最終ネタバレ感想(4)『フォースの覚醒』MX4D | アディクトリポート

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ダラダラ先延ばしもどうかと思うので、
『SWフォースの覚醒』のネタバレ感想は、今回で最終回です。

1月25日、スターケースさんのご厚意で、
『フォースの覚醒』の3回目を、MX4Dで鑑賞。
場所はこれまた初入場の
しんじゅく
TOHOシネマズ新宿。

まずは初体験の、
MX4Dについて。

子供ではないので、
こういう仕掛けで、喜ぶことはありません。

3D(立体視)効果と音響だけなら、より大画面、大音量の、
IMAXに軍配が上がります

でもって、映画そのものは、
3回目になる今回が、
一番面白く見たかも知れない。

というのも、どうしてこういう出来になったのかが、
よくよくわかったから。

ディズニー新体制の会議で最初に決まったのは、
プリクエルの二の舞は避けること。

そこでルーカスの提案も、
「だからダメなんだ」としか捉えられず、
早々と却下された。

プリクエルの問題は、
とり
スター“ウォーズ”(宇宙戦記)なのに、
戦時中が描かれなかったこと。

『エピソード1』は、(今の日本のニセ総理とニセ政府と同様に)戦争への道を整える話。
『エピソード2』は、ラストでようやく、クローン戦争の開戦期が描かれた。
『2』公開の時点で、
「もしかしたら『エピソード3』でも、戦時中が冒頭字幕で済まされたりして」
と予想した人がいたが、
実際にそのとおりで、描かれたのは終戦期だった。

でもって、『7』『8』『9』で戦時中を描くとなると、
〈特別篇〉の『ジェダイ』のラストは破棄。

↓辺境で最終兵器が破壊されたぐらいでは、
じじう
↓首都惑星の陥落にはつながりません。

saigo

同時に、平和が訪れ、共和国が再建されるという、
EU(スピンオフ・外伝)も整合性がとれなくなるので、
「なかったこと」にするしかなくなった。

かくして、「あれから30年後」なのに、
帝国軍はファースト・オーダー
(あえて和訳すれば、最初の注文=「とりあえずビール」←ウソウソ)
と名を変えて健在。
レイアは政治家ではなく将軍、
ハン・ソロは密輸稼業に逆戻り。

ジェダイの騎士として独り立ちしたはずのルークは、
騎士団の再建をしくじり、
失意で雲隠れ。

——という、「最初の3部作での、主人公たちの奮闘は意味があったのか」
という虚無感をあえて覚悟で、
卑屈なまでに、みんなが大好きだった旧三部作、
せっと
『スター・ウォーズ』(新たなる希望)『帝国』『ジェダイ』のコピペに、
せっせといそしんだ。

問題は完成品からコピペしたため、
創作の過程を無視してしまい、
やり方と順序を完全に間違っていること。

「ダース・ベイダーがルークの父」というのは、
ルーカスが『帝国』の時に思いついたので、
はじめからそうではなかった

だから父子の対立と和解のドラマは、
あくまでも副次的、派生的なもので、
メインの戦記が確立していた。

ところが『フォースの覚醒』は、
父子の対立と決裂だけを描くことに腐心し、
戦記の方はまるで添え物。
だからその中身はグダグダで、
マジメに考えるほど、わけがわからない。

『フォースの覚醒』のSFセンスの無さは、なにかというと、紐(ひも ロープ、ケーブル、ワイヤー)で事態を解決しようとするところにも表れている。
タイ・ファイターの盗難防止に、自転車じゃあるまいし、チェーンロックはないだろう。
トラクター(牽引)ビームはどこへいった?
itukara
BB-8がファルコンで体を固定するのも紐、
怪物ラスター(Rathtar)の触手も紐みたいな使い方と、いかにも安易な手法をくり返す。


かくして、
プリクエルが、
見た目はSWっぽくなかったが、
中身はしっかりSWだった

のに対し、
『フォースの覚醒』は、
見た目こそSWだが、
実は中身はSWではなかった

という、ファンの二次創作、映画版同人誌
に堕してしまった。

それでも80点をあげたのは、
そもそもJJエイブラムスはプランナー(企画屋)であって、
クリエイターではなく、
アメリカの観客の9割以上を、
「こういうSWを待っていた」と満足させたんだから、
目論見(企画)は当たったじゃないかという意味。

