
「エピソード3 シスの復讐」(2005)のプロモーションに、(デジタル)アニメーションディレクターのロブ・コールマンが来日した時、

↑2009年1月23日の講演中のコールマン。貫禄がつきましたな。
実物と見分けがつかない「3」のR2-D2のCG画像を見せてくれて、

↑「3」劇中のR2-D2。スーパー・バトルドロイドとさえ、互角に渡り合う。
誇らしげに、「ホンモノを立体スキャンしたからデータは寸分違わず、ホンモノに見えて当たり前」と得意満面だった。
それでこちらが、「3Dスキャナは、ジェントル・ジャイアント(・スタジオ)社(GG)のやつですか?」と訊くと、それまでの笑顔が凍りつき、「……あそこも、良いスキャナを持ってるよね」とお茶を濁した。
当時(そして今でも)、ILMには、1メートル以上の大きさの物体を立体スキャンできる装置はなく、必要な時はGGから借りるか、


↑GG社は2002年にはすでに、手持ち3Dレーザースキャナの、ファストスキャンまで所有していた。
それを借りてAT-ATやファルコンのプロップを立体読み取り作業中の、ILMのドン・ビーズ。
反対に1メートル以下の別物で代用するしかない。
だから「エピソード2」(2002)のスレーブ1(Slave I)のCGモデルって、

「帝国の逆襲」の撮影用モデルを

スキャンしたんじゃなくて、
市販のMPCのプラモデルを素組したものを


スキャンしたデータが元になっている。
なので、「エピソード2」劇中そのままのスレーブ1をプラモデルにするんなら、スケールはともかく、形やディテールは、MPCのプラモのままにするべきだという悲しい事実。

↑というわけで、ファインモールドのスレーブ1(ジャンゴ・フェット版)は、供給データに忠実ならば、MPCキットのブローアップ(拡大)版でしかありえないのです。
そしてまた同じ悲劇が、ブロッケード・ランナーでもくり返されたというわけです。
世の中では、「スレーブ1やブロッケード・ランナーのCGデータが、映画撮影用の実物プロップからでなく、模型や玩具からなのは、撮影モデルが展覧会で出払っていたため」という、まことしやかなデマが流れているが、手元にあったところで、どのみち巨大な模型は、ILMではスキャンしきれなかったんですよ。
最後にブロッケード・ランナー(防衛線を果敢に突破する船、の意)の船名Tantive IVを、
タンティブ4(タンティヴ4)
ではなく、
タンティヴィー4
としてるのは、
tentative(テンタティヴ/仮の、あやふやな)という単語はあるが、Tantiveというのは造語なのと、ラジオドラマでは、タンティヴではなくタンティヴィーと呼んでるから。
というわけで、まともな立体製品に恵まれない悲運の船、ブロッケード・ランナーでしたが、超絶SWモデラー四天王の一人、ROKUGENさんのブログで、フルスクラッチで製作が進行中なので、皆様もぜひご覧ください。
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