Deutsche Grammophon (2016-11-11)
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Arrival(2016)
2017/5/27 TOHOシネマズ日本橋 スクリーン6 B列11番
この映画の評価や感想は、
内容を「わかる」かどうかで、
大きく変わってくる。
「わかる」にはいくつかのレベルがあって、
①まったく理解できず、したがって支持、共感につながらない。
②理屈では理解できるが、心情的に受け入れられない。
③理屈ではなく、実感として「わかる」と、しっかり受け止められる。
——に大別されるが、
この差は、もっぱら受け取る側の個人差により、
③理屈でわかる理解力とは別に、人生経験がないと納得できない領域がある。
と分析できよう。
でもって、『メッセージ』は、
母国語以外を習得すると視野が広がり、
単一言語だけでは処理できないこともできるようになる。
——という観点に、
日本語以外に英語もわかる自分の立場から「なるほど」。
たとえばバンダイのSWプラモは、
徹頭徹尾、日本語でしか考えてないから、
いらぬところで慎重を期していても、
大原則でつまずいているもの揃いだが、
Xウイングもスノースピーダーも、レギュラーキットとセット売りの時点で、
ノンスケール表示だったビークルモデルが、
実は1/144だったことを明かしているが、
1/72キットの半分サイズ(全長67ミリ)なんだろうな、どうせ。
私の指摘は、重箱の隅つつきや言いがかりとしか受け取られないのも、
こちらは英語でも考察してるからなんだと、
『メッセージ』を見て、今さらながらに気づいた次第。
そしてもう一つの要素。
以下、白抜き部分はプチネタバレ。
過去、現在、未来はつながっているので独立事象ではなく、
自分がどこに意識を置くかという概念である。
という考え方は、
『ドクター・ストレンジ』なんかでもチラリと出て来たが、
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前からこの概念に接していないと、
映画でいきなり提示されても理解できずに、
面食らうかも知れない。
この概念を前から知ってても、
『メッセージ』の最後のネタばらしには、
「なるほど、その手があったか! それは思いつかなかった」
と、うならされたくらいだから。
あまりにも漠然としていて、
読んでてイライラする人もいるだろうから、
ちょこっと具体的なヒントを出すと、
本ブログの
の記事内では、
絵から抜け出たような例
として、
↓この比較画像を載せたが、
記事公開の時点では、リンクが効かなかった。
なぜならリンク先の記事は、
翌日公開の未来記事だったから。
つまり、5/28付けの記事作成は、
5/27公開の記事よりも先に出来上がっており、
あらかじめ先のことがわかっているからこそ、張れるリンクだった。
転じて、『メッセージ』のストーリーのキモは、
以下ネタバレの白抜き文字。
未来に起きることを知っていないと取れない行動が窮地を救う。
——というところ。
もちろん私だって、
映画に盛り込まれた全ての要素を完全に理解しているわけじゃないし、
前半が少し退屈で、まどろんでしまったのを打ち明けておく。
そこから逆説的に、
二カ国語以上の言語を習得していなくても、
時間と意識の概念を知らなくても、
『メッセージ』の話の内容は、それなりに理解できるはず。
『メッセージ』の理解の度合いの差は、
個人差だけでなく、
同一人でも時間差がある。
もちろん、若者が何年も人生経験を積んで、
しかる後に再見した『メッセージ』から、
以前は得られなかった教訓を見出すと言うこともあろうが、
私の場合はもっと即効性で、
鑑賞が5/27。
わずか5日後の6/1には、
効き目があった!
というのも、長年にわたり膠着状態の事態への解決の糸口、
答のヒントが、映画『メッセージ』の中にあったのに気がついたから。
まさに「なるほど、その手があったか」という気分である。
『メッセージ』の原題は、Arrival(到着/帰結)。
まさに観るべくして観た映画、
きわめて示唆に富む(highly inspiring)、価値ある映画であった。