JJに素養のない、
●ルーカスに匹敵する創造性とか、
●果敢に新しいものに挑戦する冒険心など、
はなから期待していないから。

ブラスターの熱線を防げず、被弾箇所からぬらぬらと出血を誘ってしまう、役立たずのストームトルーパーの装甲服。しかもヘルメットはガスさえ防げないんなら、なんのためにかぶってる?
ってさ
ジャクー脱出たちまち、ファルコンは大型船に回収され、レイとフィンはファースト・オーダーの戦艦と勘違い。乗り込んで来るストームトルーパーに毒ガスで対抗しようとするが…。乗り込んで来たのがハン・ソロとチューバッカとわかった時点で、毒ガス計画はどこへやら。
マズ・カナタの城に向かう途中で、行方知れずのファルコンが宇宙に出ると、居場所を知らせる仕組みになってたと説明されるが、まさかそこまで説明が後回しにされるとは思ってないので、みんな、たまたま偶然、ハンはファルコンに出くわしたと思ってますよ。

『フォースの覚醒』で最大の愚策は、スターキラーベース。
①生物居住可能惑星なんて、一つの星系で数えるほどのはず。くまなく全惑星を壊滅させるメリットは?
②しかもこれを実行すると、恒星(太陽)まで枯渇する。全星系を滅ぼす意味がわからない。
③スターキラーベースと、マズ・カナタのいた星は、同じ星系ってこと?ならばどうして滅ぼされなかったの?探しているドロイドがいたから?惑星じゃなく衛星だから?
④どうやらビームは光速を超え、ハイパースペース経由で、離れたイリーニウム星系のレジスタンスの星まで届くらしいが、どのみち元いた星系を枯渇させたベースは、宇宙を旅するしかないんだから、二度手間じゃないの?
もはや
⑤ダニエル・クレイグ演じるトルーパーに幻惑術を使って逃げたはいいが、それからレイは基地内で何をやってたの? シャフトの壁の引き出し?に潜り込む、行動原理がわからない。
⑥壊滅ビームの威力をあおぎみる、マズ・カナタの居住星の便利な位置関係もそうだが、地割れでカイロ・レンとレイが引き離されたとき、よくも都合良く、レイの方の地面に、フィンが倒れていたもんだ。


支持する声にも頷けるのは、
●じゃあ、これを否定したところで、代わるものが出て来っこないし、
プリクエルへの失望と、「これで見納めなんて…」と、シリーズ終了にがっかりした気分を、
「またかよ」とくり返す形になってはいないから。
●自分たちの世代に、リアルタイムで体験できるSWとして若い世代が受け入れるのに、水を差すこともなかろう。
——という観点から。


※以下は『フォースの覚醒』本編を見てもわからないネタバレを含みます。
『エピソード8』『9』を、白紙の状態で観たい方は、
これ以降は本記事の最後まで、読み進めない方がいいと思います。





さて、
HJ2016年2月号に書かれた最大のネタバレだが、

月刊ホビージャパン2016年2月号

ホビージャパン (2015-12-25)

「レイはハンとレイアの娘」
(ってことは、カイロ・レンの妹)
というのは、最初から決まっていたことだから、
変更なく、『エピソード8』で明かされるのだろう。

↓この二人、たしかに父娘に思われる。
mimi
↑だって耳の形(輪郭や耳たぶよりも、溝の形)が同じだ!


レイが「ルークの娘」と思わせるしかけは、
あくまでも「誘導」や「ひっかけ」だしね。
レイはルークと同型で、共通のマーキングの反乱軍ヘルメットを所有し、
metto
10歳の時に、反乱軍パイロットの人形を自作した。

作り手と観客は、BB-8の重要性を知ってるが、レイは初対面の時点で、そんなことはまったく知らないはず。なぜ砂漠のゴミ拾いが持っていこうとするのを、あんなにムキになって止めたのかがわからない。結局ここは、レイとBB-8が出会うだけのシーンなので、役目を終えたゴミ拾いは、ものわかりよくあっさり引き下がる。
でやねん
レイがドロイド語を理解するのは、通訳ドロイドのC-3POを、ここに配せなかったから…だよね。何たるご都合主義!


