ベン・ハー(5枚組超完全版)/サントラ探訪(7) | アディクトリポート

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このシリーズの7回目。

サントラCDで、「何回出すねん?」の決定版は、
なんといっても『ベン・ハー』(1959)で、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-hur
なにせ50年以上前の作品だけに、こちらの詳細なリストでもわかるように、これまでにレコード・CD含め、膨大な点数がリリースされている。

作家集団Addictoe オフィシャルブログ-あっち
Ben Hur
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Ben Hur (Ost)
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作家集団Addictoe オフィシャルブログ-こっち
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Ben Hur
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ホント言うと、サントラCDの2枚組、3枚組は、再発を除けばしっかり押さえていたつもりだったので、(※んでもって、それはあながちハズレちゃいないと今でも思ってるが
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-fiyta
↑たとえば、ほとんどの方がご存じない(であろう)、「コンプリート・オリジナル・フィルム・スコア(全曲集)」と銘打たれた、この3枚組CD(Aldebaran 0506095/59.1-3)も持ってました。
プロモ(企画提案)盤とのことで、実は販売許可のない無版権商品だった。1995年6月発売。


今回、このリストを発見して、我が身の「井の中の蛙」状態に、ちょっとゲンナリ。

にしても、カバーじゃなくてサントラが、こんなに何バージョンもあるのは、なぜか?

その謎に答え、もう買い直す必要の無い究極の5枚組最終版が、今年の2月に、2000セット限定で発売された。(3月に追加の2000セットが増産)

作家集団Addictoe オフィシャルブログ-じゃけ

Ben-Hur
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その名も
コンプリート・サウンドトラック・コレクション!
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-なか

ここには現存する「ベン・ハー」劇伴音楽の音源全てが、整音処理を経て収録されている。

作家集団Addictoe オフィシャルブログ-うら

ディスク1と2が純然たるサウンドトラック
で、映画本編に使用、もしくは準備された、作曲者のミクロス・ローザ(Miklós Rózsa 「ミクローシュ・ロージャ」が、より発音に忠実表記らしい)本人が指揮し、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ろーざ
MGMシンフォニー・オーケストラとコーラス(M-G-M Symphony Orchestra and Chorus)演奏・合唱による楽曲集。

ところが、これがなかなかCD化されなかった。
70年代に日本で発売されてたサントラLPは、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-yatteyo
↑原盤はアメリカで1960年発売のMGM Records 1SE1 。別途ボックスセット(レコード自体は同じもの)MGM Records 1E1 も発売された。
それ向けに演奏された、なんちゃってサントラで、「映画と違う!」のが、激しく不満だった。

映画用の純然たるサウンドトラック音源が、高音質で保存されてるのを知ったのは、90年代のワイドスクリーンLD(レーザーディスク)で、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ld
映画本編開始前の「序曲(Overture)」とか、一部と二部の間の「間奏(Entr'Acte)」を初めて聴いた時。

実際、当時の製作スタジオ、MGMの音源管理は徹底した厳密ぶりで、
2000年に発売された、「ライオンズ・ロア(獅子の咆哮)クラシックMGMフィルム・スコアズ 1935-1965」という2枚組のMGM映画音楽集には、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-らいの

The Lion's Roar: Classic M-G-M Film Scores, 1935 - 1965: Motion Picture Soundtrack Anthology
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全37曲中、たった1曲の『ベン・ハー』(2分10秒)が収録されながら、これが既発表のどのバージョンとも異なっていたことが、サントラマニアの間で話題になった。

とにかく今回の5枚組のディスク1と2には、この「獅子の遠吠え」バージョンまで含め、

↑「獅子の咆哮」(Lion's Roar)とは、これのこと。
MGMのサウンドライブラリーが全て収録されている。

そして残りの3枚、
ディスク3は、
「サヴィーナ・アルバム」(The Savina Album)


ローマ交響楽団(Symphony Orchestra of Rome)演奏、ローマン・バジリカス合唱団(Singers of the Roman Basilicas)
カルロ・サヴィーナ指揮
で、元来は上掲のサントラLP用に演奏されたものを、これまで未収録だった音源までくまなく網羅。

ディスク4と5は、
「クロス・アルバム」のパート1(The First Kloss Album)
とパート2(The Second Kloss Album)


フランケンランド州立交響楽団(Frankenland State Symphony Orchestra)演奏、
イーリッヒ・クロス(Erich Kloss)指揮。

クロスが指揮した、ディスク4から5までの音楽は、1枚目のサントラ盤に飽き足らず、ヨーロッパで追加製作・発売された別のサントラLP用に演奏、録音されたもの。
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-くっきり
↑More Music from Ben Hur オリジナル盤は1960年に英国で発売のMGM Records MGM-C-857
クロス指揮のアルバムは、もう1種類あるはずですが、今回特定できず。


今回のCDセットで、ディスク3から5までに収録されたサントラLPに、ホンモノのMGM音源がことごとく使われず、ヨーロッパの指揮者と楽団(フランケンランド州はハンガリー)が割りあてられたのは、映画本編がアメリカ国外、つまりローマのチネチッタスタジオで撮影されたことに伴う、公開当時の付帯条件(=ヨーロッパも、映画からの利益配分に預かれるようにするため)だった。

で、5枚全部聴き終えての感想は、
ディスクの1と2こそホンモノのサントラで、音質もベスト。
ディスクの3から5までは、あくまでも資料的完璧性のためのオマケといったところ。
乱立したタイトルを整理統合する意義と価値は認めるけれど、といった感じ。

ハア、やっと書き終わったよ。

「ベン・ハー」の音楽については、聴く(=買い直す)のも書くのも、これにて打ち止めじゃ!