「ザ・ウルトラマン」の客演ウルトラマン。
前回はウルトラ軍団(本ブログでは「市民」と仮称)を紹介したので、今回はそれ以外を、「ザ・ウルトラマン」の各編登場順に。
「ジャッカル編」(75)
まずは何をおいてもメロス。
↑初登場時(左)はマント姿だが、わずか2ページ後(右)からは、ずっと独自のヨロイ(アーマー)とカブト(ヘルメット)姿。
↑素顔のメロスは「ザ・」全編を通じても、数えるほどのコマ数しか登場しない。
ちなみに、4年も後に登場したエルフについては単体分析しながら、
なぜメロスを分析しないかというと、
*登場が「ザ・」からで比較的新しいことと、
*まだ内山まもるのウルトラ漫画に、メロスがたびたび登場するので、現時点でまとめると中途半端になってしまうため。
「ファイタス編」(78)
同様のことは、メロスの弟、ファイタスについてもいえる。
ファイタスの素顔は、近年まで描かれず、実現したのはようやく
2009年6月3日発行の本書、
「ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス ジャッカル軍団大逆襲!!」
(てれびくんデラックス愛蔵版)でのこと。
なのでファイタス本人を後回しにして、「ファイタス編」で(漫画)初登場のウルトラマンは、厳密にはウルトラマンではなく、ウルトラウーマン。
ウルトラの母の側近の女性たち。
耳横のおさげ髪(ツインテール)風の飾りは銀十字勲章といって、戦傷者の手当に尽くした母の功績に対して与えられたもの。
と言うわけで、母より短めの勲章をつけた彼女たちは、母と同じ銀十字軍(従軍看護部隊)の隊員と思われる。
唇の厚み程度の差違があっても、模様も体型も母と同じで、
これは「細身の女性こそ美しい」という、内山美学にもとづくもの。
そのため、ここでも言及したが、ウルトラの母のプロポーションは、実写版の、なんとなく肝っ玉母さん的なふっくら体型とは、相当に異なる。
さて、ウルトラウーマンについて言及したので、ここからはそのからみで、本家ウルトラシリーズの女性ウルトラマンについて。
内山まんがの影響が顕著な最初の例は、「ザ☆ウルトラマン」(1979)のアミア。
↑左の絵を見ながら描いたくらいそっくりな、アミアの設定画(右)
翌年の「ウルトラマン80」に登場する女戦士ユリアンには、内山漫画の影響はみじんも見受けられない。
ユリアンの設定については、ここが詳しい。
というのもユリアンは、仏像、中でも特に、広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしいぞう)をもとにデザインされているから。
そもそもウルトラマンの造形には当初から仏像テイストが盛り込まれてて、それがタイのチャイヨープロが、「ウルトラマンのルーツはタイにある」と主張する根拠に利用されてるけど、それについてはまた今度。
次が「アンドロメロス」(1983)のアンドロフロル。
先行した1981年からの雑誌連載時にデザインは決定していて、
キャラクター原案は、マンガ家の居村真二と円谷プロの山口修。
したがって、このフロルにも、特に内山漫画の影響は感じられない。
次が「ウルトラマンUSA」(米放送1987・日本公開1989)のウルトラウーマンベスだが、
アニメ本編は、いかにも流行りの歪み系で、
内山漫画との関わりは全くない。
と、今回はここまで。
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