27 | 空痴漢

空痴漢

次の痴漢の衝動が空を切るために。

そうして、ある日から出社できなくなった。


過去に何度か同じようなことがあったため、そのまま家に停滞して長期間休んでしまうことにならないよう、何度か頑張って会社に身体を運んだが、その間、頭の中は性的な妄想ではちきれんばかりだった。


街を歩く女性を見るたびに妄想で頭がおかしくなりそうだった。


頑張って会社に行き、会社から帰る最中の電車内で、その妄想は痴漢行為として実現された。


文字通り、我を失い、見さかいがなかった。


頭の中で火事が起きていた。


頭の中が燃えるように熱かった。