では、それを踏まえた上で、
『エピソード8』『9』の中身を予想すると、


『エピソード8』ネタバレ予想


レイはルークに、銀河の危機を訴え、
持ってきたライトセーバーで、ルークに戦線復帰を促す。

sre

しかしルークは、
もう自分の時代ではないといい、
かわりにレイにフォースの修行を授けると申し出る。

一方、カイロ・レンはスノークの手ほどきを受け、
剣の使い手として熟練の域に達していた。
カイロ・レンは、自分の顔に大きな傷を負わせ、
マスク装着を義務づけ?させた、レイへの復讐心に燃える。

ファルコンを返し、
BB-8とルークの元にとどまって、
フォースの修行を続けるレイは、
レジスタンス基地に帰還した、
仲間のフィンやチューバッカたちが苦しめられている姿が頭に浮かび、
修行に集中できない。

やむなく、ルークがこの星にたどりつく時に使ったXウイングで、
仲間の救出に旅立つ。
R2-D2は返してしまったので、
残ったBB-8が、ドロイドソケットに納まる。
bb8


ルーク「レイ、まだ修行の途中だ。今行っても、カイロ・レンには勝てない」
レイ「だけど、仲間を見殺しになんてできません」
すると突然、死んだはずのハン・ソロが、青い光をまとって現れる。

レイは、
ハン・ソロがカイロ・レンに殺された様子は遠くから眺めていただけなので、
二人の会話の中身までは聞き取れなかったこともあり、
どうしてここに、ソロが霊体となって出て来るのかがわからず、
omoi
自分を目にかけてくれて、ファルコンの乗組員に招いてくれた、
どこか父親のような存在が、
死後も霊魂となって気にかけてくれているんだくらいに考えている。

ハン・ソロ「それこそ敵の思うツボ。チューイーたちも君が殺されるよりは、喜んで自分の死を受け入れるはず。行ってはダメだ」と忠告する。

しかしレイは、ルークとハンの制止も聞かず、
太古のジェダイ寺院総本山を後にする。

ルーク「レイ、憎しみに負けるな、暗黒面に引きこまれるぞ」
ハン・ソロ「カイロ・レンと戦うときはお前一人だ。誰も手を貸すことはできない」

レイはカイロ・レンとの対決におよぶ。

カイロ・レンは強力になり、
レイは刃が立たない。

降伏を促すカイロ・レンは、
「お前をジャクーに置き去りにした家族のことを、何も覚えてはいないだろう。
お前の父はハン・ソロ、
母はレイア・オーガナ議員。
そして私はお前の兄だ」

衝撃と失意のレイは、
その場を退散。
フィンやチューバッカに、反対に救われる。

『エピソード9』ネタバレ予想

レイは、再びルークの元へ身を寄せていた。
ジェダイの師は、かなり衰えているのが見て取れる。
「マスタールーク、カイロ・レンは、私の兄ですか?」
「もう疲れた。少し休む」
「ルーク、どうしても知る必要が…」
「そうとも、お前の兄さ」
しかしルークは、詳細を明かすことなく事切れる。
「私が死ねば、お前が最後のジェダイになる。学んだことを伝えていくのだ」

途方に暮れるレイ。
「この先、私一人でどうしろと…」
「ひとりではないぞ、レイ」
そこには霊体になったハン・ソロがいて、
一部始終を教えてくれた。

再興されたジェダイ騎士団は、弟子の一人が裏切って起こした〈レン騎士団の乱〉により全滅。
juju
フォースの強い血筋のレイが狙われるのは明らかなので、幼い彼女は、辺境の地ジャクーに置き去りにされた。「迎えに来るから」と言う口約束を信じて。


レイはスノークの元へ引き出され、
暗黒面への転向を促される。

頑として首を縦に振らないレイに業を煮やしたスノークは、
邪悪なフォースの電撃をレイに放ち、
服従を迫るが、レイは苦しみもだえるばかり。

「兄さん、助けて!」

レイの絶叫を聞いたカイロ・レンは、
妹とスノークを交互に見やり、
とうとうスノークをかつぎあげて、
奈落の底へと突き落とした。


これ以降のレイとカイロ・レンのやり取りは、
『ジェダイ』のルークと父アナキンのやり取りのくりかえし。


……。

どうですか、「まさかそこまで同じに…」
と感じる一方で、
けっこう当たってるような気がしませんか?

もしもこうだったら、きっとみんな、「パロディかよっ!」って怒りますよね。

ですが、『フォースの覚醒』って、まさにこういう作品だった気がしてならないんですよ。