いやあ、非難囂々(ごうごう)、評判悪いですねぇ。
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それはひとえに、リリースのたびに姑息な変更が加えられ、どれもことごとく「改善」でなく、「改悪」もしくは「作品の質向上に、まるで貢献しない」からである。
では現時点で判明している変更点を、改悪を中心に見ていこう。
今回は、
『エピソード1 ファントム・メナス』(1999)
↑上が2001年発売のDVD。下が2011年ブルーレイ。
一部で「ジャバの画像が変更」という噂が流れたが、上下左右の画像情報が若干増えている以外は、画面全体の赤かぶりを除去して、個々の事物の細かな色調がわかりやすく「改善」されている。
だけどなあ……。
初登場時の『ジェダイ』(1983)のジャバって3本指なのに、
↑『ジェダイの復讐(当時邦題)』劇中のジャバは3本指。
↓右下腕には、入れ墨がある。
↓1988年のパナソニックのCM用に新造された、1/2サイズのジャバも、当然オリジナルに忠実な3本指。
↓『新たなる希望〈特別篇〉』(1997)の、つたないCG版から、4本指になってしまい、
↓『エピソード1』でも引き継がれて、4本指。
↓2004年のDVDで、〈特別篇〉のジャバは「黒い」改善版に置き換えられるも、
↑基本的に『エピ1』データの使い回しなので、当然4本指。
↓その延長で、CGアニメ『クローン・ウォーズ』のジャバも4本指。
アホか!
色調云々より、正しい形に戻すのが先決課題だろ!
CGジャバの戦犯は、ダグ・チャン。
『エピソード1』の時に、2年前の〈特別篇〉のCGジャバが不本意なできだったことを踏まえて、
↑(上)劇場公開時のブサイクで滑稽な1997年版CGジャバ。
(下)2004年のDVD用に修正された、同じシーンの差し替えジャバ。
「僕たちは『ジェダイ』のジャバを徹底的に調べ尽くして、忠実なCG像を完成させた」とほざいた時に、
「これのどこが?」とひたすら呆れた、『エピソード1』公開の1999年を思い出す。
ついでながら、『クローン・ウォーズ』の監督、デイヴ・フィローニも、
時に「ルーカス以上にSWを理解している男」と評されるが、あくまでもルーカスの敷いたレールに乗っかることに決めた男というだけのことに思われる。
ブルーレイに話を戻すと、『エピ1』の最悪造形だったヨーダのパペットが、『エピソード2 クローンの攻撃』(2002)以降のCG版に置き換えられているが、
これは2005年の『エピソード3 シスの復讐』のDVDメイキングに、すでに紹介されていたので、
とりたてて目新しさはない。
できの悪い造形物をCG像に置き換えること自体は改善だが、そもそも1999年の『エピソード1』劇場公開の時点で、
↑こんな不気味でブサイクなヨーダを、平気で撮影していた神経を疑う。
透明感のあるシリコン素材の台頭で、
↓ラテックスだったオリジナルヨーダに比して、
↓皮膚の質感だけはリアルでも、基本造形はお粗末で、
↓名匠スチュアート・フリボーンの足下にも及ばない。
『エピ1』ヨーダの原型師は、ニック・ダドマン。
『帝国の逆襲』のオリジナルヨーダの製作にもたずさわったと言うが……。
つくづく実力のない人で、
↓ジェダイ評議会の一員、ヨーダと同種族のヤドルは、
そもそも『エピ1』用のヨーダのつもりで造形したがうまくいかず、それならと女性版に小改造して席を埋めたという。
はぁ……(タメイキ)。
後のDVDやブルーレイで、的外れな変更を姑息に加える前に、映画撮影の時点で、まともな(=SWに精通している)スタッフと組むのが、何よりも最優先だと思うんだが、
どうやら偉大なるルーカス皇帝は、そうはお考えになられていないようで。
今回のブルーレイ騒動でもう一つビックリなのは、ファンの『エピ2』『エピ3』への徹底的な無関心ぶりである。
この2作にだって、ブルーレイでの変更点があるだろうに、
まったくそれに言及しようとする人が出てこずじまい。
ブルーレイを見ても、変更箇所が判別できないのか。
そもそもどこが変わろうが、興味も関心もないのか。
そんなこんなで、次回は『エピソード4』の予定です。