原点回帰 サービスの本質はどこにあるのか。 | あなたの知らないひとのあたまのなか。

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ここでは主に公募賞の結果を中心にお送りします。

最近、mixiのテレビCMが気になっています。
きっかけは、深夜番組を見るともなく見ていたときでした。
(最近のわたしは、もっぱら深夜帯がメインです)



そもそもは、キャッチコピーにひかれました。
サービスの名称をもじって、そのサービスの特徴を視聴者に端的に伝えています。

「mixi(つなが)ってるね。」

上述のとおり、mixiのサービス特性として「つながり」を強調したいコピーです。
想定ターゲットは明らかに、学生(を中心とした若者)です。
あくまで主観的な意見ですが、見た瞬間に「すっと」腹に落ちました。
なるほど、mixiは確かに、ユーザー同士のつながりを保てる(たとえ遠くに離れてしまっても)のが一番の特徴です。

しかし、再度見ると、わたしはそのキャッチコピーよりも

「つながってるなんて、嘘だと思ってた。」

という主人公のセリフにはっとしました。
なるほど、最近の若い世代は、物心ついたときから携帯電話がコミュニケーションの重要な役割を持ってました。彼ら/彼女らには”遠距離交友”などというものとは縁遠いのです。だって、携帯電話でメール・電話をすれば、北海道と沖縄にいてもつながっていられますし。Skypeを使えば、無料で顔を見て話ができます。

しかし同時に、この世代のつながりはよく「ゆる~い」つながりとして表現されます。
たとえば、ロッテのガム製品FIT'Sがその代表例。
今の文明社会のにおいても、やはり物理的に離れれば、近くにいたときのような心の距離は保てません。ましてや、「ゆるい」つながりは、近くにいればこそ良いですが、いざ離れてしまうと心細いものです。

このCMでは、mixiを使うことで親友とはもちろんのこと、あの頃仲良かった「みんな」ともつながっていられるのです。ゆるく。
彼らは、mixiを通して、遠くに離れていても「ゆるい」つながりを保てるわけです。

わたしもmixiに登録こそしていますが、最近ではほとんど遠くにいる友人の近況をチェックするくらいでしか使いません。だって、アプリやらvoiceやら、mixiに期待していないサービスがじゃんじゃんでてきて疲れてしまうんですもの。

そういう意味では、このCMはサービスの原点に立ち返ったことを表現しているように思えます。
個人的には、なかなか好きな広告です。ベタですが(笑)