疲労困憊から釣り旅へ | 空と風と川の流れを.

空と風と川の流れを.

 空と風と川の流れを求め,素の自分を表現できたら良いなと.

 思い返してみると、正月三が日以降週末も休まず仕事していた。それは自分に専門性がある仕事をしているので、他のプロジェクトに関わらざるを得ない、つまり仕事を頼まれると断れない立場にある。そのせいで、自分自身のプロジェクトも当初の予定より随分遅れている。ボスは容赦なしに急かしてくる。

 三月に入った頃からそろそろ心身ともに疲労が抜けなくなりヤバい状態になってきた。ええ加減、こういう状態を回避するスキルを身につけなければならないのはわかっているのだが、休むよりも少しでも仕事を進めたい気持ちが勝ってしまいズルズルと仕事をしてしまう。

 他のプロジェクトの仕事を仕上げたのが三月の中旬で、自分のプロジェクトにある程度目処が立ったのが先々週。先週はいくつかの外せない仕事とミーティングが入ってしまったので休みが取れなかった。で、今週火曜日、ボスの顔も他のメンバーの目を無視して釣りに出掛けてやった。

 

 しかし、あまりにも疲れ過ぎていて、しかも準備の時間があまり取れなかったせいで、キャンプ中の料理、釣りの準備そのものと、そしてビデオ作成のための準備とアイデアも、ぐだぐだな状態になってしまった。

 ノースカロライナ州チェロキーまでの5時間の運転するのも体力的に自信がなかったのだが、なんとか自身を奮い立たせた。

 

 ほんと、キャンプをするのには計画と準備が大切だよ。

 途中の食料品店で食料を買い込むのだが、予定も立てていなかったのでなにを買うかも決まらない。結局いつものようにアヒージョの材料と朝食のためのクロワッサンだけ思いついたので買った。

 

 キャンプ場に到着すると夕方4時を過ぎていた。その日は釣りをするつもりはなかったので、とりあえずテントを立てて寝床を確保する。

 キャンプの初日の夕食はいつも肉蕎麦にするのだが、自宅からトッピングにする牛肉のしぐれ煮を持ってくるのを忘れてしまった。仕方がないので具なしの蕎麦にした。

 日が沈むと急に冷え込んできた。電源が装備されているテントサイトだったのでセラミックヒーターを持ってきた。これがなければ極寒になっていただろう。

 

 朝はまずコーヒー。

 これだけは外せない。

 味噌汁が飲みたくなった。今回はまったく準備してこなかった。仕方がない。

 とりあえずクロワッサンを食べて釣りに向かった。時間は朝10時になっていた。

 

 ところが釣れない。

 全く釣れない。

 昨年の4月に同じ場所で釣りしたときはそこそこ釣れたのだが。まったく魚の反応がない。やっと釣れても15cm程度のニジマス。

 どうも時期的にちょうど釣れにくい時期に来たようだ。三月頃から少しずつ水温が上がってきて魚が動き始める。この時はまあまあ釣れる。5−6月になると産卵期に入る。産卵期に入ると魚は深く沈み、しかも産卵場所になるような場所に固まってしまって普段魚がいるような場所からはいなくなる。4月というのは釣れるはずなのだが今年は先に進んでしまったのか。いずれにせよ魚がどこか固まってしまっているようだ。なるほど、先週にこの川で釣った魚の画像をインスタグラムでみかけたが、婚姻色、つまり腹が赤くなっているような魚だった。

 そんな状態なので早々に切り上げてキャンプ地に戻る。

 

 釣れないので動画を撮影する気にもなれない。

 とりあえずGoProで撮影をするが、釣れないのだから、ただ毛鉤を投げているところだけの動画になってしまう。ストーリーを作ることさえできない。

 

 そんな状態で二日目、三日目同様だった。

 なにもない。変化もない。

 二日目の夜はアヒージョ。オリーブオイルにトマトとマッシュルームとエビを入れて煮込むだけ。塩と胡椒で味つけ。

簡単だけれどもハズレはない。

 翌朝はそのアヒージョの残りでガーリックトースト。トッピングは残りのマッシュルームとトマト。これがまたかなり美味い。

 

 四日目、最終日の朝からようやく体力が回復してきた。

 それほど疲れていたのか。こんな状態になる前に適度に休みを取るべきだった。もう少し休みを取ることにエゴイストになってなってもいいかもしれない。

 

 しかし、その日は早朝からそこそこ強い雨になった。雨空を眺めながらコーヒーを飲んで朝食を取る。

 9時になってきてようやく雨が弱まったので、素早くテントと道具を片付けて車に積みこんだ。

 

 まったく釣りにならなかった。こんなのも初めてだった。

 動画を作る素材も撮れなかった。仕方がない。

 

 来月、もう一度。