ケント氏の著書『Digi Marketing』(邦題:『次世代メディアマーケティング』)の内容の延長線として、氏が自ら我々ブロガー(15名程度)を前に、これからの「デジタル」の可能性を熱弁。私は本を読まずに参加したので、新鮮な気持ちで参考になることもありました。(本を読んでいけばもっと参考になったかと思いますが)
参加者は、メーカー・WEB広告会社・広告代理店・学生がほとんどでした。みなさん有名な(?)ブロガーの方もいらっしゃって、こんな冴えないブログを細々とやっている程度の私がはたしてあの場にいてよかったのかはおいといて。
感想としては、2つ。
1つ目は、やはりデジタルの流れは一過性のものではなく、比較的長い時間の流れの中で徐々にホットになってるんだな、ということ。今さら当たり前のようですが、ケント氏は、「デジタルについては、その進化のスピードの速さが注目されているが、実際に大切なのはデジタルの登場は、メディアの構造を根本的に変革している点だ」と指摘。
なるほど、まさにその通りで。だからこそ、(特に)日本の広告代理店のお金の取りどころもそれに応じて変わっていかなければならない。もっと重要なことだと、広告の効果指標をどうするか、という点は、マスメディアにとっては脅威であるわけです。WEBでは、クッキーを送ることで、ユーザーデータの取得&蓄積が容易にできます。要は、ただユーザーが何を買ったか、だけでなく、ユーザーの行動特性がある程度読み取れます。たとえば、わたしがAのページから、Bのサイトに飛び、Cの商品情報を見た。とすると、AとBとCとの間に何らかの関連性を見いだせるはずです。
それに比べると、やはり今の広告主がマス広告の効果測定に不満なのも頷けます。
視聴率、閲読率など、事実曖昧なデータと売り上げの上がり下がりで、本当にその売り上げの効果が広告施策によるものなのか、分からない点も多いです。
2つ目の感想としては、実務との隔たり、です。
今の会社に入って、幸運にもいくつかのこうしたセミナーに参加させてもらっています。
毎回、勉強になります。クライアントの課題を解決できた事例を見ては、こんなことを自分の手でもやってみたい!とモチベーションが上がります。
しかし、会社に帰ってみると、(当たり前ですが)そうそう実践できません。
すでに「広告」という概念すら取っ払ってもよい、という風潮すらある中でも、やはり現実的にはマス広告ありきの仕事は少なくない。生活者によるブランドへの「体験接点」を考えた時、最善の方法は必ずしも広告とは限らないと思います。(もちろん、マス批判ではありません。)
私個人としては、そもそもメディアありきの考えではなく、クライアントの課題を解決する上でもっともよいソリューションを考えることに尽きると思います。それが、広告会社に求められていることだと思います。
ただ、ここでまた、お金の取りどころが問題として浮上するわけです。
これは広告会社の現在の収入源を見れば一目瞭然でしょう。
うーむ、むずかしい。
次世代メディアマーケティング/ケント・ワータイム

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