2010年05月04日 00時00分00秒 addictoの投稿

飛べ!ウルトラ戦士(4・エルフ後編)/内山まもるのウルトラマン(31)

テーマ:ウルトラマン
この「内山まもるのウルトラマン」も今回で31回目だが、個々のウルトラマンについては、レオとアストラと、キングまでで一区切りとしていて、テレビ第2シリーズ終了後の「ザ・ウルトラマン」からの内山オリジナルのウルトラマンについては、まだ個々の分析を加えていない。

どうしてかというと、メロスとその弟のファイタスについては、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-uuuu
↑現時点でコンビニコミックの最新刊、
「ザ・ウルトラマン」の表紙には、メロスとファイタスが描かれている。
ところが本編は単行本第1巻との差別化のためか、「ジャッカル編」の後半には、従来の慣例だったファイタス編ではなく、
単行本初収録の、「A ウルトラ5兄弟 たい ヤプール人」が続いているから、
つまり表紙に描かれているファイタスは未登場という、「看板に偽りあり」仕様?なのだ。

このカラー原画はそもそも、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-特別増刊
↑この増刊号に載った、
↓折り込みカラー口絵
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-からー
「ザ・ウルトラマン」の「現役」当時、内山まもるが描いたメロスの唯一のカラー原稿だったため、やむなく?ファイタスを削除せずに、そのままコンビニコミックの表紙に使われた。

$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-rerere
↑仮面の下のファイタスの素顔は、たっぷり30年以上も後の、2009年6月3日発行の本書、
「ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス ジャッカル軍団大逆襲!!」
(てれびくんデラックス愛蔵版)で、ようやく登場。

まだこの先の登場があるため、まずは登場漫画の方を先に紹介しないとならないからだ。

しかし、今回取り上げるエルフだけは、事情が異なる。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-iiii
↑成人したエルフの初登場カットは、「小三」の「飛べ!」連載時ではなく、数ヶ月後の単行本「ザ・ウルトラマン」第4巻が初出。
キングバルタンの変装を解いたところ。


エルフは「飛べ!ウルトラ戦士」の前後編1一度限りしか出てこず、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-とびら
↑前々回のトビラ絵紹介では、黒つぶれして何が何だかわからなかったので(左)、
単行本「ウルトラマン大激戦」の再録時(右)で再び紹介。
資金的にゆとりがあればカラーでお見せできますが、現状ではなかなかキビシイのです。
*この時期のタロウの身体の模様(白線)は、セブンとの混同率がきわめて高いが、その件についてはいずれ別項を設けます。


6月号の前編では、エルフは回想シーンの子供時代のみの登場。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-えるふ
↑内山まもるが子供時代を描いたのは、父と母の実子であり、M78星雲ウルトラの国のウルトラ兄弟末弟のタロウのみ。
※記憶違いだったらスミマセン。
↓こちらは、「小二」1974年1月号の「タロウ」第10話での回想シーン。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-rabidoggu
↑この少年タロウは、内山版ウルトラの父、母の画柄やイメージと共に、
↓「ウルトラマン物語(ストーリー)」(1984)に反映された。

オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-kotarou



結局、物語の最後で死んでしまう。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-sinnde

もちろん、ウルトラマンという存在は、しょっちゅう死んでも、しょっちゅう生き返るものだから(おまけに内山自身も、個々の兄弟がどこで死に、どこで生き返ったかをしっかり把握はしていなかったから)、エルフもいずれは生き返る……のかもしれないが、2010年の現在までのところ、まだ復活だとか再登場の気配は皆無である。

エルフが復活せず、まるでその存在が抹消されているも同然なのは、なぜかというと、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-fffff
↑これが「実像」としてのエルフが登場する最終ページ。なんともあっさりしている。
エルフは内山まもるが創造主であることを「主張しすぎたウルトラマン」だったから、なのかもしれない。

まずはその名前。

エルフ(elf)とは、ドイツ語で11のことである。

だからエルフは、11番目のウルトラマンとして登場した。

たしかに父、母、キングといった、兄弟より年上の存在を除外して、内山漫画でのウルトラ戦士をカウントすれば、
1 ゾフィー
2 初代ウルトラマン
3 ウルトラセブン
4 ウルトラマン2世(呼びたくないけど、一応ジャック)
5 ウルトラマンエース
6 ウルトラマンタロウ
7 ウルトラマンレオ
8 アストラ
9 メロス
10 ファイタス
11 エルフ
となり、たしかに11番目となるが、その前提として、9番目のメロスと10番目のファイタスが、エルフの前に、たしかにその世界に存在していることが必然となる。

つまり、エルフが11番目のウルトラ兄弟(戦士)として成立するのは、「ザ・ウルトラマン」(内山まもるのウルトラ漫画)が、ウルトラマン正史であることの証ともいえる。

これって、作品の形を借りた、内山まもるの「本家宣言」ですよね?

