『王になった男』2012

本日（２／16）より公開。

2012年中に、試写で鑑賞。

実在した朝鮮15代目の王・光海の秘密に迫る、史実とフィクションを織り交ぜた重厚な宮廷歴史大作。
韓国では昨年９月13日より公開され、韓国映画史上歴代３位のヒットを記録した。

最近はすっかり韓流ブームも鳴りを潜め、
日本で公開される韓国映画もめっきり減ったが、
だからこそ、それでもあえて公開される作品は、
なるほど、確かにそれだけの価値と意義がある、
見応えじゅうぶんの力作揃い。

『神弓 KAMIYUMI』も、そうだった。

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『神弓 KAMIYUMI』と、本作『王になった男』の両作に通じるのは、「国家や為政者は信用できない」という、国民や庶民レベルの厳しい視線と観点で、だからこそ作品が、いぶし銀の鈍い輝きを放っている。

韓流ブーム末期の頃、とにかく手当たり次第に映画を観まくってたので、その中にイ・ビョンホン出演作も何本かあったけど（『誰にでも秘密がある』・2004や、『HERO』・2007）、正直、あんまり感心しなかった。

そしたらそのうち、『G.I.ジョー』（2009）とかに出だして、完全に方向性を見失ってる感じがした。

だけど、今回、本作『王になった男』を観て、
初めてイ・ビョンホンを、達者で良い役者なんだと実感した。

ではあるんだが、それなら韓流ブームからの彼のファンが、
この映画を観て、満足、感心するかというと、
あまりそうとも思えない。

なぜなら、韓流ドラマの成功は、今風のハリウッド大作映画に通じる、王道の作品づくりをあえてはずして、

それこそ一昔前によくあった、中途半端で不完全燃焼な舞台劇やテレビドラマを、意図的に狙って再現したところにこそあるからだ。

ここらへんは、文学作品の、古い成功作のパターンにもあてはまるので、また機会を改めて述べることにしたい。

とにかく、映画としては一級品。
まともな映画ファンには、自信を持ってオススメします！

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