もともと4月には釣りに出かけたかったのだが、頼まれた仕事や自分自身の案件も次から次と入ってきてたこともあってなかかなか出かけることができなかった。そのまま仕事をしていてもよかったとは思う。それなりにストレスなく仕事をしていたし、やることは山ほどあったけれども。しかし、ここらで一度リフレッシュしてさらに仕事にプラスになればと思い思い切って出かけることにした。今回も行き先はノースカロライナ州チェロキー。
チェロキーへの釣りの旅ももう何度も行っている。出発する時間帯、途中立ち寄る食料品店、途中昼食に立ち寄る場所などほぼルーティン化している。
チャールストンからハイウェイI-26を西へ進み、約3時間走ったところでサウスカロライナ州からノースカロライナ州に入る。そこでハイウェイから降りて食料品を買い込む。今回は釣れた魚を切り身にしてアヒージョを作り、その様子の動画を撮影しようと計画していた。その材料と朝食用のパン、果物などを買い込む。
一日目は運転のみ、二日目は寒いのであまりモチベーションが上がらず、魚も出てこない。数時間のみ釣りをしただけ。三日目、少し暖かくなったので川に出た。
三日目の朝、幾分寒さは和らいだようだった。これなら今日は釣りになるだろう。川は春らしく流れが重く速い。ということは魚は流れが緩い場所にいるのだ。しばらくするとやっと魚がアタリ出した。そして釣れたのがしっかりとした重さのあるマスだった。
その魚、
鱒はさかなへんに尊いと書く。魚として気位が高いという言い方もあるそうなのだが、鱒は釣れてから魚に敬意を示すといわれている。毛鉤に食いついてからのその後のやりとり、ファイトとも言うが、そのやりとりが長ければ長いほど体力が奪われ、最後には「降参」という感じでこちらに身を委ね、魚は落ち着いた状態でいるのが普通なのだ。
しかし、この魚は、なんだかとても機嫌の悪そうだった。やりとりしているときからも魚がやたらと嫌がって逃げ惑っていた、手元に来
て写真に収めようとしても、こっちを向かない。まるでそっぽを向いているような顔つき。その後、川に戻すときも魚が疲労というよりも、「ふんだ、ぼけっ」という感じで水に戻っていった。これが人間だったら「感じ悪い人やなぁ、なにあの態度?」って思うだろう、そんな魚だった。
午後、四時ぐらいになってから昨日見つけた場所で釣りをすることにした。
いい流れだ。しかしキャッチアンドリリース区間ではない一般の場所。それほど大きい魚はいないだろうなと思ってはいた。
実は今回の釣りには一つ計画があった。釣った魚でなにか料理を作って動画にしようと画策していたのだ。
しかし、実際に釣れたのは、一人では絶対食べきれない50cmクラスのメスの虹鱒だった、この季節、腹に卵を抱いているかもしれないので、逃すことにした。
そして、また別の場所に移動して釣りを続けた。今度はそれほど大きくはな虹鱒が釣れた。
しかし、その虹鱒はあまりにも体色が鮮やかで、くっきりとした斑点に赤い線。こんな綺麗な魚を殺して食べる気にはなれない。そう思ったのでやはり川に戻した。
結局、予定していたアヒージョには虹鱒の代わりにオイルサーディンを使うことにした。それはそれでまずまず美味しかった。
今回は運転しているときもキャンプ場で釣りをしているときも常にどこかで仕事のことを考えていた。いつもは旅をしているときはできるだけ仕事のことを頭から排除するのだが。しかし今回はのんびりしながら仕事のことを考えるのがどこか心地いいのだ。つくづく自分は気ままな生き方をしているなと思う。
最終日、四日目は朝から雨になった。そこそこ雨足も強い。仕方がないのでテントを片付けて帰路についた。
あとから釣れた瞬間などを思い返してみると、確かに釣りをしているとき、特に竿を握っている竿に魚の重さを感じているとき、そして釣れた魚を見つめているときは自分自身に戻っている。頭のほぼ100%仕事のことを考えているのだが、50%ぐらいは釣りをしている本来の自分に引き戻される、というより思い出させてくれる。
次は7月くらいか。
動画も作ったよ。観てやってください。





