ザ・ウルトラマンへの道(2)/内山まもるのウルトラマン(22) | アディクトリポート

アディクトリポート

真実をリポート Addictoe Report

今回の記事も、この本を多大に参考にさせていただきました。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ucchi
著者の宇宙囚人207、タケダ1967様に深く感謝いたします。

さて、「ウルトラマンレオ」までを分析し終えると、次の内山ウルトラは、「ザ・ウルトラマン」となるわけだが、
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ざうる2
このタイトルが、少々厄介だ。

1979年のアニメ『ザ☆ウルトラマン』は、
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-zauru
ナカグロ(・)が、内山マンガと区別するために☆になってはいるが、☆なんて文字は日本語として認められてないから、これは単なるデザイン処理にすぎず、『ザ・』だって『ザ☆』だって、「ざ、うるとらまん」と呼ぶことには変わりがない。

それで、単行本のてんとう虫コミックスでは、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-kannmtu
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-たいとる
と書かれている。
もちろんこれは間違いじゃないし、より正確を期するとややこしくて、とても枠外の一列では収まりきらないから仕方ないけど、とにかく初出は「コロコロ」じゃないし、タイトルも「ザ・ウルトラマン」じゃなかった。

初出は全て「小学三年生」で、連載開始は1975年の4月号。
つまり前回もふれた、「小学二年生」の「ウルトラマンレオ」の続きとして、1976年の3月号まで、1年間に渡って連載された。

タイトルは物語の進行につれて頻繁に変わり、
4~8月号の5回が、「さよならウルトラ兄弟」
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-hyousi
↑左が初出、右が3年後の再掲のトビラ。

9~12月号の4回が、「たたかえ!ウルトラ戦士」
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-jakkaru
↑「まんがと構成」として、内山まもるがクレジット。
前なら「構成・だれだれ え・内山まもる」か、あるいは「まんが・内山まもる」だったけど?

翌76年1月~3月号の3回が、「復活!ウルトラ兄弟」
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-hukkatu
↑最終号の最後の6ページでようやく復活する兄弟を、3ヶ月も前の号から「復活」と予告しちゃって、いいのだろうか?
だった。

で、このシリーズの特長は、人間ドラマは添え物で、あくまでもウルトラマンたちのドラマが主軸という、本家実写テレビシリーズとは完全に逆転構図で物語が終始すること。

これは1984年7月公開の映画「ウルトラマン物語(ストーリー)」で、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-monoga
本家実写版でも同様の手法がようやく披露されるまで、内山まもる独自の発案・手法といえた。

マンガでは、かたおか徹治の「ウルトラ兄弟物語」(『コロコロコミック』1979年1月号~1981年3月号)や、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-かたおか

居村眞二の「決戦!ウルトラ兄弟」(『てれびくん』連載。1979年に単行本化)に、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ものがたり
引き継がれていった。

とにかく「小三」の「さよならウルトラ兄弟」「たたかえ!ウルトラ戦士」「復活!ウルトラ兄弟」(ややこしい)は、
「日本でただ一つのウルトラまんが」と銘打たれていたが、そりゃそうだ。
誰もが前年の「レオ」で、ウルトラシリーズは、終わったと思ってたんだから!

だから「帰ってきたウルトラマン」から、ずっと律儀に内山ウルトラまんがを追いかけていた自分なんかは、こんなマンガがあったなんて、全然知らなかった(「小二」ならともかく、「小三」はノーマークだったぜ! 1975年には、もう中学2年生だったしね)だけに、うんと後で知った時には、けっこうショックだったりした。

なんとなく裏切られたような気分とでもいおうか、内山ウルトラには人一倍詳しいと思い込んでいた自分を恥じたというか。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-いのなか
↑「井の中の蛙」の図

だから3年後のコロコロコミック創刊まもない第5号(当時は月刊ではなく、隔月刊)に、この通称「ジャッカル編」が再掲されたことだって、ホントを言うと全然知らず(当時は高校2年生)に、とにかくゾフィーがゴルゴ13みたいな髪型の人間で出てくる、内山オリジナルのウルトラまんががあるのだけは何となく知っていて、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-329
↑右はウルトラの母の人間態。典型的な内山美女で、「タロウ」で母を演じたペギー葉山には全く似ていない。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-shuugou
↑このゾフィー人間態の原型は、「小二」版「レオ」の最終話にも登場してはいたが。
ちょっと驚いていたものの、どこをあたればそれに行き着くのかが、さっぱりわからなかった。

それだけに、てんとう虫コミックスから発売された時(昭和53・1978年11月25日発行)には、飛びつくように買いましたとも!
オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ざうる
そもそもはどこに連載されてたのかなんて、当時はどうでもよかった。

で、最近になってようやく知ったわけだが、
実際には、「小三」に1年連載された通称「ジャッカル編」は、
コロコロコミック1978年No.5(3月号に相当)に、「ザ・ウルトラマン」と改題されて3ヶ月分弱(もとの「小三」75年4月号~6月号の4ページ目まで)が再掲。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ぜとーん
初回掲載は、↑この、本来の6月号の開始4ページ目という中途半端なところで終わる。
(と、下のコメントでタケダ1967さんから教えていただきました!)
明らかに他の作品のページ合わせで、サブ的なあつかいだなあ……。
「コロコロ」編集部も、まさか3年前のマンガ、しかも落ち目のウルトラが、こんなにウケるとは予想だにしなかったらしい。
↓再掲の際に描き足されて差し替えられたコマ。
横長の方は、3年の経過を示す、ますますの筆のさえが認められるが、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-kakitasi
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-かえまん
↓縦長のコマは、思い切りヘタクソ!
絶対に内山まもるじゃなく、アシの誰かの仕業。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-たろう
↑タロウもひどいが、逆さに描かれた新マンもブサイク!
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-kira-
↑子供が見よう見まねで描いて、失敗したみたいなエースキラー。
下手くそな絵を見ると、私はホントにイライラしてしまうんですよ!


同No.6(78年5月号に相当)に、もとの「小三」6月号の5ページ目~8月号の3ヶ月分が、
同No.7(78年7月号に相当)に、もとの「小三」9~12月号の4ヶ月分が再掲された。
以上。

あれっ、あと3ヶ月分残ってる?
そーなんですよ、「コロコロ」本誌に「ジャッカル編」は途中までしか掲載されず、3号目の最後で、強引に終わらされているのです。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-らすと
↑左がオリジナル。右がコロコロ最終コマ。
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ごういん
↑あまりにも強引かつ唐突なまとめ方。

しかしこの連載終了は、不人気による打ち切りではなく、当初穴埋め程度のノリでリサイクル掲載した(なにせコロコロはその名の通り、辞書みたいに分厚いのが売りだったから、あちこちから掲載作品をかき集めていた)内山ウルトラまんがが、予想外の大好評だったため。

連載開始に間に合わなくて、「最初から全部まとめて読みたい」という読者の要望に応え、すでに物語は完結していることを生かして、ならばということで、かつての「小三」の連載一年分を、1978年7月のコロコロ特別増刊号で、
$オレたちがやる! 作家集団Addictoeデビュープロジェクト-ぞうかん
丸々1冊完全収録したから。

ということで、話がようやく「ザ・ウルトラマン」に到達したので、この後の「ザ・ウルトラマン」の行方はについては、またこの次に。

人気ブログランキングに参加中。気に入ったらポチしてね。
人気ブログランキングへ