昨2012年12月30日の読売新聞の朝刊一面に、
このニュースが躍った。
(以下、こちらより転載)
新OSのスマホ、ドコモが来年にも発売へ
携帯電話最大手のNTTドコモは、韓国サムスン電子などと共同開発している基本ソフト(OS)を載せたスマートフォン(高機能携帯電話)を、2013年にも発売する方向で検討に入った。
スマートフォン向けOS市場では現在、米グーグルと米アップルが合わせて約9割のシェア(占有率)を持っており、ドコモは、両社に対抗する勢力づくりを目指す。
ドコモなどが共同開発しているOSの名称は「タイゼン」。ドコモは、サムスン電子が13年に発売する見通しの端末を、日本で発売することを検討している。タイゼン端末が、ほぼ同じ時期に他国で発売される可能性もある。
グーグルのOS「アンドロイド」のスマートフォンや、アップルのIPhone(アイフォーン)=OSは「iOS」=は、それぞれの仕様に合わせた応用ソフト(アプリ)が使いやすくなっている半面、ドコモの通信販売事業のように携帯電話会社が独自サービスを提供したり、独自に安全性を高めたりするのが難しい。
これに対し、タイゼンは基本技術が公開されていることに加え、携帯電話会社による独自サービスの提供を前提に開発が進められているのが特徴だ。
(2012年12月30日11時49分 読売新聞)
昨2012年9月にiPhone 5が発売されて以来、ドコモから顧客のソフトバンク、auへの流出が止まらず、ところがこの報道があった直後に、なぜかドコモの株価は上昇した。
株をたしなむ誰しもが、事態打開のために、いよいよドコモもiPhone 5を発売すると見込んだためだ。
もちろん、その線が完全に消えたわけじゃない。
Appleは、猛追するAndroidスマホを迎え撃つために、毎年9月に1回だった新製品発売を、年2回のペースに改めるそうで、iPhone 5Sは今年の6月に出るらしいし、廉価版iPhone(4Sがベース)も計画されているそうだ。
前に触れたように、Appleのドコモでの通信試験の記録もある。
と言うよりも、今回のドコモ新OSスマホのニュース、ネットではことごとく後追いだったから、読売新聞の完全スクープだったわけだが、
ドコモとしては、iPhoneを発売するかどうかを明確にする前に、この情報が漏れてしまったのは、まずかったんじゃないか?
2013年の年頭所感でも、(当たり前と言えば当たり前だが)特にこれに触れてはいない。
■株式会社NTTドコモ代表取締役社長加藤薫
昨年はLTEが携帯各社で出揃うとともに、スマートフォンが本格普及期を迎えた。 新たな成長に向け「ドコモクラウド」への取組みを本格化させ、ネットワークに付加価値を与えるインテリジェントサービスも開始した。ストレージサービスにおいても、新たな取り組みを開始している。
今年は、ネットワークの信頼性向上と基盤の高度化に、重点的に取り組む。そして「競争力強化」と「成長戦略の更なる加速」を図る。端末、ネットワーク、サービスの、トータルでの「競争力強化」に向け、スピード感の向上、選択と集中を図る。自前主義にとらわれない。「成長戦略の更なる加速」では、「金融・決済」「コマース」「メディア・コンテンツ」などを柱として、今後の核となるサービスを成長させる。例えば「健康」をキーワードに、ドコモヘルスケアのサービスを開始、「生活サービス」を提供していく。
実際、先の読売の報道には、失望や呆れの意見しか聞こえてこず、年明け初日、1月4日金曜日の株式市場(大発会・だいはっかい)で、NTTドコモ株が大暴落という事態さえ生じかねない。
iPhoneの登場で、もはや通信事業者でなく端末事業者が優位という状況に一転したわけで、今後も覆ったりするはずがないのに、今さら新OSで時計の針を元に戻そうとしてるような愚行にしか受け取れない、というのが、それこそドコモ幹部以外の、誰しもの本音ではないだろうか。
iPhoneを手にしてみれば即座にわかるが、電話機能なんてもはやオマケ、パソコンにかわるネット端末であり、しかもルータを介さず自分でつながる万能選手だから、いったん手にしたら手放せず、性能の劣るAndroid端末にさえ浮気する気にもなりようがない「究極の発明品」。
自社の思惑にかなう新OSってだけで、これに太刀打ちできるなんて考えるのが、見込みが甘すぎるとしか思えないんだが?
というわけで、ドコモユーザーは一斉にauとソフトバンクに流出かと思われた矢先の昨年12月31日と今年の1月2日と、ほぼ2日続きで、auのLTEに通信障害が発生。
完璧な通信業者など、望むべくもないということか。
なんにせよ、
明日が楽しみですね。