ゾーンとアイリーア／フェイズ２の真相〈２〉

これ（フェイズ２が抱える事情）の続き。

ジェームズ・カウリー制作のファン作品「フェイズⅡ」（第２期）は、

“NEW VOYAGES”（新たなる航海）としてスタートしていて、
途中からタイトルが変更された。

なぜ最初から「フェイズ２」にしなかったのかといえば、
このタイトルは元来は公式な企画の一つだったので、
その題名を堂々と拝借するのは、いささか「おこがましかった」から。

元祖「フェイズ２」は、
「宇宙大作戦／ＴＯＳ」（1966-69）

続編企画の３つめで、
一つ目は「ザ・ゴッド・シング／神の業（わざ）」“The God Thing”（1975-77）

小説は1992/8/1に刊行された。

The GOD - THING: STAR TREK

posted with amazlet at 14.04.13

Roddenberry
Pocket Books/Star Trek

Amazon.co.jpで詳細を見る

二つ目は「プラネット・オブ・タイタンズ／巨人たちの惑星」“Planet of Titans”（1976-77）

以前にラルフ・マクォーリーが、「フェイズ２」用に描いたと紹介したエンタープライズは、「タイタンズ」用だったと、最近知った。
と、どちらも映画企画だったが、
３つめの「フェイズ２」は、ＴＯＳを引き継ぐテレビシリーズの企画だった。

Star Trek: Phase II: The Making of the Lost Series (Star Trek (trade/hardcover))

posted with amazlet at 14.04.25

Judith Reeves-Stevens Garfield Reeves-Stevens
Star Trek
売り上げランキング: 552,561

Amazon.co.jpで詳細を見る

「ゴッド・シング」が脚本のみ、
「タイタンズ」がデザイン段階までだったのと比べると、
「フェイズ２」はキャスティングまで進んでいて、
レナード・ニモイが出演を渋ったため、
スポックに変わるバルカン人のゾーン（Xon）役に、
デビッド・ガトロー（David Gautreaux）が決定。

バルカン人の名前って、
「スポック」「サレック」「スラック／スーラク」「サービック」「サイボック」
と、ｓで始まり、ｋで終わるんじゃないのか？
「ゾーン」は流星人間だよ。

流星人間ゾーン DVD-BOX

posted with amazlet at 14.04.13

タキ・コーポレーション (2001-07-27)
売り上げランキング: 159,077

Amazon.co.jpで詳細を見る

眉毛とまつげ以外に体毛が一切ない、
デルタ人のアイリーア役に、
インド出身のパーシス・カンバッタが決まっていた。

↑デルタ人の頭髪のない坊主頭にアクセントとすべく、装飾も考慮されていた／赤いユニフォームの女性は、カンバッタではない。

結局、紆余曲折の末に、
「フェイズ２」の初回スペシャルの内容が、
映画「スター・トレック」（1979）に昇格し、

スター・トレックⅠ／リマスター版スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

posted with amazlet at 14.04.13

パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン (2012-02-10)
売り上げランキング: 27,530

Amazon.co.jpで詳細を見る

アイリーアというキャラは生き延びて、映画本編に登場。

スポックの再登場で、当然ゾーンの出番はなくなったが、演ずるはずだったデビッド・ガトローは、通信中継基地エプシロン９のブランチ主任（Commander Branch）として出演した。

次回は、フェイズ２版エンプラについて。