26 | 空痴漢

空痴漢

次の痴漢の衝動が空を切るために。

自分がバカにされているのではないかという不安か、自分に関心を持ってもらいたい相手に関心を持ってもらえないという絶望感(というと少し大げさだが)か、とにかく、どんどん打ちひしがれた気持ちになっていった。


家に帰れば延々とアダルト動画を見て生活のリズムを崩していった。


「自分はダメだ」という気持ちがどんどん大きくなっていった。



そういうときに会社を休み始めることが多い。


誰ともつかない誰かに向かって、頭の中で「ごめんなさいごめんなさいゴメンナサイ…」とバカの一つ覚えのように延々と繰り返しながら、布団のなかで小さく縮こまっている。