「長谷川町子物語」/優良番組選定委員会(13) | アディクトリポート

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いいものに、説明なんかいらない。

11/29(金)よる9時から11時20分頃まで放送された
長谷川町子物語
~サザエさんが生まれた日~


$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-sare

見逃された方は、正味2時間の本編をご覧になってから、
以下の私の「ごたく」に、おつきあいくださいますように。

成功の要因は3つ。

1.脚本が傑出している

↓「半沢直樹」の成功で、ドラマ復権かと言われながら、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-にど
同じTBSでも↑「安堂ロイド」(7話の視聴率が11.2%。7話までの平均は13.4%)

今世紀のプライム枠(午後7~11時)最低記録の3.0%を「やってもうた」の、
↓「夫のカノジョ」

$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-なっし
↑フジでは沢村一樹、財前直見という、弱すぎる二人のW主演で、本当に誰かに見てもらうつもりがあるのかさえ疑わしい、「家族の裏事情」の、当然過ぎる3.8%(関東地区で第5話の視聴率)と、

相変わらず「全然わかっていない」ドラマが続いている。

●タレントを決めて、
●そのタレントが活きる話を後付けで考える
----という泥縄式の順序では、
まともなドラマが成立するはずがなく、
○まずはしっかりしたホン(脚本)があって、
○それにふさわしい俳優を、「あてがえば」いいんであって、
極論すれば、誰が演じるかは、さほど重要じゃない。

今回の「長谷川町子物語」は、ホンが素晴らしかった。

あれもこれもと詰め込みすぎず、
かといって、絶対に盛り込むべき要素が、抜け落ちたりしていない。
この過不足ないサジ加減の絶妙さに、
脚本担当の大島里美の腕の確かさこそと、感心しきり。


長谷川町子の半生記ドラマなら、
NHKの朝の連ドラ「マー姉ちゃん」が有名で、


これはたしかに名作だったが、
今回はしっかり「マー姉ちゃん」を越えている。

「マー」を全話見通したわけではないので、
憶測まじりだが、
「長谷川町子物語」の冒頭にあった、
長谷川家の根底にキリスト教があったことは、かなり重要である。

$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-こんてい

端的に言えば、ミッション、つまり自分がこの世に生まれてきた理由と、社会的使命にめざめるということ。

天の導き、神様の思し召しというのもあって、たとえば一家が暮らした桜新町。

なんだかんだいっても、世田谷で、品がいい。

次に特筆すべきは、作者が自分の作品に救われる様子が描かれていること。

手術を終えた病院で、町子は、たまたま居合わせた子供から、
自分の漫画を、「これ、おもしろいよ」と勧められる。

最後は、自分の作りあげたキャラクターと、心を通い合わせる瞬間が描かれていること。

これこそ、創作の神髄。

感涙、号泣でした。

2.キャスティングの妙

しらじらしいほど美人過ぎず、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-dsds
かといって、見る気が失せるほどのブスでもなく、
ドラマの内容だけでなく、「サザエさん」の世界観からも逸脱しない。

「この人が演ずるなら、みたい」より、
「こいつが演じるんなら、見たくない」がまさったら
、オシマイである。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-soko

3.時代考証がしっかりしている

$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-こうしょう

たまたま今日(11/30)と明日(12/1)の2夜連続のテレ朝ドラマ
オリンピックの身代金
ほどの規模や徹底ぶりではないにせよ、
戦前、戦中、戦後と、長谷川町子の生きた時代(1920年1月30日 - 1992年5月27日)が違和感なく描き分けられている。

特に「オリンピックの身代金」が、韓国ロケやCGまで多用して1964年の再現につとめながら、話の都合とはいえ、当時の団地のダイニングに、こじゃれた洗面台があったり、速水もこみちの耳のピアス穴が目立ったりと、思わぬところでシラケてしまうような、「んなわけねえだろ!」が見あたらなかった。

「長谷川町子物語」は、アニメ「サザエさん」放送45周年記念の
サザエさんウィークの第2弾で、
第1弾は、「サザエさんの秘密 徹底解明SP」(11/26)
第3弾は、今夜(12/1)放送の、「サザエさん アニメ&ドラマで2時間半SP」だが、

第1弾にはさほど感心しなかったので、(まだ第3弾を見ていないので断定はできないが)きっと第2弾だけは白眉であろう。

この前の「ハクション大魔王」の例もあり、
いくら落ち目のフジだって、看板タイトルではさすがに失敗しない。