もう少しわかりやすくいうと、

ウルトラシリーズにも変遷があり、「これがウルトラマンだ」という理想像も移り変わった。

礎(いしずえ)となり、大人の鑑賞にも堪えた第一期の「Q」(1966)「マン」(66)「セブン」(67)。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-au

小学館の学年誌に後押しされて復活しながら、後半から子供向けかつチープな作りに弱体化した第2期の「帰ってきた」(71)「エース」(72)「タロウ」(73)「レオ」(74)。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-gfgfgf

第2期の衰退ぶりをみかねて、ウルトラ世界を改造して引き継いだのが、内山まもるのウルトラ漫画、「ザ・ウルトラマン」(1975~76・78~79)
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-saswa

それまでのテレビ実写シリーズでは、人間ドラマが中心で、超人(ウルトラマン)は人間の理解を超えた存在として添え物扱い。
それを「ザ・ウルトラマン」では逆転させて、ウルトラマンが主役で、人間は添え物……というより、そもそも人間なんて、ほとんど出てこない。

だから「ザ・」では、ウルトラマンが人間の言葉を話して日常生活を営み、
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-だいひょう
↑「メロス編」本編最初のページに登場するのは、セブンにタロウ、子供時代のエルフ。
これだけ見ると、ウルトラ族はセブン系しかいないような錯覚を覚える。

時に笑い、時に涙を流して泣く。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-sorrow
という新たなスタンダードを築き、「この漫画版こそが、現在(いま)のウルトラマンのあるべき理想型なんですよ」という自負があるからこそ、「今後テレビシリーズがどう推移しようが、こちらはこちらで独立歩調で進めさせていただきます」という宣言にも似た行為が、エルフを11番目のウルトラマンに勝手に位置づけることだったんだと感じる。

もちろん謙虚な内山先生ご本人が、こう広言したことは一度もなく、またキャラクター=版権もので商売する限り、一次創作と二次創作の主従関係が逆転しないことぐらい充分にわきまえてらっしゃるから、こうしたことを声高に主張せず、さりげなくキャラクター名に盛り込んで、「わかる人にだけわかる」ようにしたのだと思う。

「わかる人」ったって、私だって30年たって、これを書き進めるうちに気がついたんだから、果たしてどれほどいたことか?
対象読者の小学生に、エルフがドイツ語の11なんて知ってる子供がいたとは思えず。
いや、仮に知ってたとしても、そこに込められた意図まで読み取れるはずもない。

さらに、内山先生のウルトラマン作家としての思い入れや気概(プライド)は、エルフの意匠(デザイン)にも盛り込まれている。

エルフはセブンやタロウと同じレッド族、あるいはセブン系に属するが、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-hitsu
額のビームランプが星(☆)形である。

しかし、光の国(M78星雲)のセブン系のビームランプは、常に円形。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-tarete
↑セブンは一重、タロウは二重だが、ビームランプの形は共に円形。

額のビームランプが星形なのは、U40(ユーフォーティー)出身の、アニメ版ウルトラマンだ。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-jo-niasu
↑ジョーニアスのデザインは、それまでのウルトラマンより、目の位置が低い。
だから立体スーツの中には、のぞき穴が上まぶたの方にあるものも。

↑「新世紀2003 ウルトラマン伝説 THE KING’S JUBILEE」


これはつまり、1979年、つまりテレビではアニメ「ザ☆ウルトラマン」が放映中で、きっとその件をさんざん尋ねられたこと(「あのー、テレビではアニメのウルトラマンを放映中ですよね。それと内山先生の漫画との関係は?」とか、「内山先生は、アニメのウルトラマンは描かないんですか?」)への、先生なりの解答なんだと思う。

そこに込められた意図は、
「ジョーニアスなんて、歴代ウルトラマンのスタイルを把握してたら、絶対出てきっこないデザインじゃん。だからボクは、意地でも描きませんよ」(=あんなの、ウルトラマンじゃねえよ!)
とか、「まあ、そうは言っても、本家の円谷プロが作ってるんだから、完全否定や無視ってわけにもいかないしなあ。だったらデザインの一部でも、同い年生まれ(1979年)のエルフに記念に盛り込んで、目印ぐらいにはしておこうか」ってことなんだと思う。

というわけで、エルフは実は、内山まもる版、隠れジョーニアス(アニメ「ザ☆」の主役ウルトラマン)だった、というわけです。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-frere

うんと厳密には、U40のセブン顔戦士、ロトの方がしっくり対応するけど、
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ろとと
さすがにそこまでは考えてなかったと思いますよ。
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ろとととと
(ロトの初登場は1979年8月15日放映分)


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コメント

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1 ■ふか、深いわ~

いつもながらの深い考察、ただただ感心するばかりです~

SW関連も期待してます!

2 ■Re:ふか、深いわ~

>MACKさん

ありがとうございます!
SWで深い話……ですが、問題はSW自体が深い作品でなく、そこが浅いことでしょうかね。
今年は「帝国」30周年なので、なるべく「帝国」ネタでお送りしますね。

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