしても変えねばならないところは、
なぜか卑屈にオリジナルを踏襲するくせに、
↓海底に眠る戦艦大和の状態が判明してるのに、
↓今でもこのビジュアルはないでしょう。
↓これも同罪。
映画『さらば』では、
付近の宙域で〈ゆうなぎ〉艦長の土方(ひじかた)を救出し、
テレビ「2」では、
斉藤始率いる空間騎兵隊を収容したのが、
太陽系第11番惑星だった。
1978年当時は、
9番目の惑星、冥王星までしか確認されてなかったが、
「ヤマト」の時代になれば、
あと二つぐらいは発見されるだろうと見込まれていた。
しかし現在では、
冥王星が準惑星に格下げされたのに、
いまだに、
第十一番惑星で押し通そうとするのが解(げ)せない。
変える必要のないところ、
変えてはいけないところを、
無思慮、無神経にいじってしまうこと。
↑「2199」24話のクルーの水着姿。いるか?こんなの。
他にもっと、描かなくちゃいけないことが山ほどあったのに、根こそぎスルー。
↓「2199」最大の愚の骨頂。パフェを食すの図。
↓「2202・第2章」の森雪。自分だけ幻影を見ないことで疎外感にさいなまれるって、なんじゃそりゃ?
ちっとも真に迫ってこないよ。
「2199」終盤でのヤマト波動砲の封印が、
続編展開で最大のネックになり、
それは前任監督の、作品の私物化工作の一つでもあったろうが、
あっさりその工作を覆す、
新型戦艦の艦隊はともかく、
科学者の立場から、
古代と同等か、それ以上の葛藤を抱え、
もったいぶってしかるべき真田が、
いともあっさりと、
封印の解除を口にすると、「はぁ?」と呆れる。
こうして、いったんは灯(とも)りかけた、
「2202」のかすかな希望も潰(つい)えると、
極太マジックでふちどったみたいな、
まつげ周りの過剰でケバイ化粧に、
いかにも媚売りの、
デカ過ぎる瞳の弱々しいキャラが癇(かん)に障(さわ)って、
「こんなわざとらしいキャラに、まんまとハマってくれる人なんて、どれだけいるの?」
と、
「2199」の時と同じ反感が息を吹き返し始める。
パソコンやスマホの画面じゃ伝わらないだろうが、
劇場の大画面だと、クセがすごくて、見るに堪えず、
無気味さが先立ち、
とても素直にカワイイとは思えぬ、
「2199」と「2202」の女性キャラの皆さん。
第三章は、もう見なくてもいいかな。