前回までをおさらいすると、MSV(モビルスーツバリエーション)は、「ダグラム」「ボトムズ」とほぼ同時進行だった。
で、人気のガンプラもさすがにネタ切れなため、新たなガンプラ元ネタとして、『機動戦士Zガンダム』(1985年3月2日-1986年2月22日)が企画され、大河原邦男もかなり早い時期(1983年後半)から参加していた。
そして最初の『ガンダム』では、ジオン軍のザク、連邦軍のガンダムと明確な線引きができたのと異なり、『Z』ではそういう区別がつかないまま、とりあえず敵MS案が描かれた。
敵MS案1
敵MS案2
敵MS案3
敵MS案4
敵MS案5
敵MS案6
敵MS案7
敵MS案8
敵MS案9
敵MS案10
このうち、ガンダムシリーズでリサイクルされたのは、
案4~6の一連が、『機動戦士ガンダムF91』(1991年3月16日劇場公開)のクロスボーンバンガードのMS、デナン・ゾン、デナン・ゲーあたりぐらいで、
↑デナン・ゾン(右)
↓デナン・ゲー(右)
案3は、『機甲戦記ドラグナー』(1987年2月7日-1988年1月30日)の、ギガノス統一帝国軍所属のメタルアーマー、YFMA-08Aゲルフあたりに引き継がれ、
案7は、『銀河漂流バイファム』(1983年10月21日-1984年9月8日)の地上戦専用のRV、FAM-RV-L7ディルファムに、
案8は、やはり『~バイファム』の主役、宇宙戦闘専用に開発された地球連邦軍の新型RV、FAM-RV-S1バイファムに、
案10は、『蒼き流星SPTレイズナー』(1985年10月3日-1986年6月26日)の無人機、TS-SG-50C スカルガンナーや、
『ドラグナー』の、ギガノス統一帝国軍の量産機、AMA-03Bゲバイに転用された。
というわけで、大河原邦男は、『機動戦士ガンダム』『機動戦士Zガンダム』の2作品のためのデザインの使い回しや小変更で、『ダグラム』『ボトムズ』『バイファム』『レイズナー』『ドラグナー』と、本来は別の作品のはずの5作品までまかなった。
『ガンダム』以降のサンライズ(当時は日本サンライズ)のリアルロボットアニメで、大河原邦男がモビルスーツの延長で切り抜けなかったのは、『機甲界ガリアン』(1984年10月5日-1985年3月29日)の主役ロボ(他のデザインは出渕裕)ぐらいではないだろうか。
つづく。
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