（以下転載）
Ｃ・ロバートソン氏死去
2011.9.11 13:35
クリフ・ロバートソン氏＝２００２年４月２９日撮影、米ロサンゼルス（ロイター）
クリフ・ロバートソン氏（米俳優）ＡＰ通信によると10日、米ニューヨークで死去、88歳。秘書は自然死としている。
23年カリフォルニア州生まれ。50年代から舞台や映画などに出演した。68年に映画「まごころを君に」で知的障害のある主人公を演じ、アカデミー主演男優賞。映画「スパイダーマン」シリーズにも出演した。（共同）
アカデミー賞は、障害者を演じると獲りやすい傾向は否めず、
1968年の『愛すれど心さびしく』で、
ソンドラ・ロックのデビュー作としての方が有名？
たいていの人が70年代の「日曜洋画劇場」での放映が鮮烈。
日本ではビデオ化されない名作。
聴覚障害者を演じたアラン・アーキンは、
２度目のアカデミー賞主演男優賞にノミネート、しかしくしくも『まごころを君に』のクリフ・ロバートソンが獲得したため、アーキンは受賞を逃がし、2006年の快作『リトル・ミス・サンシャイン』で、
ようやく助演男優賞を獲得。
1988年には『レインマン』で、驚異的な記憶力のサヴァン症候群／自閉症の男性を演じたダスティン・ホフマンが、
翌1989年公開の『マイ・レフトフット』では生まれつき脳性麻痺で左足しか動かすことのできない主人公を、ダニエル・デイ＝ルイスが演じて、
それぞれアカデミー主演男優賞を受賞した。
近年では2006年、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督のデタラメ映画『バベル』で、聾唖の女子高生を演じた菊地凛子が、アカデミー助演女優賞にノミネートされている（受賞せず）。
『バベル』だけは映画として異質で、障害者が監督の身勝手な筋立ての生け贄にされている侮辱作。
聾唖者にきわめて失礼な内容に、私も鑑賞たちまち怒り心頭。
こんなもの、よく平気で劇場で公開するよな。
ふざけんな！ メキシコ人に偏見持つぞ！
はっ、話がそれた。
他にも障害者の演技でアカデミー賞ノミネート／受賞の例があると思いますが、今すぐ思い浮かばないので、話をクリフ・ロバートソンに戻します。
『愛すれど心さびしく』は、
ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』の映画化なので、原題の方が浸透した近年、ビデオソフトもそのタイトルになったりしたが、
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原題は「チャーリー（Charly）」なんだし、やはり日曜洋画劇場でこの映画に親しんだ世代としては、違和感バリバリ。
『ミッドウェイ』（1976）にも出てたらしいが、
あまり印象に残っていない。
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次は『ブレインストーム』（1983）
予告編でも顔を見せていて、大きな役で印象に残る。
この映画、プロットも視覚効果も、当時としてはエポックですよ。
ダグラス・トランブルの真骨頂！
ジェームズ・ホーナーの音楽も、ワンパターンながら本作が一番良いよ。
こういう作品こそ、ブルーレイで出すべきですが……日本未発売。
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最近では、『スパイダーマン』三部作のベンおじさんで、
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１作目（2002）でドラマ上は死んだのに、
２作目（2004）も、
３作目（2007）も、
わざわざ新しく撮影した回想シーン、もしくはピーター・パーカーに語りかける心の声として登場して、
年長者ならではのモラルの指標を示す大切な役で、ドラマを引き締めた。
88歳で自然死、良い人生でした。
安らかに。