サルでもわかる『宇宙戦艦ヤマト2199』の正体 | アディクトリポート

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毎週、「宇宙戦艦ヤマト2199」の感想を書いてるが、
異論、反論も当然いただく。

そのたびに同じ事を何度も書くのもどうかと思い、
今週は放送がないことを契機に、
この場を、参照すべき私の見解の置き場所としたい。

「ヤマト」に限らず、アニメに限らず、リメイクでロクなものがない。

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ビッグタイトルにあやかろうと、不純な動機でスタートするから、吟味・検討が不十分なまま取り組んでしまい、その結果、作品の本質が見失われ、当然ながら失敗する。

「ヤマト」のリメイクで失敗しないためには、
当然おさえておかなければならないポイントが、いくつか(いくつも)ある。

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オリジナル「ヤマト」のリメイクアニメ企画(まだタイトルは「2199」とは知らなかった)が始動と聞いて、
なにせキムタク実写ヤマトの直後だったので、
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「まさか同じ過ちはくり返さないだろうな」
とは感じ、
「アニメ版リメイクが成功するための捨て石に、
あのポンコツ実写版がなるなら、それもいいか」
と考え直した。

実を言うとアニメ「2199」の第1話は、
まだほとんど誰も目にしていない時点で、
海外のファン2人と一緒に、制作会社のご厚意で、みせていただいた。

その2人は、とても気に入っていて、大興奮だった。

しかし私は、まったく感心しなかった。
その後の展開も、食い気味で(先取りして)追いかけ続ける気が失せた。

全国で10館限定公開も、最初の1回、つまり1話と2話の同時上映だけは2回足を運んだが、やっぱり感心しなかった。
2話は、1話よりさらに感心できず、2回目の鑑賞では、気がつくと寝ていた。

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「ヤマト」のドラマを展開するなら、絶対に欠かせないはずの要素が平気で端折(はしょ)られてしうまう一方で、「こんなの、いるか?」という新キャラや新プロットが、どんどん出て来た。

その後、1年近くブランクが空いたテレビ放映で、3話以降を毎週見ることになったが、
当初の印象は変わらず、好転もしない代わりに、急速に悪化することもなかった。

いわば最初の見込み、「あまり感心しない」と言う評価が、依然として覆(くつがえ)らないだけだった。

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とにかくあいも変わらず、本筋語りは放棄され、本来のヤマトのドラマは伝わらず、
主人公の感情の推移や絆の深まりは、連綿と描かれることはついぞなく、

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時折思い出したように、散発的に差し挟まれるだけ。

かわりに、これまでの「ヤマト」とは無縁の、唐突な要素が、これでもかとブチこまれている。

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どうやら話を、「何かしら意図している方向」に持って行きたがってるようだが、
その進め方はかなり強引で即物的、にわかづくりで底が浅く、
ウソくさくて、まったく説得力がない。

本筋語り(メインプロット)を放棄してまで、
脇筋(サブプロット)や裏設定(バックストーリー)に腐心したがる動機がわからないまま、先週までそれを見届けるべく律儀に毎週オンエアとコツコツつきあい続けて、ようやくたどりついたのが、
「宇宙戦艦ヤマト外伝・ドメル物語」だった。
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-hutokoro

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総監督の構想では、オリジナルの「ヤマト」で、ガミラス総力戦のはずのドメル艦隊の規模がしょぼすぎたのを「2199」で説明する、というのがあったことが判明した。

19話「彼らは来た」では、ドメルは限定規模の戦力で、ヤマトにあたらなければならなくなっている。

この状況を生じさせるため、
18話「昏(くら)き光を越えて」では、
バラン星に集結した1万隻規模のガミラス大艦隊は、
突如出現したヤマトに空間通路を破壊され、その場に立ち往生にされた。

18話の冒頭では、この空間通路の偵察のため、ヤマト側にガミラス機が必要になるため、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-taisatu
※その前段となるエピソードが、
第10話「大宇宙の墓場」で、
この話でヤマト側の捕虜になったメルダ・ディッツの乗機が、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ryo
そのまま収艦されていた。

(下記コメント参照)

メルダと言えば、ガミラスの有力者の娘で、当初は体制の理屈を盲信していた(第11話「いつか見た世界」)が、捕虜体験を通して「地球人、意外といいやつじゃん」と考え直し(第12話「その果てにあるもの」)、最新19話ではレジスタンスの闘士に転向している。
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-merida

という筋を成り立たせるため、
12話の古代は異様に物わかりが良く、根拠なくメルダに好意的。
11話では地球側との対立の端緒として、
「先に手を出したのは、地球の方」という筋立てが用意された。

総監督としては、
「侵略される側だと思い込んでいた方が、実は侵略者だった」
という、「ノンマルトの使者」
の再現のつもりなんだろうけど、
ここで描かれる条件や状況はまったく異なるし、
(大国は大戦に参戦する大義名分のために、わざと敵国に先に手出しさせるもの)
そもそもメルダの意識の推移のためだけに用意されたイベントなので、
それを回収する段階で、いろいろとボロが出て来た。

状況設定(艦からの脱出)の不自然さとか、
島の反発、心理的抵抗がわざとらしいとか、
徳川の説得が、人生経験の豊富なものとは思えぬ詭弁だとか、
(誰の目にも等しく映る「事実」から、自分なりの「真実」を見出していくのが人生なのに、徳川は正反対のことを言った)

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ということをブログで各話ごとに指摘したら、
「いや、そこは」
「だけどそれは」
のご意見が時おり出て来て、
ただでさえ少ないコメントが減ってもどうかと、
一応相手の意見を尊重でもしようものなら、もうタイヘン。

自説の正しさが証明されたと勘違いして、
執拗にその部分だけにこだわり続けたコメントを何度も何度も重ねてくる、「深刻な症状の方」が、これまでに3名ほどおられました。

私が「ここがヘンだろ」と指摘してるのは、ただそこだけを取り沙汰してるんではなく、この強引な逆引き辞書的なプロット構築の弊害として、随所に噴出してる不具合を見逃さないわけ。

だから19話を見て、「だろ、やっぱり!」という思いを強くしたから、各話の感想で指摘した「ほころび」も、やはり自分の見通しどおりだったと思いこそすれ、前言を撤回する気は全くない。

それは「本人だけが悦に入ってて、ハタから見るとそれほど出来が良くないモノを無理やり押しつけられる」という意味でと、きちんと断った上で例えた、「ジャイアンのリサイタル」についても全く同様で、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-りさ
実際のジャイアンのリサイタルと比べた大同小異の「小異」によって、「例えは不適切」になど、なるわけがない。

これ以上続けると、ますますコメントが減るので、中途半端ですが、今回はこのへんで~♪

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