以前から相当間が空いてしまいましたが、
一応、これの続きです。
もはや『プロメテウス』本編について、あれこれ述べるまでもないので、今回の画像は断りのない限り全て『エイリアン』(1979)より。
中断が長びいた理由は、
前回、
「前日談(譚)である『プロメテウス』(2012)が、『エイリアン』(1979)とつながらない」
と指摘したら、
「違う星での話だから、つながらなくて当たり前」
というコメントを、お二方(エロビデオさんとアトムさん)からいただいたことと、
全く別のところで、
「30年以上前の、誰もストーリーの細部まで覚えちゃいない映画の前日譚なんかにしなかったのは、結局正解だったんじゃ」
という意見を読み知ったから。
いや、そういうご意見に異を唱えるわけではなくて。
↓この画像を見つけた時、「あれ? こんな場面あったかな?」と思ったが、
↓この映像からのコラだったのね。
本ブログへのコメントは、「エイリアン」「プレデター」関連作とのガジェットつながりを綴ってくださった あさんまで含め、ありがたく受け止めてますし、
(※コメントは承認制ですから、掲載の時点で感謝の気持ちです)
まあ出来上がってしまったものは、今さら変えられっこないんで、
その線で良しとするしかない(そのまま受け入れるしかない)っていえば、たしかにそのとおりですけどね。
それと、「みんなお行儀の良い観客だなあ」とも思います。
だけど作り手の立場(この場合は脚本家=主筆のジョン・スパイツと補佐のデイモン・リンデロフ)が、そこまで観客の寛容をあてにしてしまうのは、間違ってると思うべな。
だってリドリー・スコット監督は、
『プロメテウス』の製作動機を、
「『エイリアン』を説明(裏打ち)する映画を作りたかった」
と語っていて、
それは十中八九うまく運んでいたのに、最後の一割にしくじったからといって、
「別の話ですから」と開き直ってしまい、
「あの『エイリアン』の前日談」
という売り方は御法度になって、
「『エイリアン』や『ブレード・ランナー』のリドリー・スコット監督が、30年ぶりに手がけたSF映画」
と、まるで『エイリアン』と無関係な売り方に転じてしまったのには、けっこう唖然としてますよ。
だったら逆にうかがいますが(誰に?)、
別の星、別の宇宙船、別の舞台、状況設定なら、
なんでこんなにソックリにする必要があるの?
共通性や関連性が皆無なら、まったく別のビジュアルにすべきじゃないの?
↑(左)『エイリアン2』(1986)の、ウェイランド・ユタニ(湯谷)社のロゴ
(右)『プロメテウス』(2012)の、ウェイランド社のロゴ。
やらなきゃならないことを担当スタッフが満足にこなせなかったからと、
「だったら、できなかった(失敗の)結果の方に、辻褄を合わせましょう」
って、本末転倒もはなはだしいじゃん。
これと似たような例に、
『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002)のジャンゴ・フェットのヘルメットの凹み(右)がある。
『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980)のボバ・フェット(左)と、凹みの位置が異なるが、
これはドラマをまじめに考えたら、ありえない。
なぜなら2人のヘルメットは同一のもので、
父ジャンゴ(クローン原型)の遺品を息子ボバ(クローン)が受け継ぎ、
色を塗り直しただけだから。
もし凹みの位置が違うとすれば、
*息子ボバは父のヘルメットの凹みを修理
*その後で、別の位置にまた凹みができた
ことになり、およそあり得ない。
もうね、ホント、自分の受け持ちの仕事を、満足に納品しろよって感じですよ。
こんなの、他の業種だったらありえないでしょ?
東京タワーの設計を任されて、
「すみません。そのつもりでがんばったんですが、東京スカイツリーになっちゃいました」
とかなったら、
「あ、そうなの? じゃあ、そういうことにしとこうか」
なんて、なるわけないじゃん!
発注に沿わない仕事をおさめたら、建築家として失格でしょ?
↓『プロメテウス』の大型車輌は、密閉(クローズド)型で問題ないが、
↑下はボツ企画『スター・ダンシング』用のラルフ・マクォーリーのデザイン。
リドリー・スコットの発注が、
『エイリアン』を説明する映画
だったのに、説明できなかったんだから、
脚本家失格だと思いますがね。
↓トーションバーで囲われた開放(オープン)型のビークルは、
↑『ネメシス/S.T.X』(2002)のアーゴ・バギーみたいに、製作費節約のためにこのデザインなのがバレバレ。地球型大気の星以外では宇宙服着用が必須となり、汎用性に欠ける。
ほんと、監督としちゃあ、橋から身投げでもして、死にたくなりますよ。
あ、それは弟の方か。
お後がよろしいようで~。
パチパチパチ(エイリアンの拍手)