ホントいうと、『リターナー』（2002）も好きでした。
「セリフで何もかも説明しすぎ」といわれた『ALWAYS 三丁目の夕日』（2005）も、
用意していることを全部消化するという意味では存分に「あり」だと思ったし、「昭和三十年代を美化しすぎ」という声も、そこを通ってきた人を観客として想定すると、否定するわけにはいかんだろ、と思ったし、「そんな時代じゃなかったよね」を表明するクリエーターの急先鋒、押井守の映画のクソつまらなさと比べたら、何億倍もましだと思った。
私の作品志向は、「より幅広い層に受け入れられもの」であって、旧作の引用や、マニアにしかわからない暗喩を込めることなどは、さっぱりやる気もない。
そういう基準で、たいへん気に入った。
続編『ALWAYS・続三丁目の夕日』（2007）で、またまた吉岡くんに日本アカデミー賞をあげたのは、さすがにどうかと思ったが。
１作目の時から、主演は彼ではなくて、堤真一だという気がしてた。
その山崎貴監督の最新作は、
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』を原案とした
『BALLAD 名もなき恋のうた』
この日は映画をハシゴして、これの前に『20世紀少年〈最終章〉』を観て、ずっと釈然としない思いでいたこともあり、こちらには居心地の悪い思いはまったく抱かないまま、最後まで集中して見通すことが出来た。
画面設計が行き届いており、わかりやすく、必要なカットを積み重ねることで、しっかりとドラマを語りきる。
そりゃあゼイタクをいえば、いくつか「こうしたら」もないわけではないが、それによって全体の評価が上がったり下がったりはしない。
テレ朝の映画では、「武士の一分」（2006）以来、久方ぶりにヒットするんでは。
あっちは松竹、こっちは東宝だけど。
新垣結衣は、『恋空』（2007）『フレフレ少女』（2008）と、
作品には全く恵まれなかったが、
今回は、ようやく本人もうなずける役だったのではないか。
「例の事件」があった草なぎクンが、異例の早期復帰となったのも、この大作の公開に間に合わせるためもあったと思われる。
『山のあなた～徳市の恋～』（2008）の中途半端さより、ずっといい。
ただし相変わらず、ネットで画像がパクリにくいけどね。
いいじゃんか、草なぎクンぐらい。
「しんちゃん」の父、筒井道隆の異様に低い声はそこだけ異空間で、どの映画に彼が出ても、彼の出演場面を全て同じにしてしまう「田村正和効果」を発揮する。
夏川結衣はおばさんチックで、どうして徳井が好きになったのかがよくわからない。
とはいえ、テレビ局製作の映画が、ことごとく「ふざけた」「観客をなめきった」スタンスのものばかりで、「ルーキーズ」とか「ごくせん」とかが新型インフルみたいに蔓延している中では、しけておらず、正しい方向性の映画にやっと再会できた気がした。
しかしなんで、フジの映画プロデューサーの筆頭が亀山千広で、テレビ朝日の映画の筆頭が亀山慶二（編成局長）と、「亀山」ばっかりなのか。
そんなにありきたりな名前じゃないのに。
メディア一族なの？
ところで『おくりびと』（2008）のセディックインターナショナル製作で、
監督を山崎貴で、東宝で来年の2010年に公開予定で『宇宙戦艦ヤマト・実写版』を製作中で、キムタクの古代進はもうブルー（グリーン）スクリーンでの撮影が終了、そこに沢尻エリカの撮影部分を足して行く予定で、だからこそこれまで東映配給だったアニメ「宇宙戦艦ヤマト」の〈復活篇〉が、東宝配給になったっていうのは、ホントなの？
もしそうなら、実写版は成功すると思う。
しかし年末公開のアニメ〈復活篇〉は、そのつゆ払いの役目しか果たさないとも思う。
キャラもメカもアレだしね。
どことなく波岡一喜を想起させる、悪者顔で無表情なヤマト艦長の古代進。
道重さゆみ（枠内）みたいな新女性キャラの折原真帆
のきなみ縦型の敵宇宙戦艦
----と、最後は話が思い切りそれましたが、
なんでバラッド（甘いポピュラーソング、伝承歌謡）なんていう、遠回しなタイトルにしたんでしょうか。
そりゃあ映画を観ればわかるにせよ。
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